WRC復帰2年目のラリージャパンが豊田スタジアムで開幕
2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第13戦「ラリージャパン」が11月16日(木)に開幕。愛知県豊田市の「トヨタスタジアム」でSS1としてスーパーSSが行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)が総合6位に、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)が総合8位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合9位につけた。また、TGR WRCチャレンジプログラムにより出場の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は、GR YARIS Rally1 HYBRID最上位の総合5位につけている。

昨年12年ぶりにWRCのカレンダーに復帰したラリージャパンは、今年も愛知県と岐阜県のターマック(舗装路)ステージが舞台に。16日の木曜日は、競技開始に先立ち豊田市の鞍ヶ池公園内でシェイクダインが行なわれた。昨年、このステージでは日没後にSS1が行われたが、今年のシェイクダウでは午前中の走行に。青空の下、ドライコンディションの路面でラリー本番前最後の走行が行われた。全長2.75kmのシェイクダウンでは、エバンスが2番手、オジエと勝田が3番手タイムをシェア。ロバンペラは5番手タイムだった。

その後、スタートセレモニーを経て午後7時過ぎから、トヨタスタジアム内の舗装されたグラウンドエリアで2台同時スタートのスーパーSS「トヨタスタジアム SSS1」がスタート。TGR-WRTは全車が、コンクリートブロックに囲まれた2.1kmのステージを走りきり、明日からの山岳ステージへと駒を進めた。

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
ラリージャパン、そして豊田市に戻ってこれたことを大変光栄に思います。日本のファンは本当に素晴らしく、彼らの献身的なサポートは世界のどこよりも素晴らしいものです。また、豊田スタジアム内に新たに設けられたスーパーSSも素晴らしい雰囲気でした。今年こそこのラリーで勝ちたいと思っていますし、そのために入念な準備を行ってきました。ただ、天気予報によると明日は雨が多く降りそうなので、ステージはかなり難しいコンディションになりそうです。そのような状況ではドライバーは忍耐が求められますし、いろいろなことが起こり得るので、今回もまたチャレンジングなラリーになりそうです。

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)
日本に来るといつも特別な気持ちになります。ファンの皆さんはもうすでにかなり盛り上がっていますし、チームにとってはホームラリーなので、ベストな結果を得るためハードにプッシュしていくつもりです。豊田スタジアムのステージは本当に素晴らしく、ドライバーとしては簡単ではありませんが、ファンにとっては良いショーだと思います。ベストを尽くして走りましたが、自分たちにとっては非常にトリッキーだったので、明日以降再びこのステージを走るときのために何か解決策を見つける必要があります。シェイクダウンでは最初の走行でいいフィーリングが得られましたし、明日予想されるウエットコンディションに備えて、セットアップを大きく変えて走ったりもしました。

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)
チームにとって非常に重要なラリーですし、TGRのドライバーとしてこのような温かい歓迎を受けて日本に来れたことを光栄に思います。もちろん良い結果で応えたいですし、そのために全力を尽くして戦うつもりです。今夜のスタジアムはとても雰囲気が良く、このようなステージはドライビングという点ではあまりエキサイティングではありませんが、ラリーをスタートする上ではいいと思います。ベストな走りはできなかったですが、明日こそが重要な一日です。非常に難しい天候になることが予想され、狭くテクニカルなステージが多くあるので、本当にチャレンジングな一日になるでしょう。

セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)
このようなスタジアムのステージは素晴らしいと思います。我々ドライバーにとってはラリーで最も楽しいセクションであるとは言えませんが、ファンにとっては最高でしょうし、とても素晴らしい雰囲気でした。すでに数秒を失っているのは喜ばしいことではありませんが、そのようなこともあります。大勢のファンの皆さんの姿や、熱心な応援を目にし、この週末多くの期待が寄せられていることを感じているので、ベストな走りで応えなければなりません。シェイクダウンはいい天気に恵まれましたが、明日の朝は雨が多く降り非常に難しいラリーのスタートになりそうです。ただ、そのための準備はできているはずなので、ベストを尽くして臨みたいと思います。

ラリージャパン デイ1の結果
1 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) 1m47.6s
2 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +0.7s
3 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォードPUMA Rally1 HYBRID) +1.4s
4 ダニ・ソルド/カンディド・カレーラ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +1.8s
5 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +3.1s
6 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +4.0s
7 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (フォードPUMA Rally1 HYBRID) +4.5s
8 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +4.7s
9 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +4.9s
10 ニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ (シュコダ Fabia RS Rally2) +5.3s

明日のステージ情報
競技2日目となる11月17日(金)のデイ2は、早朝から山岳地帯を舞台とする本格的なステージがスタート。愛知県の豊田市および設楽町でSS2/5「イセガミズ・トンネル」、SS3/6「イナブ・ダム」、SS4/7「シタラ・タウン」と、昨年大会でも使われた3本のステージを、トヨタスタジアムでのミッドデイサービスを挟んで各2回走行する。なお、シタラ・タウンに関してはステージ終盤のセションが昨年から大きく変わっている。一日の最後にはSS8として「トヨタスタジアムSSS2」が行われ、7本のSSの合計距離は133.26kmと、全SSの走行距離の4割以上の長距離を一日で走行。リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は385.47kmとなる。

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カテゴリー: F1 / トヨタ / WRC (世界ラリー選手権)