マックス・フェルスタッペンF1出場停止なら代役はダニエル・リカルド?
マックス・フェルスタッペンが出場停止処分となった場合の“最も意外な代役候補”として、RacingNews365はダニエル・リカルドの名前を挙げている。

かつてレッドブルF1でフェルスタッペンのチームメイトを務め、2023年に現場復帰したリカルドだが、現在は実質的にF1キャリアを終えている。しかし同メディアは、「1戦限定」であれば、若手育成への影響を最小限に抑えながら、チームの精神的な支柱として機能する可能性があると論じている。

フェルスタッペンは現在、FIAスーパーライセンスにおいて過去12か月で11ポイントのペナルティを受けており、出場停止の瀬戸際に立たされている。

どのようにしてここまでのポイントに達したか、そしてこの危機的状況がいつ緩和されるのかといった詳細は、すでに多く語られている。だが、もしカナダGPかオーストリアGPのいずれかであと1ポイントでも加算されれば、フェルスタッペンは1戦の出場停止処分を受けることになる。

それは、レッドブルの本拠地である「レッドブル・リンク」でのレースを逃すことになりかねないとヘルムート・マルコが「悲劇」だと語った通り、チームにとっては深刻な事態だ。

仮にフェルスタッペンが1戦欠場することになれば、レッドブルにはいくつかの選択肢がある。アイザック・ハジャーを一時的に昇格させる、あるいはリアム・ローソンを再起用する、または控えの岩佐歩夢や(スーパーライセンスの有無に応じて)アービッド・リンドブラッドをレーシングブルズに充てるといった案だ。

だが、それ以上に複雑で、かつ実現可能な選択肢もある。すなわち、経験豊富な外部ドライバーを起用するという案だ。

たとえば、来季のレッドブル加入を希望しているとされるバルテリ・ボッタスのような存在は魅力的だが、彼を週末だけでもレッドブルに貸し出すとは、メルセデスが簡単に応じるとは考えにくい。

一方で、現在どのチームにも所属していないドライバーを起用するという道もある。しかも、それが過去にレッドブルと縁のあったドライバーであれば――

ここで登場するのが、皆のお気に入りのオーストラリア人F1ドライバー、ダニエル・リカルド(オスカー、気を悪くしないでほしい、ただの言い回しだ)。

リカルドを起用する理由は?

短期的な“応急処置”としては、セルジオ・ペレスの起用も可能だろう。ローソンや角田裕毅がフェルスタッペンの隣で苦戦している現状を見れば、昨年のペレスのパフォーマンスがそこまで悪かったとは言えないという見方もできる。

しかし、真の意味での最適解はリカルドかもしれない。

彼が2023年シーズン途中にニック・デ・フリースの後任としてアルファタウリに加入したのは、将来的なレッドブル復帰を視野に入れてのことだった。

だが、骨折による離脱と復帰後の苦戦、そして2024年における角田裕毅に対する劣勢により、その道は閉ざされた。そして、シンガポールGPを最後にリカルドのF1キャリアは突如終わりを迎えた。

それでも、もしレッドブルが「たった1戦」だけ代役を探すのであれば、チームに違和感なくフィットし、レーシングブルズの今後の計画にも影響を与えない存在として、リカルドは完璧に条件を満たす。

クリスチャン・ホーナーは公然とリカルドのファンであり、チームのエースが欠ける週末という難局において、彼のような陽気な存在は“ケミストリー”の観点からも最適だ。しかも、その結果がどうなろうとも将来に尾を引くようなことはない。

もっとも可能性が高いのはハジャーだが、彼に関してはすでに「守るべきだ」という声が高まっている。フェルスタッペンのチームメイトという過酷な立場に若い才能を投じることに対する懸念が背景にある。

リカルドであれば、双方にとってプレッシャーも期待もない。彼はチームの未来ではないため、もしレースが失敗に終わっても誰もダメージを受けない。

さらに、彼は唯一、レッドブルの扱いづらいマシンに耐え抜いたことのあるチームメイトだ。

もちろん、それは以前のマシン世代での話ではあるが、ローソンや角田裕毅の現状を見れば、ミルトンキーンズのチームは誰を代役に立てようとも、上位進出やポイント獲得は期待していないはずだ。

加えて、もしこの一戦で好成績を収めることができれば、将来的なセカンドシートの“短期的なつなぎ”としての道も開ける可能性がある。その間にハジャーは、より持続可能でふさわしい環境のもとで成長を続けられる。

つまり、リカルドをフェルスタッペンの代役に据えることには、リスクがほとんどなく、メリットばかりなのだ。そしてこれは、ホーナーらがかつて実行に移すことのできなかった計画を試す“無料のお試し”でもある。

しかも、レッドブルの象徴が不在となる週末に、ファンやF1界にとって好感度の高いリカルドが代役を務めるとなれば、話題性としても申し分ない。

とはいえ、リカルド本人を説得する必要はあるかもしれない。彼自身は、自身のF1キャリアにすでに一区切りをつけたように見えるからだ。

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カテゴリー: F1 / マックス・フェルスタッペン / レッドブル・レーシング / ダニエル・リカルド