F1王者フェルスタッペンがMotoGPチーム買収?候補にLCRとトラックハウス
現F1ワールドチャンピオンのマックス・フェルスタッペンが、将来的にMotoGPチームのオーナーシップに関心を持っていると、関係者がThe Raceに認めた。

これはリバティ・メディアによるMotoGP買収が進む中で、F1と二輪のシリーズ間の協力が拡大しつつあり、フェルスタッペンやルイス・ハミルトンのようなMotoGPファンにとって新たな関与の機会が開かれていることを背景としている。

イタリアのSky Sportsは、フェルスタッペンと父ヨスがホンダやアプリリアと接触し、サテライトチームのLCRや、米国拠点のトラックハウス・アプリリアが売却可能かどうかを打診したと報じた。

しかしThe Raceがフェルスタッペンの側近から得た情報によれば、彼が二輪の世界に事業を広げたいという関心は確かにあるものの、現時点ではあくまで初期段階にあり、具体的にチームと交渉している状況には至っていないという。

フェルスタッペンはMotoGPファンとしても知られており、過去には「マルク・マルケスのマシンを試してみたい」と語ったことがある。レッドブルの仲間でもあるスペイン人ライダーのマルケスは、ドゥカティで圧倒的なシーズンを送り、今季プレミアクラス7度目のタイトルを獲得した。

4度のF1王者であるフェルスタッペンはすでに「Verstappen.com Racing」を運営しており、元F1ドライバーの父ヨスのラリー参戦を支援するほか、マネージャーであるレイモンド・フェルムーレンの息子ティエリー・フェルムーレンをGTやDTMに参戦させている。

MotoGPに進出すれば、F1ライバルであるルイス・ハミルトンと全く異なる舞台で競い合う可能性も生まれる。ハミルトンもMotoGP参入に関心を持ち、2024年にはグレシーニ・レーシング買収の交渉に関わったが、その動きは最近停滞している。

ハミルトンとフェルスタッペンはいずれもMotoGPファンであり、ハミルトンは定期的にサーキットでバイクを走らせ、数年前にはバレンティーノ・ロッシとバイクとF1マシンの乗り換えイベントも行った。一方のフェルスタッペンも常にMotoGPへの愛情を語っており、昨年オーストリアのServus TVに「MotoGPの大ファンだ。必ず全戦をタブレットでチェックしている」と明かしている。

マックス・フェルスタッペン MotoGP

ただし、フェルスタッペン陣営はこうした報道を否定的に受け止めている。マネージャーのレイモンド・フェルムーレンはオランダ紙『De Telegraaf』に対し次のように語った。

「マックスは四輪と二輪のレース活動に強くコミットしており、ご存知の通り、Verstappen.Com Racingを通じてGT3の世界にも深く関わっています。MotoGPに興味があるのは秘密ではありませんが、チームを引き継ぐのは現時点では現実的ではありません。本当に全てがうまく重ならなければならないでしょう。近い将来にそれが実現する可能性は極めて低いです」

一方で、最初にMotoGP側へと参入を果たしたのは元F1チーム代表のギュンター・シュタイナーだった。数週間にわたり噂が流れていたが、今週末のカタルーニャGP直前にTech3 KTMの買収が正式に発表され、2026年から長年チームを率いたエルベ・ポンシャラルに代わってシュタイナーがチーム代表に就任する。

MotoGPチームは現在「お買い得」と見られており、相場は約2000万ユーロとされる。しかしリバティ・メディアの人気拡大策が始まれば、その価値は大きく跳ね上がると予想されている。実際、F1チームの中にはリバティの下で価値が10倍に膨れ上がったケースもあり、とりわけ米国での人気急上昇が観客数や収益を押し上げてきた。

さらにMotoGPは2027年に新ルールとピレリによる新タイヤが導入される転換期を迎えており、近年支配的だったドゥカティの優位が脅かされる可能性もある。

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カテゴリー: F1 / マックス・フェルスタッペン / MotoGP