WRC | トヨタ 第10戦 ラリー・ドイチェランド デイ2レポート
タナックが4本のSSベストタイムで首位を堅持
ミークは総合4位、ラトバラは総合5位につける
2019年 FIA世界ラリー選手権(WRC)第10戦ラリー・ドイチェランドの競技2日目デイ2が8月23日(金)にドイツ西南部のボスタルジーを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのオット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヤリスWRC 8号車)が首位を堅持。クリス・ミーク/セブ・マーシャル組(5号車)は総合4位に、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(10号車)は総合5位につけた。
ラリー・ドイチェランドのデイ2は、日中のサービスを挟んで3本のステージを各2回走行。その合計距離は101.42kmだった。前日夜のSS1でベストタイムを記録し首位に立ったタナックは、デイ2オープニングのSS2で総合2位に順位を落としたが、続くSS3でベストタイムを刻み首位に復帰。その後もSS4、SS6、SS7と計4本のベストタイムを記録し、激しい総合1位争いの末に、2位のライバルと2.8秒差で首位を堅持した。
ミークとラトバラは、非常に安定した走りを続け、上位争いを展開した。午後のSS5ではミークが2番手タイムを刻むなどペースを上げ、総合3位の選手と3.5秒差の総合4位で1日を終えた。また、ラトバラもミークと2.2秒差の総合5位につけ、両選手ともに表彰台を狙える位置につけている。
TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムにより、今回初めてヤリスWRCでWRCに出場した勝田貴元/ダニエル・バリット組(17号車)は、未知なるステージ、慣れないクルマでの難しい挑戦ながら、安定した走りを続け総合11位でデイ2を走破した。
トミ・マキネン(チーム代表)
ラリーはまだ序盤ですが、ここまでのところ非常に順調です。オットの走りはとても素晴らしかったと思いますが、総合2位の選手も非常に速く、僅差の首位争いが終日続きました。このような状況においてミスは絶対に許されませんが、オットはとても上手くコントロールしています。クリスとヤリ-マティが表彰台を狙える位置につけているのもまた、喜ぶべきことです。彼らは自信を持ち、リラックスしているように見えます。明日はとても長い1日で、難易度が高いバウムホールダーのステージも走行します。レッキの時点で、道の表面には滑りやすい砂や砂利がこれまで以上に多く広がっていたようなので、非常にトリッキーな路面コンディションでの厳しい戦いになるでしょう。
オット・タナック (ヤリスWRC 8号車)
今日は、予想通り皆がとてもハードに攻めたので、タイム差がつきにくく大接戦でしたが、とても良い1日でした。私は、こういった緊張感のある戦いがとても好きです。午前中は、最初のコーナーからあまりリズムが良くなかったのですが、走りながら改善を続けたところ、よりスムーズで精度の高いドライビングになっていきました。そして午後は、クリーンな走りでステージを重ねることができました。無茶な走りはしませんでしたが、それでも非常にハードに限界近くまで攻め続けました。明日はきっとタフな1日になると思いますが、引き続き全力で走り続ける必要があります。
ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 10号車)
概ね満足できる1日でした。朝から走りのフィーリングは良かったのですが、時々減速のタイミングが遅くなり、コーナーの出口でスピードが伸びないことがあるので改善の必要性を感じました。午後はクルマに調整を施したところ、かなり良い走りができました。ただミッテルモーゼルの2回目の走行は、満足できるパフォーマンスでかなり自信が高まったのですが、最後のステージでは少し攻め過ぎてしまいました。明日はいくつか良いステージがあり、特にパンツァープラッテのステージは過去10年と逆向きに走行するので、とても楽しみです。
クリス・ミーク (ヤリスWRC 5号車)
3秒差で表彰台を狙える位置で1日を終えることができて、とても嬉しく思います。朝は何度かステージから少しはみ出しましたが、まずまずでした。午後は、ブドウ畑のステージでは好調でしたが、最後の環状ステージでは上手く噛み合わず、午前中と同じように大きくタイムを失ってしまいました。まだ先は長く、今日は序盤に過ぎません。明日こそが重要な1日ですし、特に午後のパンツァープラッテのステージはレッキの段階で既に非常に荒れていました。良いリズムを失わず、状況を見ながら走る必要があります。
ラリー・ドイチェランド デイ2の結果
1 オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (トヨタ ヤリス WRC) 59m12.4s
2 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +2.8s
3 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(シトロエン C3 WRC) +22.1s
4 クリス・ミーク/セブ・マーシャル (トヨタ ヤリス WRC) +25.6s
5 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) +27.8s
6アンドレアス・ミケルセン/アンダース・ジーガー (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +40.0s
7 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (シトロエン C3 WRC) +52.9s
8 ガス・グリーンスミス/エリオット・エドモンドソン (フォード フィエスタWRC) +1m05.5s
9 ダニ・ソルド/カルロス・デル・バリオ (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +1m15.1s
10 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (シュコダ ファビア R5) +2m58.5s
明日のステージ情報
競技3日目となる8月24日(土)のデイ2は、サービスパークの東側から南側にかけてのエリアで4本のステージを各2回走行する。デイの前半はザールラント州の2本のステージを各2回走り、その後日中のサービスを経て、後半はバウムホールダー軍事演習場内で「アリーナ・パンツァープラッテ」および「パンツァープラッテ」のステージを各2回走行する。8本のSSの合計距離は157.92kmと4日間で最長。リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は505.19kmとなる。
注目のステージ
SS13/15 パンツァープラッテ 全長41.17km
マルティン・ヤルヴェオヤ(ヤリスWRC 8号車 コ・ドライバー)
「パンツァープラッテ」は、今大会最長かつもっとも難しいステージです。今年は、過去数年と逆向きに走行するステージ設定になっています。舗装路面のコンディションは一定ではなく、スムーズな路面もあれば、非常に荒れた路面もあり、リズムも頻繁に変化します。
カテゴリー: F1 / トヨタ / WRC (世界ラリー選手権)
ミークは総合4位、ラトバラは総合5位につける
2019年 FIA世界ラリー選手権(WRC)第10戦ラリー・ドイチェランドの競技2日目デイ2が8月23日(金)にドイツ西南部のボスタルジーを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのオット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヤリスWRC 8号車)が首位を堅持。クリス・ミーク/セブ・マーシャル組(5号車)は総合4位に、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(10号車)は総合5位につけた。
ラリー・ドイチェランドのデイ2は、日中のサービスを挟んで3本のステージを各2回走行。その合計距離は101.42kmだった。前日夜のSS1でベストタイムを記録し首位に立ったタナックは、デイ2オープニングのSS2で総合2位に順位を落としたが、続くSS3でベストタイムを刻み首位に復帰。その後もSS4、SS6、SS7と計4本のベストタイムを記録し、激しい総合1位争いの末に、2位のライバルと2.8秒差で首位を堅持した。
ミークとラトバラは、非常に安定した走りを続け、上位争いを展開した。午後のSS5ではミークが2番手タイムを刻むなどペースを上げ、総合3位の選手と3.5秒差の総合4位で1日を終えた。また、ラトバラもミークと2.2秒差の総合5位につけ、両選手ともに表彰台を狙える位置につけている。
TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムにより、今回初めてヤリスWRCでWRCに出場した勝田貴元/ダニエル・バリット組(17号車)は、未知なるステージ、慣れないクルマでの難しい挑戦ながら、安定した走りを続け総合11位でデイ2を走破した。
トミ・マキネン(チーム代表)
ラリーはまだ序盤ですが、ここまでのところ非常に順調です。オットの走りはとても素晴らしかったと思いますが、総合2位の選手も非常に速く、僅差の首位争いが終日続きました。このような状況においてミスは絶対に許されませんが、オットはとても上手くコントロールしています。クリスとヤリ-マティが表彰台を狙える位置につけているのもまた、喜ぶべきことです。彼らは自信を持ち、リラックスしているように見えます。明日はとても長い1日で、難易度が高いバウムホールダーのステージも走行します。レッキの時点で、道の表面には滑りやすい砂や砂利がこれまで以上に多く広がっていたようなので、非常にトリッキーな路面コンディションでの厳しい戦いになるでしょう。
オット・タナック (ヤリスWRC 8号車)
今日は、予想通り皆がとてもハードに攻めたので、タイム差がつきにくく大接戦でしたが、とても良い1日でした。私は、こういった緊張感のある戦いがとても好きです。午前中は、最初のコーナーからあまりリズムが良くなかったのですが、走りながら改善を続けたところ、よりスムーズで精度の高いドライビングになっていきました。そして午後は、クリーンな走りでステージを重ねることができました。無茶な走りはしませんでしたが、それでも非常にハードに限界近くまで攻め続けました。明日はきっとタフな1日になると思いますが、引き続き全力で走り続ける必要があります。
ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 10号車)
概ね満足できる1日でした。朝から走りのフィーリングは良かったのですが、時々減速のタイミングが遅くなり、コーナーの出口でスピードが伸びないことがあるので改善の必要性を感じました。午後はクルマに調整を施したところ、かなり良い走りができました。ただミッテルモーゼルの2回目の走行は、満足できるパフォーマンスでかなり自信が高まったのですが、最後のステージでは少し攻め過ぎてしまいました。明日はいくつか良いステージがあり、特にパンツァープラッテのステージは過去10年と逆向きに走行するので、とても楽しみです。
クリス・ミーク (ヤリスWRC 5号車)
3秒差で表彰台を狙える位置で1日を終えることができて、とても嬉しく思います。朝は何度かステージから少しはみ出しましたが、まずまずでした。午後は、ブドウ畑のステージでは好調でしたが、最後の環状ステージでは上手く噛み合わず、午前中と同じように大きくタイムを失ってしまいました。まだ先は長く、今日は序盤に過ぎません。明日こそが重要な1日ですし、特に午後のパンツァープラッテのステージはレッキの段階で既に非常に荒れていました。良いリズムを失わず、状況を見ながら走る必要があります。
ラリー・ドイチェランド デイ2の結果
1 オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (トヨタ ヤリス WRC) 59m12.4s
2 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +2.8s
3 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(シトロエン C3 WRC) +22.1s
4 クリス・ミーク/セブ・マーシャル (トヨタ ヤリス WRC) +25.6s
5 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) +27.8s
6アンドレアス・ミケルセン/アンダース・ジーガー (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +40.0s
7 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (シトロエン C3 WRC) +52.9s
8 ガス・グリーンスミス/エリオット・エドモンドソン (フォード フィエスタWRC) +1m05.5s
9 ダニ・ソルド/カルロス・デル・バリオ (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +1m15.1s
10 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (シュコダ ファビア R5) +2m58.5s
明日のステージ情報
競技3日目となる8月24日(土)のデイ2は、サービスパークの東側から南側にかけてのエリアで4本のステージを各2回走行する。デイの前半はザールラント州の2本のステージを各2回走り、その後日中のサービスを経て、後半はバウムホールダー軍事演習場内で「アリーナ・パンツァープラッテ」および「パンツァープラッテ」のステージを各2回走行する。8本のSSの合計距離は157.92kmと4日間で最長。リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は505.19kmとなる。
注目のステージ
SS13/15 パンツァープラッテ 全長41.17km
マルティン・ヤルヴェオヤ(ヤリスWRC 8号車 コ・ドライバー)
「パンツァープラッテ」は、今大会最長かつもっとも難しいステージです。今年は、過去数年と逆向きに走行するステージ設定になっています。舗装路面のコンディションは一定ではなく、スムーズな路面もあれば、非常に荒れた路面もあり、リズムも頻繁に変化します。
カテゴリー: F1 / トヨタ / WRC (世界ラリー選手権)