レッドブルF1育成リンドブラッド F2失格処分に「当然得るべきものを奪われた」
レッドブルF1のジュニアドライバーであるアービッド・リンドブラッドは、先週末のFIA F2ベルギーGP決勝で失格となった件について声明を発表し、「僕たちが当然得るべきものを奪われた」と語った。

リンドブラッドは日曜のF2決勝(フィーチャーレース)で2位フィニッシュを果たしたが、レース後の車検でタイヤ圧が規定値を下回っていたことが判明し、失格処分を受けた。ピレリが設定したウェットコンディションでの最低空気圧は、フロント16.0 PSI、リア14.0 PSIだが、リンドブラッドのすべてのタイヤがこれを下回っていた。

レースでは、マクラーレンF1ジュニアでロダン所属のアレックス・ダンがトップでフィニッシュしたものの、フォーメーションラップ中のスタート手順違反により10秒加算ペナルティが科されたことで、リンドブラッドが繰り上がり優勝となるはずだった。

しかし、リンドブラッドの失格により、最終的にチェコ出身のロマン・スタネク(21歳)が今季初優勝を飾った。

「全力を尽くしたが、他の要因が妨げた」と悔しさ滲むコメント
リンドブラッドはSNSを通じて声明を発表し、次のように語った。

「スパは僕たちが目指してきた結果にはならなかった。僕はすべてを出し切った。自分のコントロール下にあることはすべて最大限やったけど、ほかの要因によって、僕たちが当然得るべきものを奪われてしまった」

「それでも僕は戦い続けるし、チームとともに前に進む。ハンガリーで必ず巻き返すよ」

今回の失格は、F2タイトル争いを展開しているリンドブラッドにとって大きな痛手となった。過去3大会でわずか5ポイントしか加算できておらず、首位レオナルド・フォルナローリとのポイント差は41点に広がっている。シーズンは残り5ラウンド。

なお、レーシングブルズF1ドライバーで昨年のF2ランキング2位のアイザック・ハジャーも、リンドブラッドの投稿に「いいね」で反応している。

アービッド・リンドブラッド レッドブル F1タイヤ規定違反で失格、リンドブラッドの優勝は幻に

リンドブラッドは今月、角田裕毅の代役でFP1デビュー

リンドブラッドは今月のF1イギリスGPで、レッドブルから金曜FP1に出走。角田裕毅のマシンを借りて走行し、14番手タイムを記録。4度の世界王者マックス・フェルスタッペンから約0.5秒遅れのタイムだった。

このFP1出走は、FIAから18歳未満のF1スーパーライセンス取得の特例承認を得た直後の出来事であり、彼は8月8日の誕生日前にF1出走が可能な状態となっている。

当時のレッドブル・チーム代表であるクリスチャン・ホーナー(現・前代表)も、リンドブラッドについて「将来有望な逸材」と評価していた。

「彼はよくやったと思う。レッドブル・ジュニア育成の産物として、17歳でここシルバーストンのような難しいサーキットに飛び込み、フェルスタッペンから0.5秒差というのは立派だ。フィードバックも明確で的確だった。将来が楽しみな存在だよ」

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カテゴリー: F1 / アービッド・リンドブラッド / FIA F2