セバスチャン・ベッテル、フェラーリF1との契約交渉について語る
セバスチャン・ベッテルが、F1公式サイトでロングインタビューに答え、フェラーリF1との契約交渉、新型コロナウイルスの感染拡大によってレースができない現状、自宅での過ごし方について語った。

世界が新型コロナウイルスと戦っているなか、セバスチャン・ベッテルが本業だと呼ぶF1はいつ再開できるか目途が立っていない。ライバルの19人のF1ドライバーと同じように4回のF1ワールドチャンピオンであるセバスチャン・ベッテルも自宅で過ごしている。

セバスチャン・ベッテルが2021年以降もシャルル・ルクレールとともにフェラーリのシートに収まるかどうかはF1グリッドに最も影響を与えることにある。ダニエル・リカルドやカルロス・サインツといった名前がその後釜として噂されているが、セバスチャン・ベッテルはフェラーリから移籍するつもりはないとし、チーム代表のマッティア・ビノットもベッテルの仕事ぶりを称賛しており、フェラーリとベッテルのパートナーシップが継続される可能性が高い。

そして、F1が中断期間にあることで、契約条項を熟考し、詳細について同意する時間が生まれている。一部報道ではセバスチャン・ベッテルは、フェラーリが提示した契約内容について同意するかについて4月末までに通知しなければならないとも報じられている。

レースが再開されるまでにフェラーリとの契約が延長されるかどうかについてセバスチャン・ベッテルは「開幕戦がいつになるかによる」と語る。

「現時点では6月か7月より前にレースをすることはなさそうなので、開幕戦前に決定を下さなくてはならない可能性が高い」

「まず、この状況に確実に正しい方法で対応することが最優先だ。したがって、すべてが保留されている。どこも同じだと思うし、僕たちにとっても同じだ。オーストラリアの数日後に『すぐに話し合おう』とはならなかった。状況は進展するだろう」

次の問題は契約期間の長さになる。セバスチャン・ベッテルはこれまで複数年契約を結んできた。ベッテルはキャリアの終盤に差し掛かっていることを認めつつも、年齢が障壁になっているとは考えておらず、長期契約も除外してはいない。

「契約がどのようなものになろうと、僕とチームが満足するものになるだろう」とセバスチャン・ベッテルは語る。

「だから、期間についてはわからない。これまで結んできた契約はたいてい3年契約だった。僕はF1でも経験豊富なドライバーのひとりだけど、最年長ではないし、その点では年齢制限があるとは思っていない」

新型コロナウイルスのパンデミックの状況は日々変化しており、F1がいつ再開されるかを予測することは時間の無駄だ。しかし、F1とFIA(国際自動車連盟)はあらゆるシナリオを検討しており、F1ドライバーも議論している。

セバスチャン・ベッテルは、F1がどのようにレースを再開するかについて「GPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)の中でかなり話をしている」と語る。

「本当に難しい。厳しい判断だ。ビジネス的にF1は健全性を考慮しなければならないし、パドック内の人々、パドックで働く人に対する責任もある。もちろん一番重要なのはファンだ」

「F1は野外、つまり開放空間で行われるスポーツだけど、普段は大勢の人がレースを観にくる。僕たちは自分たちを気にかけるのと同じように観客である一般の人々も気にかける必要がある。再開の方法、レースを再開する最善の方法について、今はたくさんの選択肢がある」

「ファンがいるのかいないのか、無観客レースになるのかならないのか、僕にはわからない。空っぽのグランドスタンドの前でレースをしたい人はいないと思う。かなり変な感じだろうね。でも、問題はレースを再開しようと言えるタイミングがいつなのか、いつものレースよりも無観客レースの方がかなり早くに再開できるのかどうかだ」

「僕たち全員が通常の状態に戻りたいと思っている。F1だけでなく世界中のみんながそう思っている。でも、さっきも言ったけど、一番の処方箋は辛抱だ。僕はマシンに乗りたいし、わがままを言わせてもらえばレースをしたいのでつらい。でも、今の状況とは違うことをしたいと思っている人は大勢いる」

「おそらく、最初の2戦はいつものレースにはならないだろう。でも、そういうレースがあまり多くないことを望んでいる。いつも通りに観客やファンの前で素晴らしい雰囲気の中でレースがしたい。どうなるか見てみよう」

セバスチャン・ベッテルは、シャットダウンのおかげで子供と過ごす時間やトレーニングの時間が増えたと語る。伝統的に、シーズンが終了すると、F1ドライバーはクリスマス頃に1~2週間の休みをとり、その後、集中的なトレーニングを開始する。ドライバーが熱心にトレーニングに取り組み、厳しいシーズンに備えて肉体的・精神的な状態を追い込んでいく期間は1年のその時期だけとなる。しかし、今年は異例の状況となっており、厳しいプログラムを続ける機会が生まれた。

セバスチャン・ベッテルは「多くの時間をトレーニングに費やしている」と語る。

「冬季ブログラムと同じようなものだ。気温が高いので自転車に乗るなど屋外でトレーニングできるのはいいことだ。おかげで肉体的・精神的に気を抜かないでいられる」

しかし、世界中の何百万人の親と同様、セバスチャン・ベッテルも子守をしながら仕事とトレーニングのバランスをとらなければならない。

「確かに子供たちには手がかかる。二人は幼稚園に行っているので、少しは助けてもらっている。でも、子供たちを喜ばせるのは楽しい」

「いろいろなバラエティがある。オンラインの教材にはドイツ語も英語もあるので助かる。でも、全体的に子供と遊ぶことは飽きないし、アイデアが尽きることもない。子供のおかげで忙しいよ!」

だが、セバスチャン・ベッテルは「子供たちと過ごす時間はとても楽しいけど、マシンに乗れないのが寂しい」と語る。

「ドライビングをしている感覚は何ものにも代え難い。だから、それを待ち望んでいる。反省したり家族と過ごす機会でもある。こういう状況は楽しいものではないけど、それを最大限に活用しようとしている」

F1チームの半数は、従業員の一部を強制的に休職させている。また、マクラーレン、ウィリアムズ、レーシング・ポイント、ハースのF1ドライバーは給与カットに応じている。フェラーリはスタッフを一時解雇してはいないが、セバスチャン・ベッテルは給与の減額を話し合っていると認める。

それについてはチームと話し合っている」とセバスチャン・ベッテルは語る。

「さっきも言ったけど、このシーズンがどうなるか、いつ再開するか、何戦あるかはまだわからない」

「チームと僕の間の決定はいつも秘密にしてきたし、今回も秘密にするつもりだ。イメージアップなどのために利用したくはない。これまでの決定は秘密にしていたし、今回も同じだ」

セバスチャン・ベッテルのチームメイトであるシャルル・ルクレールは、4月初旬に『F1 2019』を入手してからわずか1週間足らずで参加したF1バーチャルGPの第2戦で優勝した。また、マックス・フェルスタッペン、ランド・ノリス、アレクサンダー・アルボンといったF1ドライバーたちが、自宅のシミュレータでレースを楽しんでいる。

セバスチャン・ベッテルも興味を持っていると認める。

「実際、数日前まではシミュレータを持っていなかったので、チャンスがなかったし、誘惑されることはなかった」とセバスチャン・ベッテルは語る。

「でも、それについて多くのことを聞いている。手に入れて試してみるのもいいかもしれないと思ったんだ。でも、まだきとんと設定する必要がある。あまりシムレースでのキャリアを予測するつもりはない。楽しむために試してみるという部分が大きい。僕もそういったもので育ってきたし、いくつかのゲームもプレイしてきた。でも、正直なところ、子供ができてからゲームはやることリストの優先事項ではない」

「でも、何人かがレースをしているというニュースを読んだし、シャルルが彼のデビューでうまくやって、彼とチームにとっていい感じだったというニュースも読んだ。まだシムレースは楽しむためのものだと思っている。レースがまだ現実の世界で起こらなければならないと思っている。だから、そこに焦点が置かれている」

「それ以外では、とても楽しい。時間があるかどうか確かめてみよう。真剣に受け止め、多くの時間をそこで過ごす人もいることは承知しているけど、僕は他のことも楽しんでいる。だからその中のひとつとしてするつもりだ」

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カテゴリー: F1 / セバスチャン・ベッテル / スクーデリア・フェラーリ