フォルクスワーゲン、WRCで今季3連勝を達成
フォルクスワーゲンは、WRC 第4戦ラリーポルトガルに3台の「ポロ R WRC」で参戦、フランス人のセバスチャン・オジェがラリースウェーデン、ラリーメキシコに引き続き、今季3勝目を獲得した。
11日(木)に開幕したラリーポルトガルは、ポルトガル南部、地中海に面したリゾート地のファロを起点として開催されるグラベル(未舗装路)ラリー。フォルクスワーゲンは今大会から3台目のポロ R WRCをノルウェー人のアンドレアス・ミケルセンに託し、体制を強化。
アンドレアス・ミケルセンは「フォルクスワーゲン・モータースポーツ?」というチーム名で参戦。 フォルクスワーゲン・モータースポーツ」に所属するフィンランド人のヤリ・マティ・ラトバラ、フランス人のセバスチャン・オジェと合わせて三人でこのラリーに挑んだ。
グラベルラリーは、路面を覆う土埃の影響により、出走順がタイムに影響する場合が多いため、事前に予選を行い、予選でタイムの良かった選手から好きな出走順を選択できる予選方式が導入されている。
11日の午前中に行われた予選では、セバスチャン・オジェが2番手、ヤリ・マティ・ラトバラが 3番手。このラリーが「ポロ R WRC」での初の WRC 出場となるアンドレアス・ミケルセンは 8 番手タイムを獲得した。
路面は非常に細かい埃に覆われており、乾いている場合は前走者によって埃が除かれた後方の出走順が有利となるため、セバスチャン・オジェは12番手、ヤリ・マティ・ラトバラは11番手、アンドレアス・ミケルセンは6番手をそれぞれ選択。11日の夜にヨットハーバーで開催されたスタート式典には大勢の観客が詰めかけ、次々にスタートしていく3台の「ポロ R WRC」に大きな声援が送られた。
12日(金)からは本格的な競技がスタート。最初の競技区間(スペシャルステージ。略称:SS)でセバスチャン・オジェは首位に立つが、続くSS2ではライバルがリード。このまま接戦となるかに思われたが、SS3でライバルはリタイア。冷静沈着に走ったセバスチャン・オジェが再び首位に返り咲き、初日を首位で終えた。ヤリ・マティ・ラトバラも順調に走り3番手を獲得したが、アンドレアス・ミケルセンはSS4でパワーステアリングの油圧系統にトラブルが生じ、総合16 番手まで順位を落としてした。
13日(土)の競技2日目、この日最初のSSとなる SS6でヤリ・マティ・ラトバラは総合2番手となり、首位のセバスチャン・オジェと盤石の体制を築く。初日を総合 14 番手で終えていたアンドレアス・ミケルセンは次々に順位を上げて、最終的に総合6番手に浮上。
このまま順調にゴールするかと思われたが、最終日14日(日)の午前中に、セバスチャン・オジェは駆動系トラブル、ヤリ・マティ・ラトバラはドライブシャフトのトラブルに見舞われる。このトラブルでヤリ・マティ・ラトバラは再び総合3番手に順位を下げた。セバスチャン・オジェとヤリ・マティ・ラトバラはそれぞれ自分たちの手で「ポロ R WRC」に応急処置を施し、順位を堅持。チームが待つサービスパークへと戻り、無事に修理を受けることができた。
最終SSとなったSS15 は、ボーナスポイントが加算される「パワーステージ」です。52.30km という長距離SSを、タイヤを温存していたセバスチャン・オジェはトップタイムで通過し3点を獲得、今年3勝目、 自身にとって10回目となるWRC勝利を挙げた。セバスチャン・オジェは優勝の2 点とボーナス 3点の 計28点を得て、選手権ポイントを計102点となった。また、このSSではヤリ・マティ・ラトバラも3番手で1点を獲得。ヤリ・マティ・ラトバラは総合3位、アンドレアス・ミケルセンは総合6位となり、「ポロ R WRC」は3台とも上位で完走を果たした。
次戦は5月1日(水)の第5戦ラリーアルゼンチン。南半球のため秋の開催となるアルゼンチンは有名なSSも多く、ドライバーの評価も高いグラベルラリー。セバスチャン・オジェは2011年に3位を獲得しているため、好成績が期待できる。
ヨースト・カピート (フォルクスワーゲン モータースポーツ ディレクター)
「このラリーはチーム全体にとって、ひとつの試練だったと言えるでしょう。それぞれのマシンにトラブルがありましたが今季3勝目、そして3位と 6位を得られたことは、ドライバーはもちろん、エンジニアやメカニックが問題の解決に向けて努力した結果です。私はこのチームを非常に誇りに思います。このペースでいけば、シーズンの目標を上方修正する可能性もありますね」
セバスチャン オジェ (総合優勝)
「目まぐるしい展開のラリーを制することができて、とてもうれしいです。日曜日のトラブルではもうダメかと思いましたが、幸いサービスに戻ることができましたし、我々のメカニックたちは素晴らしい手際でポロ R WRC を修理してくれました。我々のチームワークはまさに勝利にふさわしいと思います。私は月曜日から体調がすぐれなかったのですが、最後の 2 日間にはある程度回復することができました。ゆっくりと休息をとり、アルゼンチンは万全の体調で臨みたいと思います」
ヤリ・マティ ラトバラ (総合3位)
「今シーズン初めて表彰台を獲得することができ、非常にうれしく思っています。また、日曜日に破損した部品を速やかに交換してくれたメカニックにも感謝したいですね。完璧な仕事をしてくれた彼らには全幅の信頼を置いています。開幕3戦は苦労しましたが、ポロR WRCにも慣れました。次戦以降はもっと速さを見せることができると思いますので、次のアルゼンチンが待ち遠しいです」
アンドレアス ミケルセン (総合6位)
「私は初めてポロR WRCでラリーに出場しましたが、特に空力が優れており、カーブを曲がる速度も非常に高く安定しています。ポロ R WRC は、私がこれまで乗ってきた S2000 車両よりもはるかに速いため、4〜6速を使う高速コースでは、まだ完全にポロ R WRC を乗りこなせているとは言えません。今回の目標はできるだけ多くの経験を積むことなので、リスクは冒しませんでした。チームから多大なサポートを受けて、6 位という成績で最初のラリーを完走できたことに大きな感謝をしています」
カテゴリー: F1 / フォルクスワーゲン / WRC (世界ラリー選手権)
11日(木)に開幕したラリーポルトガルは、ポルトガル南部、地中海に面したリゾート地のファロを起点として開催されるグラベル(未舗装路)ラリー。フォルクスワーゲンは今大会から3台目のポロ R WRCをノルウェー人のアンドレアス・ミケルセンに託し、体制を強化。
アンドレアス・ミケルセンは「フォルクスワーゲン・モータースポーツ?」というチーム名で参戦。 フォルクスワーゲン・モータースポーツ」に所属するフィンランド人のヤリ・マティ・ラトバラ、フランス人のセバスチャン・オジェと合わせて三人でこのラリーに挑んだ。
グラベルラリーは、路面を覆う土埃の影響により、出走順がタイムに影響する場合が多いため、事前に予選を行い、予選でタイムの良かった選手から好きな出走順を選択できる予選方式が導入されている。
11日の午前中に行われた予選では、セバスチャン・オジェが2番手、ヤリ・マティ・ラトバラが 3番手。このラリーが「ポロ R WRC」での初の WRC 出場となるアンドレアス・ミケルセンは 8 番手タイムを獲得した。
路面は非常に細かい埃に覆われており、乾いている場合は前走者によって埃が除かれた後方の出走順が有利となるため、セバスチャン・オジェは12番手、ヤリ・マティ・ラトバラは11番手、アンドレアス・ミケルセンは6番手をそれぞれ選択。11日の夜にヨットハーバーで開催されたスタート式典には大勢の観客が詰めかけ、次々にスタートしていく3台の「ポロ R WRC」に大きな声援が送られた。
12日(金)からは本格的な競技がスタート。最初の競技区間(スペシャルステージ。略称:SS)でセバスチャン・オジェは首位に立つが、続くSS2ではライバルがリード。このまま接戦となるかに思われたが、SS3でライバルはリタイア。冷静沈着に走ったセバスチャン・オジェが再び首位に返り咲き、初日を首位で終えた。ヤリ・マティ・ラトバラも順調に走り3番手を獲得したが、アンドレアス・ミケルセンはSS4でパワーステアリングの油圧系統にトラブルが生じ、総合16 番手まで順位を落としてした。
13日(土)の競技2日目、この日最初のSSとなる SS6でヤリ・マティ・ラトバラは総合2番手となり、首位のセバスチャン・オジェと盤石の体制を築く。初日を総合 14 番手で終えていたアンドレアス・ミケルセンは次々に順位を上げて、最終的に総合6番手に浮上。
このまま順調にゴールするかと思われたが、最終日14日(日)の午前中に、セバスチャン・オジェは駆動系トラブル、ヤリ・マティ・ラトバラはドライブシャフトのトラブルに見舞われる。このトラブルでヤリ・マティ・ラトバラは再び総合3番手に順位を下げた。セバスチャン・オジェとヤリ・マティ・ラトバラはそれぞれ自分たちの手で「ポロ R WRC」に応急処置を施し、順位を堅持。チームが待つサービスパークへと戻り、無事に修理を受けることができた。
最終SSとなったSS15 は、ボーナスポイントが加算される「パワーステージ」です。52.30km という長距離SSを、タイヤを温存していたセバスチャン・オジェはトップタイムで通過し3点を獲得、今年3勝目、 自身にとって10回目となるWRC勝利を挙げた。セバスチャン・オジェは優勝の2 点とボーナス 3点の 計28点を得て、選手権ポイントを計102点となった。また、このSSではヤリ・マティ・ラトバラも3番手で1点を獲得。ヤリ・マティ・ラトバラは総合3位、アンドレアス・ミケルセンは総合6位となり、「ポロ R WRC」は3台とも上位で完走を果たした。
次戦は5月1日(水)の第5戦ラリーアルゼンチン。南半球のため秋の開催となるアルゼンチンは有名なSSも多く、ドライバーの評価も高いグラベルラリー。セバスチャン・オジェは2011年に3位を獲得しているため、好成績が期待できる。
ヨースト・カピート (フォルクスワーゲン モータースポーツ ディレクター)
「このラリーはチーム全体にとって、ひとつの試練だったと言えるでしょう。それぞれのマシンにトラブルがありましたが今季3勝目、そして3位と 6位を得られたことは、ドライバーはもちろん、エンジニアやメカニックが問題の解決に向けて努力した結果です。私はこのチームを非常に誇りに思います。このペースでいけば、シーズンの目標を上方修正する可能性もありますね」
セバスチャン オジェ (総合優勝)
「目まぐるしい展開のラリーを制することができて、とてもうれしいです。日曜日のトラブルではもうダメかと思いましたが、幸いサービスに戻ることができましたし、我々のメカニックたちは素晴らしい手際でポロ R WRC を修理してくれました。我々のチームワークはまさに勝利にふさわしいと思います。私は月曜日から体調がすぐれなかったのですが、最後の 2 日間にはある程度回復することができました。ゆっくりと休息をとり、アルゼンチンは万全の体調で臨みたいと思います」
ヤリ・マティ ラトバラ (総合3位)
「今シーズン初めて表彰台を獲得することができ、非常にうれしく思っています。また、日曜日に破損した部品を速やかに交換してくれたメカニックにも感謝したいですね。完璧な仕事をしてくれた彼らには全幅の信頼を置いています。開幕3戦は苦労しましたが、ポロR WRCにも慣れました。次戦以降はもっと速さを見せることができると思いますので、次のアルゼンチンが待ち遠しいです」
アンドレアス ミケルセン (総合6位)
「私は初めてポロR WRCでラリーに出場しましたが、特に空力が優れており、カーブを曲がる速度も非常に高く安定しています。ポロ R WRC は、私がこれまで乗ってきた S2000 車両よりもはるかに速いため、4〜6速を使う高速コースでは、まだ完全にポロ R WRC を乗りこなせているとは言えません。今回の目標はできるだけ多くの経験を積むことなので、リスクは冒しませんでした。チームから多大なサポートを受けて、6 位という成績で最初のラリーを完走できたことに大きな感謝をしています」
カテゴリー: F1 / フォルクスワーゲン / WRC (世界ラリー選手権)