フェルスタッペンのF1危機論にFIAが反論「根本的には良いレギュレーション」

一方で、レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、修正の動きを歓迎しながらも、2026年F1レギュレーションについて「根本的に何かが間違っている」と批判。FIAとドライバーの見解の差が、マイアミGPを前に改めて浮き彫りになっている。
FIAは「集中治療室ではない」と説明
FIAは4月を通じてF1関係者との複数の会合を行った後、月曜日に2026年F1レギュレーションの一連の修正を発表した。変更は来週末のマイアミGPから適用される予定で、主にエネルギーマネジメント、レーススタート時の安全性、ウエットコンディションでの安全性に関するものとなっている。
フェルスタッペンはドライバーの中でも新規則に対して最も強い批判を示してきた人物であり、2月のプレシーズンテストではこのレギュレーションを「反レース的」だと評していた。
FIAが新しいレギュレーションの初期段階で調整を行うこと自体は珍しくない。2022年にグラウンドエフェクト規則が導入された際も、複数チームがポーパシングに苦しんだことを受け、FIAはドライバーの安全性を理由にバウンシングを抑えるための措置を導入した。
その後、2023年シーズンに向けてフロアエッジやディフューザー・スロート高の引き上げなど、さらなる調整も行われ、極端なポーパシングは事実上解消された。
マクラーレンやフェラーリで働いた後、2018年にFIAに加わったトンバジスは、FIA制作のインタビューで次のように語った。
「我々のスポーツという患者が集中治療室に入っていると考えていた者は誰もいなかった、ということを知っておくのは重要だ」
「明らかに引き出すべき問題はあったが、我々は集中治療室にいたわけではない」
「おそらく患者にはもう少し運動が必要で、1日にリンゴをいくつか食べ、改善し、ビタミンを取る必要があるということだ」
「我々が取り組んできたのはそういうことだ。これは進化であり、革命ではない」
「我々は根本的に良いパッケージを持っていると信じているし、実際に起きていることに応じて調整が必要になるのは普通のことだ」
フェルスタッペンは「微調整では足りない」と主張
トンバジスの発言は、フェルスタッペンが2026年F1レギュレーションに対して根本的な欠陥が残っているとの見解を示した数日後に出たものだ。
フェルスタッペンは放送局Viaplayが主催したイベントに登壇し、規則変更について話し合いが行われていること自体は前進だとしながらも、問題はより深いところにあると語った。
「僕たちが変更について話しているという事実は、すでに一歩前進だ」
「問題は単純で、このレギュレーションはいくらか微調整できるが、根本的に何かが間違っているということだ」
「誰もがそれを公に認めるわけではないが、それは事実だ」
フェルスタッペンはさらに、2005年を最後に使われたV10エンジン、あるいは2013年を最後に使われたV8エンジンの復活を支持した。
「僕はただ、それに適応しようとしている」
「数年後には引退することになるとしても、まともなスポーツであり続けてほしいと思っている」
「何かを変えなければならない。その場合、僕ならV10かV8エンジンを戻すことを選ぶ」
昨年には、FIA会長のモハメド・ビン・スライエムが、持続可能燃料を使用するV10エンジンを将来のF1レギュレーションで検討対象にすべきだと示唆し、FIAが可能性を評価する作業部会を設置したことで、V10復活論が一時的に再浮上していた。
FIA会長は「ドライバーが議論の中心にいた」と強調
FIAが月曜日にPlanetF1.comへ提供した声明の中で、モハメド・ビン・スライエムは、現在のレギュレーションを洗練させるためにF1関係者が行った「建設的かつ協力的な作業」を称賛した。
「FIAスタッフ、チーム、ドライバー、パワーユニットマニュファクチャラーを含むF1エコシステム全体の全員に対し、非常に短い時間の中で行われた建設的かつ協力的な作業を称賛したい」
「スポーツの制御を超えた事情により、カレンダーに予期せぬ空白が生じたが、すべての関係者はF1にとって最善の利益のために行動することに完全にコミットし続けた」
「これまで以上に、ドライバーたちはこの議論の中心にいた。彼らがこのプロセスを通じて貴重な意見を寄せてくれたことに感謝したい」
「安全性とスポーティング上の公平性は、FIAにとって最優先事項であり続けている」
「これらの変更は、開幕イベントで確認された問題に対処し、競技の完全性と質を継続的に確保するために導入された」
「我々は今、エキサイティングな2026年シーズンの残りに期待している」

マイアミGPから適用される主な変更点
FIAによると、2026年F1世界選手権レギュレーションの複数の改良案は、FIA、チーム代表、パワーユニットメーカーのCEO、FOMによるオンライン会議で合意された。
最終提案は、過去数週間にわたるFIA、技術代表者、そしてF1ドライバーからの広範な意見を踏まえた協議の結果としてまとめられた。調整の議論は、2026年シーズン開幕3戦で収集されたデータに基づいて行われた。
合意された提案は、レーススタート関連の変更を除き、マイアミから実施される。スタート関連の提案についてはマイアミでテストされ、フィードバックと分析を経て採用される。
予選では、エネルギーマネジメントのパラメータが調整され、最大許容リチャージ量が8MJから7MJに引き下げられる。これは過度な回生を減らし、より一貫した全開走行を促すことを目的としており、最大スーパークリップ時間を1周あたり約2〜4秒に短縮することを狙っている。
ピーク時のスーパークリップ出力は、従来の250kWから350kWへ引き上げられる。これにより回生に費やす時間をさらに減らし、エネルギーマネジメントに関するドライバーの負担を軽減する。この変更はレース状況にも適用される。
また、代替の低エネルギー制限を適用できるイベント数は8戦から12戦に増やされ、各サーキット特性への適応幅が広げられる。
レースでは、ブーストによって使用できる最大出力が+150kWに制限される。あるいは作動時点で車両の現在出力がそれを上回っている場合は、その出力が上限となる。これは突然の性能差を制限するための措置だ。
MGU-Kのデプロイメントは、コーナー出口からブレーキングポイントまでの主要な加速区間、オーバーテイク区間を含むエリアでは350kWに維持される。一方で、それ以外のラップ区間では250kWに制限される。
これらの措置は、オーバーテイクの機会と全体的な性能特性を維持しながら、過度な接近速度を抑えることを目的としている。
レーススタートでは、新たに「低出力スタート検知」システムが開発された。クラッチリリース直後に異常に低い加速を示すマシンを識別できるもので、その場合には自動的にMGU-Kデプロイメントが作動し、最低限の加速を確保する。スポーティング上の優位性を生むことなく、スタート関連のリスクを軽減する狙いがある。
これに関連して、影響を受けたマシンには後方および側面の点滅ライトを作動させ、後続ドライバーに警告する視覚システムも導入される。
さらに、フォーメーションラップ開始時にエネルギーカウンターをリセットする措置も実施され、以前に確認されたシステム上の不整合が修正される。
ウエットコンディションでは、ドライバーからのフィードバックを受けてインターミディエイトタイヤのタイヤブランケット温度が引き上げられ、初期グリップとタイヤ性能の改善が図られる。
最大ERSデプロイメントは削減され、トルクを制限することで低グリップ時の車両コントロールを改善する。
リアライトシステムも簡素化され、悪条件下で後続ドライバーの視認性と反応時間を改善するため、より明確で一貫した視覚的合図が採用される。
これらの最終提案は、5月3日のマイアミGP前の実施を目指してFIA世界モータースポーツ評議会の電子投票にかけられる。ただし、レーススタート関連の提案については、マイアミGP週末にテストと分析が行われる。
カテゴリー: F1 / マックス・フェルスタッペン / レッドブル・レーシング / FIA(国際自動車連盟)
