WRC | トヨタ第11戦 ラリー・トルコ 2日目レポート
3本のSSベストタイムを記録するも過酷なコンディションのグラベルステージで苦戦。
9月13日(金)、2019年FIA世界ラリー選手権(WRC)第11戦ラリー・トルコが、トルコ南西部アスパランのサービスパークを中心に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのクリス・ミーク/セブ・マーシャル組(ヤリスWRC 5号車) が総合7位に、オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(8号車)が総合8位に、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(10号車)が総合9位につけた。
競技2日目となるデイ2は、サービスパークの周辺と、北東エリアで3本のステージを各2回走行。6本のSSの合計距離は159.14kmと、4日間で最長の1日だった。午前中のセクションでは、オープニングのSS2でラトバラがベストタイムを記録し首位に浮上。続くSS3では慎重な走りにより遅れをとったが、SS4では再びベストタイムを記し、総合3位で午前中を終えた。午後の再走ステージでは、1本目のSS5でミークがベストタイムをマークし、総合6位に順位を上げた。しかし、そのSS5でラトバラは右フロントタイヤにダメージを負い、総合8位に後退。続くSS6では激しい降雨により、摩耗した状態のタイヤでは十分なグリップを得られず、総合9位で1日を終えた。
ミークもまた、SS6の降雨で大きくタイムロス。SS7ではひとつ順位を落としたが、それでも全てのステージを走破し、チーム最上位の総合7位につけた。ドライバー選手権首位のタナックは、デイ2で不利な1番手スタートを担い、ルーズグラベルに覆われた午前中のステージでタイムを失った。それでも、忍耐強い走りを続け、SS5が終了した時点では首位と25.3秒差の総合5位につけていた。しかしSS6で右フロントのタイヤがリムから外れ1分以上をロス。ミークと5.3秒差の総合8位でデイ2を終えた。
トミ・マキネン(チーム代表)
簡単な1日ではありませんでした。オットは出走順が1番だったので苦戦を予想していましたが、朝は全てが上手く進みました。しかし、午後のステージでの不運なパンクにより、厳しい状況になりました。クリスとヤリ-マティもまた、同じステージで大きくタイムを失いました。午後は雨が降ると分かっていましたが、そのステージでは予想よりも激しい降雨がありました。昨年、そして今日の展開を見れば分かるように、このラリーではいかなることも起り得るので、さらなる問題の発生を回避しながら、戦い続ける必要があります。
オット・タナック (ヤリスWRC 8号車)
1番最初にステージを走るのはあまり楽しく感じられませんでしたが、チームがクルマを改善してくれたお陰で、午前中は昨年よりも良いフィーリングで走れました。再走ステージでは路面が荒れ、午後は厳しい状況になるだろうと予想していましたが、天気の悪化によりさらにトリッキーなコンディションになりました。残念ながら午後2本目のステージでパンクをしてしまいましたが、このラリーでパンクはくじ引きのようなものなので、今日はついていなかったのだと思います。もちろん、望んでいたような1日ではありませんでしたが、前に進み続け、何かが起きるのを待ちたいと思います。
ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 10号車)
今朝は良いスタートを切りました。あまり攻めなかったのにSS2でベストタイムが出たのは、嬉しい驚きでした。次のSS3は少し慎重に走り過ぎましたが、SS4で再び良いタイムが出て埋め合わせをすることができました。クルマの状態はとても良かったのですが、午後はステージが荒れるだろうと覚悟していました。SS5ではリヤのバンパーを失い、その結果車内が非常にうるさくなり、ペースノートに集中するのが難しい状況でした。そして、右コーナーでインに深く切り込んだ時にタイヤを傷つけ、空気が抜けた状態で最後まで走らなくてはなりませんでした。SS6ではなく、その次の最後のステージで雨が降ると予想しハードタイヤでSS6に臨んだのですが、その判断は結果的に誤りで、大幅にタイムを失ってしまいました。しかし、それはラリーではよくあることですし、上手く行かないこともあります。このラリーではまだ色々なことが起きる可能性があるので、前向きに戦い続けます。
クリス・ミーク (ヤリスWRC 5号車)
午前中のループステージは、まずまずの走りでした。最後のステージはあまりリズムが良くありませんでしたが、このラリーでの経験がないことを考えれば悪くなかったと思います。午後の2本目のステージでは雨に見舞われ、本当に難しいコンディションでした。雨はさらに酷くなるだろうと2本のミディアムタイヤを最後のステージに温存していたのですが、最初のステージでハードタイヤの摩耗がかなり進み、降雨があった2本目のステージはまるで氷の上を走っているようでした。それ以外の2本のステージは良かったのですが、2本目のステージだけで大きくタイムを失ってしまいました。とはいえ、スピードは十分にありましたし、依然この位置につけています。まだ先は長いので、何が起こっても不思議ではありません。
ラリー・トルコ デイ2の結果
1 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (シトロエン C3 WRC) 1h59m53.7s
2 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(シトロエン C3 WRC) +17.7s
3 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +18.4s
4 テーム・スニネン/ヤルモ・レーティネン (フォード フィエスタ WRC) +44.4s
5 アンドレアス・ミケルセン/アンダース・ジーガー (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +1m04.1s
6 ダニ・ソルド/カルロス・デル・バリオ (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +1m25.2s
7 クリス・ミーク/セブ・マーシャル (トヨタ ヤリス WRC) +1m32.1s
8 オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (トヨタ ヤリス WRC) +1m37.4s
9 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) +1m42.5s
10 ポントゥス・ティディマンド/オーラ・フローネ(フォード フィエスタ WRC) +3m45.4s
明日のステージ情報
ラリー・トルコの競技3日目デイ3は、サービスパークの西側で3本のステージを各2回走行します。そのうちダッチャ半島を舞台とするSS10/13「キツラン」は、今年新たに加えられた新ステージです。6本のステージの合計距離は110.10kmと、金曜日よりも50km程度短く、リエゾン(移動区間)を含めた1日の総走行距離は344.06kmとなります。
注目のステージ
SS10/13 キツラン 全長13.30km
マルティン・ヤルヴェオヤ(ヤリスWRC 8号車 コ・ドライバー)
「キツラン」は完全なニューステージです。ステージの特徴は他と大きく違い、道幅が非常に広く、路面の大部分は非常にスムーズで、全体的にかなりハイスピードなステージです。きっと、楽しんで走ることができるはずです。
カテゴリー: F1 / トヨタ / WRC (世界ラリー選手権)
9月13日(金)、2019年FIA世界ラリー選手権(WRC)第11戦ラリー・トルコが、トルコ南西部アスパランのサービスパークを中心に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのクリス・ミーク/セブ・マーシャル組(ヤリスWRC 5号車) が総合7位に、オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(8号車)が総合8位に、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(10号車)が総合9位につけた。
競技2日目となるデイ2は、サービスパークの周辺と、北東エリアで3本のステージを各2回走行。6本のSSの合計距離は159.14kmと、4日間で最長の1日だった。午前中のセクションでは、オープニングのSS2でラトバラがベストタイムを記録し首位に浮上。続くSS3では慎重な走りにより遅れをとったが、SS4では再びベストタイムを記し、総合3位で午前中を終えた。午後の再走ステージでは、1本目のSS5でミークがベストタイムをマークし、総合6位に順位を上げた。しかし、そのSS5でラトバラは右フロントタイヤにダメージを負い、総合8位に後退。続くSS6では激しい降雨により、摩耗した状態のタイヤでは十分なグリップを得られず、総合9位で1日を終えた。
ミークもまた、SS6の降雨で大きくタイムロス。SS7ではひとつ順位を落としたが、それでも全てのステージを走破し、チーム最上位の総合7位につけた。ドライバー選手権首位のタナックは、デイ2で不利な1番手スタートを担い、ルーズグラベルに覆われた午前中のステージでタイムを失った。それでも、忍耐強い走りを続け、SS5が終了した時点では首位と25.3秒差の総合5位につけていた。しかしSS6で右フロントのタイヤがリムから外れ1分以上をロス。ミークと5.3秒差の総合8位でデイ2を終えた。
トミ・マキネン(チーム代表)
簡単な1日ではありませんでした。オットは出走順が1番だったので苦戦を予想していましたが、朝は全てが上手く進みました。しかし、午後のステージでの不運なパンクにより、厳しい状況になりました。クリスとヤリ-マティもまた、同じステージで大きくタイムを失いました。午後は雨が降ると分かっていましたが、そのステージでは予想よりも激しい降雨がありました。昨年、そして今日の展開を見れば分かるように、このラリーではいかなることも起り得るので、さらなる問題の発生を回避しながら、戦い続ける必要があります。
オット・タナック (ヤリスWRC 8号車)
1番最初にステージを走るのはあまり楽しく感じられませんでしたが、チームがクルマを改善してくれたお陰で、午前中は昨年よりも良いフィーリングで走れました。再走ステージでは路面が荒れ、午後は厳しい状況になるだろうと予想していましたが、天気の悪化によりさらにトリッキーなコンディションになりました。残念ながら午後2本目のステージでパンクをしてしまいましたが、このラリーでパンクはくじ引きのようなものなので、今日はついていなかったのだと思います。もちろん、望んでいたような1日ではありませんでしたが、前に進み続け、何かが起きるのを待ちたいと思います。
ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 10号車)
今朝は良いスタートを切りました。あまり攻めなかったのにSS2でベストタイムが出たのは、嬉しい驚きでした。次のSS3は少し慎重に走り過ぎましたが、SS4で再び良いタイムが出て埋め合わせをすることができました。クルマの状態はとても良かったのですが、午後はステージが荒れるだろうと覚悟していました。SS5ではリヤのバンパーを失い、その結果車内が非常にうるさくなり、ペースノートに集中するのが難しい状況でした。そして、右コーナーでインに深く切り込んだ時にタイヤを傷つけ、空気が抜けた状態で最後まで走らなくてはなりませんでした。SS6ではなく、その次の最後のステージで雨が降ると予想しハードタイヤでSS6に臨んだのですが、その判断は結果的に誤りで、大幅にタイムを失ってしまいました。しかし、それはラリーではよくあることですし、上手く行かないこともあります。このラリーではまだ色々なことが起きる可能性があるので、前向きに戦い続けます。
クリス・ミーク (ヤリスWRC 5号車)
午前中のループステージは、まずまずの走りでした。最後のステージはあまりリズムが良くありませんでしたが、このラリーでの経験がないことを考えれば悪くなかったと思います。午後の2本目のステージでは雨に見舞われ、本当に難しいコンディションでした。雨はさらに酷くなるだろうと2本のミディアムタイヤを最後のステージに温存していたのですが、最初のステージでハードタイヤの摩耗がかなり進み、降雨があった2本目のステージはまるで氷の上を走っているようでした。それ以外の2本のステージは良かったのですが、2本目のステージだけで大きくタイムを失ってしまいました。とはいえ、スピードは十分にありましたし、依然この位置につけています。まだ先は長いので、何が起こっても不思議ではありません。
ラリー・トルコ デイ2の結果
1 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (シトロエン C3 WRC) 1h59m53.7s
2 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(シトロエン C3 WRC) +17.7s
3 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +18.4s
4 テーム・スニネン/ヤルモ・レーティネン (フォード フィエスタ WRC) +44.4s
5 アンドレアス・ミケルセン/アンダース・ジーガー (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +1m04.1s
6 ダニ・ソルド/カルロス・デル・バリオ (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +1m25.2s
7 クリス・ミーク/セブ・マーシャル (トヨタ ヤリス WRC) +1m32.1s
8 オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (トヨタ ヤリス WRC) +1m37.4s
9 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) +1m42.5s
10 ポントゥス・ティディマンド/オーラ・フローネ(フォード フィエスタ WRC) +3m45.4s
明日のステージ情報
ラリー・トルコの競技3日目デイ3は、サービスパークの西側で3本のステージを各2回走行します。そのうちダッチャ半島を舞台とするSS10/13「キツラン」は、今年新たに加えられた新ステージです。6本のステージの合計距離は110.10kmと、金曜日よりも50km程度短く、リエゾン(移動区間)を含めた1日の総走行距離は344.06kmとなります。
注目のステージ
SS10/13 キツラン 全長13.30km
マルティン・ヤルヴェオヤ(ヤリスWRC 8号車 コ・ドライバー)
「キツラン」は完全なニューステージです。ステージの特徴は他と大きく違い、道幅が非常に広く、路面の大部分は非常にスムーズで、全体的にかなりハイスピードなステージです。きっと、楽しんで走ることができるはずです。
カテゴリー: F1 / トヨタ / WRC (世界ラリー選手権)