ジャック・ヴィルヌーヴ 「F1バーチャルGPは所詮ゲームにすぎない」
元F1ワールドチャンピオンを務めるジャック・ヴィルヌーヴは、eスポーツは所詮ゲームに過ぎず、実際の競技とはまったく異なるものだとして関心を示していない。

F1は、新型コロナウイルスの世界的な流行による2020年のF1世界選手権の中断期間を利用して、ファンを楽しませるために新しいeスポーツイベント『F1 Esports Virtual Grand Prix』を開催している。

4月5日に開催された第2戦では現役F1ドライバーが6名参加し、シャルル・ルクレールが優勝するなどレースがまったく開催されないこの期間にある程度の話題を集めた。また、インディカー、MotoGP、NASCARなどもバーチャールレースを開催してファンを楽しませており、一部では今後、バーチャルレースが実際のレースに代わるほどに成長する可能性があると考えている者もいるようだ。

だが、バーチャルレースについて質問されたジャック・ヴィルヌーヴは「あれはスポーツではない。あれはビデオゲームだ」と語った。

F1チームが使用しているシミュレーターは、マシンの挙動やサーキットが忠実に再現されているが、市販されている一般レベルのゲームは例えシミュレーターのようなコックピットシステムを導入してもそこまでの精密さはない。また、キミ・ライコネンといった一部のドライバーは実際のコースでの走行に勝るものはないとして、F1チームのシミュレーター作業にさえ難色を示している。

現にシムレース愛好家で知られるレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは、F1 Esports Virtual Grand Prixで使用されている公式ゲーム『F1 2019』に特に関心を示しておらず、同大会に参加することは“絶対にない”と語っている。

また、PCや回線環境によるトラブルも多く、ランド・ノリス(マクラーレン)はまともにレースに参加することができておらず、フェルスタッペンの助言のもとソフトをアンインストールするというパフォーマンスで沸かせた。F1マシンの再現度についても「車のホイールベースが違うので、実際とは違いがあるね」とランド・ノリスは語っている。

F1は本格的なeスポーツ大会『Formula 1 eSports Series』を2017年から開催しているが、そちらの人気はイマイチ。実際、F1 Esports Virtual Grand Prixの後にFormula 1 eSports Seriesのレースが開催されたが、ほとんど話題になっていない。

世界中でレースが開催できない中、F1ドライバーがSNS感覚で緩い雰囲気のなかでゲームを楽しんでいる様子を見ることができるのはファンとしては嬉しいことではあるが・・・。

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カテゴリー: F1 / ジャック・ヴィルヌーヴ