WRC ラリー・スペイン 3日目 | トヨタのラトバラが総合首位に浮上
2018年 FIA 世界ラリー選手権(WRC)第12戦ラリー・スペインの競技3日目デイ3が10月27日(土)にスペインのサロウを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC 7号車)が総合1位に立った。また、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(9号車)も総合7位に浮上したが、首位を走行していたオット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組 (8号車)は、パンクにより総合8位に順位を下げた。
ラリー・スペインのデイ3は、サロウの北東部を中心に7本、計121.80kmのSSが行なわれた。ステージはすべてターマック(舗装路)となり、クルマはデイ2の最終サービスでグラベル(未舗装路)仕様からターマック仕様に変更された。強い雨により路面は全体的にウェットコンディションだったが、少し湿っているだけの路面も混在し、タイヤ選択が重要な鍵を握る1日となった。
チームは午前中のステージで路面にマッチしたフルウェットタイヤを選択。SS9ではそれが奏功し、ベストタイムを記録した首位タナックは、総合2位の選手に対するリードを32.9秒に拡げ、セカンドベストタイムのラトバラは総合4位に浮上した。しかし、続くSS10でタナックはパンクを喫し、タイヤ交換により多くのタイムを失い総合9位に後退。その後、滑りやすい路面に苦労しながらも攻めの走りで8位に順位を上げたが、優勝はかなり厳しい状況となってしまった。
一方、ラトバラはSS10でベストタイムを記録して総合2位にポジションアップし、続くSS11でついにトップに立った。午後のステージでもラトバラは首位の座を堅持。今シーズン初優勝に向けて好位置で1日を終えた。また、ラッピはSS10で2番手タイムを、SS11と12では3番手タイムを記録し、デイ2よりも3つ順位を上げた。
競技4日目、最終日となる10月28日(日)のデイ4は、サービスパークの西側で4本のSSが行われる。デイ4の路面はすべてターマックとなり、2本のステージを各2回走行。SS16の再走ステージとなるSS18「サンタ・マリーナ2」は、トップ5タイムを記録した選手に対しボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。4本のSSの合計距離は61.70km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は245.15kmとなる。
トミ・マキネン(チーム代表)
今日は色々な事が起こり、とても複雑な気分です。オットは今日も非常に速く万事順調だったのですが、午前中にパンクをしてしまい本当に残念です。彼のドライバーズタイトル争いにとって、大きなマイナスとなってしまったのは明らかです。一方、昨日のパンクによる遅れを挽回してトップに立った、ヤリ-マティにとっては素晴らしい1日となりました。すぐ後ろには非常に強力なライバル達が迫っていますが、ヤリ-マティはクルマに大きな自信を持っていますし、いかなる気象条件でも素晴らしい走りをしているので、最後までリードを守ってくれると信じています。
ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 7号車)
昨日の遅れにも関わらず、ラリーをリードする立場となり素晴らしい気分です。決して諦めるべきではないと改めて思いました。降雨と路面に流れ込んだ大量の泥により、今日はとても難しいコンディションでした。しかしクルマの調子はとても良く、タイヤ選択に関しても正解だったと思います。最後の2本のSSは少し慎重になり過ぎてタイムを失いましたが、それでも我々は依然ラリーをリードしています。明日はきっと激しい戦いになると思います。私のすぐ後ろには5年連続王者と、9年連続王者が迫っていますが、リラックスして自分の走りを続ける事が勝負の鍵を握る事になるでしょう。
オット・タナック (ヤリスWRC 8号車)
本当にタフな1日でした。走り始めは良かったのですが、パンクでかなり多くのタイムを失ってしまいました。そして午後は路面が泥で覆われており出走順は最悪でした。また、私自身もロングステージのSS13でスピンをするなどミスをしてしまいましたが、それでもベストを尽くしたつもりです。もし明日も今日と同じような天気ならば、きっとチャレンジングな1日になるでしょう。ドライバーズタイトル争いにおいては自分達ができる事は少なくなってしまいましたが、マニュファクチャラーズタイトル争いに関しては良い方向に進んでいますので、ベストを尽くして貢献したいと思います。
エサペッカ・ラッピ (ヤリスWRC 9号車)
とても満足できる1日でした。午前中はタイヤ戦略が上手く行き、午後も悪いチョイスではなかったと思います。午後のロングステージ、SS13ではコーナーが多くの泥で覆われていたため、少しミスをして多くのタイムを失ってしまいました。しかし、速さは十分にあったと思います。全体的には、間違いなく昨日よりもポジティブな1日でした。タイム差が大きいため私よりも前の選手を捕える事は難しいかもしれませんが、明日は最後まで楽しんで走りフィニッシュを目指します。
ラリー・スペイン デイ3の結果
1 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) 2h35m01.8s
2 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (フォード フィエスタ WRC) +4.7s
3 セバスチャン・ローブ/ダニエル・エレナ (シトロエン C3 WRC) +8.0s
4 エルフィン・エバンス/ダニエル・バリット (フォード フィエスタ WRC) +9.8s
5 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +12.7s
6 ダニ・ソルド/カルロス・デル・バリオ (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +16.5s
7 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (トヨタ ヤリス WRC) +46.5s
8 オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (トヨタ ヤリスWRC) +1m00.7s
9 クレイグ・ブリーン/スコット・マーティン (シトロエン C3 WRC) +1m37.9s
10 アンドレアス・ミケルセン/アンダース・ジーガー (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +2m07.3s
カテゴリー: F1 / トヨタ / WRC (世界ラリー選手権)
ラリー・スペインのデイ3は、サロウの北東部を中心に7本、計121.80kmのSSが行なわれた。ステージはすべてターマック(舗装路)となり、クルマはデイ2の最終サービスでグラベル(未舗装路)仕様からターマック仕様に変更された。強い雨により路面は全体的にウェットコンディションだったが、少し湿っているだけの路面も混在し、タイヤ選択が重要な鍵を握る1日となった。
チームは午前中のステージで路面にマッチしたフルウェットタイヤを選択。SS9ではそれが奏功し、ベストタイムを記録した首位タナックは、総合2位の選手に対するリードを32.9秒に拡げ、セカンドベストタイムのラトバラは総合4位に浮上した。しかし、続くSS10でタナックはパンクを喫し、タイヤ交換により多くのタイムを失い総合9位に後退。その後、滑りやすい路面に苦労しながらも攻めの走りで8位に順位を上げたが、優勝はかなり厳しい状況となってしまった。
一方、ラトバラはSS10でベストタイムを記録して総合2位にポジションアップし、続くSS11でついにトップに立った。午後のステージでもラトバラは首位の座を堅持。今シーズン初優勝に向けて好位置で1日を終えた。また、ラッピはSS10で2番手タイムを、SS11と12では3番手タイムを記録し、デイ2よりも3つ順位を上げた。
競技4日目、最終日となる10月28日(日)のデイ4は、サービスパークの西側で4本のSSが行われる。デイ4の路面はすべてターマックとなり、2本のステージを各2回走行。SS16の再走ステージとなるSS18「サンタ・マリーナ2」は、トップ5タイムを記録した選手に対しボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。4本のSSの合計距離は61.70km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は245.15kmとなる。
トミ・マキネン(チーム代表)
今日は色々な事が起こり、とても複雑な気分です。オットは今日も非常に速く万事順調だったのですが、午前中にパンクをしてしまい本当に残念です。彼のドライバーズタイトル争いにとって、大きなマイナスとなってしまったのは明らかです。一方、昨日のパンクによる遅れを挽回してトップに立った、ヤリ-マティにとっては素晴らしい1日となりました。すぐ後ろには非常に強力なライバル達が迫っていますが、ヤリ-マティはクルマに大きな自信を持っていますし、いかなる気象条件でも素晴らしい走りをしているので、最後までリードを守ってくれると信じています。
ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 7号車)
昨日の遅れにも関わらず、ラリーをリードする立場となり素晴らしい気分です。決して諦めるべきではないと改めて思いました。降雨と路面に流れ込んだ大量の泥により、今日はとても難しいコンディションでした。しかしクルマの調子はとても良く、タイヤ選択に関しても正解だったと思います。最後の2本のSSは少し慎重になり過ぎてタイムを失いましたが、それでも我々は依然ラリーをリードしています。明日はきっと激しい戦いになると思います。私のすぐ後ろには5年連続王者と、9年連続王者が迫っていますが、リラックスして自分の走りを続ける事が勝負の鍵を握る事になるでしょう。
オット・タナック (ヤリスWRC 8号車)
本当にタフな1日でした。走り始めは良かったのですが、パンクでかなり多くのタイムを失ってしまいました。そして午後は路面が泥で覆われており出走順は最悪でした。また、私自身もロングステージのSS13でスピンをするなどミスをしてしまいましたが、それでもベストを尽くしたつもりです。もし明日も今日と同じような天気ならば、きっとチャレンジングな1日になるでしょう。ドライバーズタイトル争いにおいては自分達ができる事は少なくなってしまいましたが、マニュファクチャラーズタイトル争いに関しては良い方向に進んでいますので、ベストを尽くして貢献したいと思います。
エサペッカ・ラッピ (ヤリスWRC 9号車)
とても満足できる1日でした。午前中はタイヤ戦略が上手く行き、午後も悪いチョイスではなかったと思います。午後のロングステージ、SS13ではコーナーが多くの泥で覆われていたため、少しミスをして多くのタイムを失ってしまいました。しかし、速さは十分にあったと思います。全体的には、間違いなく昨日よりもポジティブな1日でした。タイム差が大きいため私よりも前の選手を捕える事は難しいかもしれませんが、明日は最後まで楽しんで走りフィニッシュを目指します。
ラリー・スペイン デイ3の結果
1 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) 2h35m01.8s
2 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (フォード フィエスタ WRC) +4.7s
3 セバスチャン・ローブ/ダニエル・エレナ (シトロエン C3 WRC) +8.0s
4 エルフィン・エバンス/ダニエル・バリット (フォード フィエスタ WRC) +9.8s
5 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +12.7s
6 ダニ・ソルド/カルロス・デル・バリオ (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +16.5s
7 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (トヨタ ヤリス WRC) +46.5s
8 オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (トヨタ ヤリスWRC) +1m00.7s
9 クレイグ・ブリーン/スコット・マーティン (シトロエン C3 WRC) +1m37.9s
10 アンドレアス・ミケルセン/アンダース・ジーガー (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +2m07.3s
カテゴリー: F1 / トヨタ / WRC (世界ラリー選手権)