足立さやか トヨタ
TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムにてコ・ドライバーとしてフィンランドラリー選手権に挑戦中の足立さやかが、3月10-11日に開催されたフィンランドラリー選手権第3戦、Tahko SM-Ralliにドライバーのヤルッコ・ニカラと共にスバルインプレッサWRXで参戦。クラス3位、総合3位で初の表彰台を獲得した。

同選手権今シーズン最後のスノーラリーとなるTahko SM-Ralliは、Tahkoスキーリゾートを中心に、フィンランド東央部のNilsiäで開催され、スペシャルステージ(SS)6本、総SS距離104.32㎞を含む全292.15㎞の行程で154台が競いあった。コースはワイドセクションとナローセクションが混在し、ハイスピードからナローセクションに侵入するコーナーなど、非常にテクニカルな設定。ペースノートの精度の高さ、最適なタイミングでの読み上げなどが要求され、選手にとって大きなチャレンジとなった。

SS1でトップタイムを出し、好調なスタートを切ったニカラ・足立組は、SS2以降も常に総合3位のポジションをキープし、各ステージでのトップとの差は1~3秒台という僅差の戦いを繰り広げた。最終SSは32.83kmと本ラリー最長で、さらに順位が上がることも期待されたが、ニカラ・足立組のスタート直前で競技が中断され、二人はスタート位置で45分間足止めされた。日没が近づいて路面の凍結が始まり、さらに通常のライトのみで薄暗い中での走行を強いられたクルーは、そんな中でも最後のアタックを試みたが、ステージ後半にエンジン不調も重なり、スローダウンを余儀なくされた。しかし、最後まで慎重に車を運び、クルーにとって初めての表彰台を獲得した。

各ステージで記録されたトップタイムの平均時速が120.4㎞/hというハイスピードの本ラリーで、ライバルたちが格上のR5車両を使用している中、R5より速度が落ち、重量のあるR4車両でニカラ・足立は大いに健闘し、また新しい学びを得た一戦となった。

足立さやか
今回のラリーはハイスピードセクションとナローセクションが混在していたのでとてもノートが大事だと思い、レッキの段階から慎重にノートを作りました。それでもラリーでは読み遅れてしまう箇所が何か所かありましたが、そこはヤルッコのドライビングと経験が私を助けてくれました。このラリーを通じてまた新しい発見があり、様々な工夫をお互いに話し合う事ができて、回を重ねるごとに彼を理解できるようになりました。次戦は私たちにとって初めてのグラベルのラリーなので、事前にグラベルでのレッキトレーニング、ドライビングテストを行い、準備を入念にしたいと思います。

ヤルッコ・ニカラ
今回はハイスピードからナローセクションに入る際などブレーキのタイミングが難しかったのですが、サヤカは自分に合わせてくれたし、どんどんフィンランドのリズムに慣れてきています。サヤカのリーディングなしにあれだけ速く攻めることはできませんでした。もちろんまだいくつかの改善ポイントはありますが、走行を重ねるごとにフィーリングが合ってきているのを感じます。

ヨウニ・アンプヤ(チーフインストラクター)
このラリーはとてもハイスピードでテクニカルなコース設定のため、ペースノートが勝敗を大きく左右します。まだ新しいコンビにとって、学ぶことの多い、良いラリーでした。このラリーをR4でR5の上位車と互角で戦えたことは素晴らしい成果であり、ハイスピードでのサヤカのペースノートのリーディングが正しく行えていたからとも言えます。細かいセクションでのリーディングのタイミングやロードセクションでの誘導など、改善すべきポイントはまだあります。これからもコ・ドライバーとしての経験を多く積み、スキルを磨いてほしいと考えています。

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カテゴリー: F1 / トヨタ