F1オーストラリアGPで異例措置 中東情勢で夜間作業禁止を解除

この判断の背景には、中東地域での軍事衝突による航空網の混乱があり、多くのF1関係者や機材輸送が遅延したことがある。チームの準備作業が大幅に遅れていることを受け、FIAはフォース・マジュール(不可抗力)として通常の規制を緩和した。
中東情勢がF1の移動計画を直撃
今回の混乱の発端は、2月28日に発生したアメリカとイスラエルによるイラン攻撃と、その後の地域紛争の拡大だった。これにより中東の航空路線に大きな影響が出ている。
特に重要な航空ハブであるドバイ、アブダビ、ドーハが影響を受け、世界的な航空スケジュールの混乱が発生。F1の移動スケジュールにも大きな影響を及ぼした。
その結果、複数のチームスタッフが数日間足止めされ、代替便の確保に時間を要する事態となった。
F1は対策としてチャーター機を手配し、数百人規模の関係者をメルボルンへ輸送。イギリス航空のチャーター機1機には、11チーム中10チームのスタッフとF1関係者が搭乗し、シンガポール経由でオーストラリアに到着した。
フェラーリとレーシングブルズが大きな影響
今回の航空混乱で特に影響を受けたとみられているのがフェラーリとレーシングブルズだ。
両チームのクルーはイタリアで足止めされ、最終的にイギリスからのチャーター便で移動する形となった。
現在はメルボルンに到着しているものの、通常の週末準備スケジュールから大きく遅れている状況だ。
こうした状況を受け、FIAは開幕戦に限りカーフュー規則の適用を停止することを決定した。
FIAが“Restricted Period”を適用停止
FIAは水曜日、全11チームに対して正式にこの決定を通知した。
レースディレクターのルイ・マルケスはチームに向けた通達で次のように説明している。
「フォース・マジュールの状況、特にオーストラリアGP準備における継続的な移動および貨物輸送の混乱を受け、スチュワードとの協議の結果、規則B9.5.1a(Restricted Period 1)およびB9.5.1b(Restricted Period 2)は本大会では適用されない」
通常、これらの制限時間はグランプリ週末の最初のプラクティス前に適用される。
なお、金曜日のFP2とFP3の間に設定される14時間の「Restricted Period 3」については、現時点で変更は発表されていない。
F1界も中東情勢を注視
メルセデスのチーム代表トト・ヴォルフは、オーストラリアGPを前に中東情勢への懸念を示した。
「中東で起きている状況を考えると、スポーツの話をするのは些細なことに思える」
「僕たちはこの地域の出来事を懸念を持って見守っており、市民の命が守られることを最優先に願っている」
「バーレーンで予定されていたタイヤテストでは、何人かのチームメンバーが影響を受けたが、幸いにも安全に出国することができた」
「この深刻な状況の中で、今後数週間にF1へどのような影響があるかを推測するのは適切ではないだろう。FIAとF1が状況を監視し、必要に応じて正しい判断を下すと我々は理解している」

中東ラウンド開催にも不透明感
今回の地域情勢の影響は、すでに他カテゴリーにも及んでいる。
世界耐久選手権(WEC)の2026年開幕戦カタール1812kmは、すでに延期が決定した。
さらに、4月12日に予定されているカタールMotoGP、そして来月のF1バーレーンGPとサウジアラビアGPについても開催の可否に疑問符が付いている。
FIAとF1は現在も状況を監視しており、今後の判断が注目されている。
カテゴリー: F1 / F1オーストラリアGP
