角田裕毅 レッドブルF1のアップグレードの優先順位は「理解している」
クリスチャン・ホーナーの退任後、レッドブルに漂う前向きな空気は、フロントランナーだけでなく中団のドライバーにも届いている。ベルギーGPで角田裕毅が思わぬアップグレードを受け、ついに前方とのギャップを縮め始めた。

「とても嬉しいことだ」とヘルムート・マルコは予選後にORFに語った。「初めて4台すべてがトップ10に入った」と、マックス・フェルスタッペン(4番手)、リアム・ローソン、アイザック・ハジャー、そして角田裕毅(7番手)を挙げてその成果を強調した。

現在レッドブル・レーシング内でより大きな影響力を持つようになったマルコは、長年苦戦してきた角田裕毅の進歩に手応えを感じている。「彼はどんどん良くなっている。とてもいい走りを見せることもあるが、まだ毎回安定してそれができているわけではない」と、Motorsport-Magazin.comにコメントした。

「これまで角田裕毅にはアップデートが入っていなかった。マックスとは違ってね。でも、スプリントで問題がなければ彼にも新パーツを入れる予定だった」

そして実際にそれは予選直前に実現された。チームは急きょ、新たに届いた新型フロアを角田裕毅のマシンに装着したのだ。

「予選前に彼のマシンに新しいアンダーボディを取り付けた。時間がギリギリでリスクもあったが、我々は全力を尽くした。その努力が報われた」とマルコは明かした。

チーム代表のローラン・メキースもその判断を振り返る。「我々は常に細部にまで全力を尽くすよう心がけている。だからこそリスクを取って角田裕毅のマシンにアップデートを入れた。この結果はチーム全員の努力の賜物だ」

角田裕毅 レッドブル・レーシング F1

角田裕毅は新しいフロアの効果を即座に感じたという。「ちょっとグリップが増えましたね」と笑顔を見せた。

「ここ数戦、どれだけギャップがあったのかが分かりました。旧型は滑り始めると立て直しが利かなかったけど、新型ならもっと攻められる」

「まだ入っていないパーツもありますけど、フロアだけでも十分に違いがありました。詳細は言えませんが、まだ差はあります」

Viaplayのインタビューでは「いいサプライズでした。遅めの誕生日プレゼントってところですかね。予選直前に聞かされました」と冗談まじりに語った。

とはいえ、アップグレードの優先がマックス・フェルスタッペンにあることは理解している。「簡単なことじゃないですけど、チームにとっても理解できます。彼らはチャンピオンを争っているし、マックスはグリッドで一番のドライバーですから」

そして、ホンダが2025年末でレッドブルを離れることによって不透明となっている将来についても、角田裕毅は冷静に受け止めている。「今はとにかく自分が成長して、いつかマックスに近づけるように努力していきたいと思っています」

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カテゴリー: F1 / 角田裕毅 / レッドブル・レーシング / F1ベルギーGP