トヨタ | 2019年 ル・マン24時間レース 公式練習&予選1回目レポート
FIA 世界耐久選手権(WEC)2018-2019年スーパーシーズンを締めくくる第87回ル・マン24時間レースが6月12日(水)に4時間の公式練習走行で幕を開けた。練習走行に続いて行われた予選1回目では、TOYOTA GAZOO RacingのTS050 HYBRID 7号車が暫定ポールポジションを獲得した。
2017年のル・マン24時間レース予選で記録した、圧倒的なタイムのコースレコードを持っている小林可夢偉が、今回も予選セッション開始早々に叩き出した3分17秒181というタイムはその後破られることはなく、マイク・コンウェイとホセ・マリア・ロペスと共に駆るTS050 HYBRID 7号車が暫定のポールポジションを獲得した。
ドライバーズ選手権で首位を走るセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、フェルナンド・アロンソのTS050 HYBRID 8号車は4番手につけ、13日(木)に2度予定されている2時間の予選セッションで更なる上位グリッドを目指す。ル・マン24時間レースの決勝スターティンググリッドは、他のWEC戦とは異なり、この3回の予選セッションで記録した1周のベストタイムで決定される。
9日(日)の公開車検でスタートを切ったル・マンのレースウィークだが、その後チームが1周13.626kmのサルト・サーキットでの走行を開始するのは、この水曜日の午後まで待たなくてはならなかった。ただ一度、4時間で行われた練習走行セッションは、この日の午後に激しく降った雨により、ウェットコンディションで開始された。
練習走行セッションは、最初の1時間でコースが乾いていき、エンジニアとドライバーは協力しながら、ウェットタイヤからハイブリッド・インターミディエイトタイヤ、そしてスリックタイヤへの交換タイミングを評価した。
2台のTS050 HYBRIDは6月2日のテストデーに合計220周を走破したが、気温が非常に高かったので、今日はレースでも想定されるより低い気温でのドライ路面におけるセットアップを進める貴重な一日となった。しかしながら、4時間の練習走行セッションは、コースを襲った激しい雨の影響もあり、赤旗により50分ほどの中断が発生した。
刻々と変わる天候と中断があったにもかかわらず、チームは予選へ向け着実に周回をこなし、2台の合計で95周を走破。7号車がトップタイムをマークした。
コースを闇が包み始めた午後10時、2時間の予選1回目が開始された。路面は乾いており、2台のTS050 HYBRIDはセッション開始早々にタイムアタックに入り、7号車の小林は昨年の予選1回目のベストタイムを上回るタイムをマークした。
一方、8号車の中嶋はコース上の混雑とフルコースイエローにアタックを阻まれ、タイムをのばすことが出来なかった。中嶋はベストタイムを追うよりもすぐに決勝を見据えた準備へと切り替えた。
セッションが残り45分ほどになったところで、2台のTS050 HYBRIDはそれぞれ別の場所で、他車との接触を喫してしていた。コンウェイがドライブしていた7号車は、最終コーナーでスピンしていたLMP2車両がコースへ戻ろうとしたところに接触。左フロントにダメージを負い、25分ほどの修復の後にコースに復帰した。ほぼ同じタイミングで、ブエミはGTカーと接触。こちらはフロアの修復とフロントノーズの交換のみで、数分のタイムロスで走行を再開した。
セッションの終盤にアロンソがタイムを更新し8号車を暫定4位に押し上げました。その間7号車はタイヤ評価を行いながら車両セットアップを進めた。
TS050 HYBRID 7号車 (小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペス):
公式練習 : 1番手 (3分18秒091), 48周
予選1回目 : 1番手 (3分17秒161), 25周
TS050 HYBRID 8号車 (中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、フェルナンド・アロンソ):
公式練習 : 4番手 (3分20秒941), 47周
予選1回目 : 4番手 (3分19秒632), 30周
小林可夢偉(7号車):
多くの車両が走っていたのでベストな予選ラップではありませんでした。クリアーラップで気持ち良く走れなかったのは残念ですが、車両の状態は上々ですので、もっとタイムは向上していくはずです。24時間の長いレースでは、予選はあまり意味がないので、レースに向けて出来るだけ限りの準備を行っています。今日のコンディションは実際のレースの時とは違うと思いますので、更に車両を良い状態に仕上げていきます。
マイク・コンウェイ(7号車):
予選での接触が起こるまでとても上手くいっていたので、このアクシデントはとても残念でした。速度を落としましたが、先のコーナーでスピンをした車両のライトの光が目の前に現れ、避けようとしましたが、車両がしっかりと見えなかったこともあり、残念ながら接触してしまいました。メカニックには、不要な作業を強いることになって、とても申し訳なく思っています。それでも彼らの素晴らしい仕事のおかげでセッション終了前に走行再開できました。
ホセ・マリア・ロペス(7号車):
私自身はとても良い一日で、多くの周回をこなし、混雑の中の状況に慣れることが出来ました。まだ1日目ですので、タイムを追い求めることはしていません。例年よりもコース上の混雑はひどいですが、それは我々だけではありません。落ち着いて、常に我慢の心を持って長丁場のレースに臨みたいと思います。
中嶋一貴(8号車):
練習走行は雨の影響で、思い通りの走行にはなりませんでした。夜の予選では私が新しいタイヤでアタックを担当しましたが、コース上の混雑に阻まれてしまいました。予選は多くの場合コース上の混雑による運不運がありますが、今日は我々に運がありませんでした。明日の2度の予選セッションではタイムを更新すべくベストを尽くします。とはいえ今日のセッションでは、夜間走行で異なるセットアップを試し、幾つか学ぶ点があったので、今後に役立つと思います。
セバスチャン・ブエミ(8号車):
様々な事が起こったセッションでした。残念ながら我々はコース上の混雑などにより、狙い通りの予選ラップを刻むことが出来ませんでしたが、明日木曜日にまだチャンスはありますし、もっと上のグリッドにチャレンジ出来ればと思っています。多くのセットアップが試せたのは良かったです。我々の狙いは決勝レースで速く走れる車両にすることですし、特に夜間走行におけるセットアップで幾つかの良いデータを得ることが出来ました。
フェルナンド・アロンソ(8号車):
今日はまずまず順調でした。午後の練習走行ではセットアップ作業をこなしましたが、天候の変化に翻弄されました。続く予選では不運にもコース上の混雑に遭遇し、我々の本当のペースを示すことが出来ませんでした。その後は、我々は決勝レースでのコンディションに向けた作業の続きをこなすことに専念しました。明日木曜日は更なるセットアップ向上のチャンスがあるでしょうし、ラップタイムの更新も狙っていきます。
カテゴリー: F1 / トヨタ / ル・マン24時間レース
2017年のル・マン24時間レース予選で記録した、圧倒的なタイムのコースレコードを持っている小林可夢偉が、今回も予選セッション開始早々に叩き出した3分17秒181というタイムはその後破られることはなく、マイク・コンウェイとホセ・マリア・ロペスと共に駆るTS050 HYBRID 7号車が暫定のポールポジションを獲得した。
ドライバーズ選手権で首位を走るセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、フェルナンド・アロンソのTS050 HYBRID 8号車は4番手につけ、13日(木)に2度予定されている2時間の予選セッションで更なる上位グリッドを目指す。ル・マン24時間レースの決勝スターティンググリッドは、他のWEC戦とは異なり、この3回の予選セッションで記録した1周のベストタイムで決定される。
9日(日)の公開車検でスタートを切ったル・マンのレースウィークだが、その後チームが1周13.626kmのサルト・サーキットでの走行を開始するのは、この水曜日の午後まで待たなくてはならなかった。ただ一度、4時間で行われた練習走行セッションは、この日の午後に激しく降った雨により、ウェットコンディションで開始された。
練習走行セッションは、最初の1時間でコースが乾いていき、エンジニアとドライバーは協力しながら、ウェットタイヤからハイブリッド・インターミディエイトタイヤ、そしてスリックタイヤへの交換タイミングを評価した。
2台のTS050 HYBRIDは6月2日のテストデーに合計220周を走破したが、気温が非常に高かったので、今日はレースでも想定されるより低い気温でのドライ路面におけるセットアップを進める貴重な一日となった。しかしながら、4時間の練習走行セッションは、コースを襲った激しい雨の影響もあり、赤旗により50分ほどの中断が発生した。
刻々と変わる天候と中断があったにもかかわらず、チームは予選へ向け着実に周回をこなし、2台の合計で95周を走破。7号車がトップタイムをマークした。
コースを闇が包み始めた午後10時、2時間の予選1回目が開始された。路面は乾いており、2台のTS050 HYBRIDはセッション開始早々にタイムアタックに入り、7号車の小林は昨年の予選1回目のベストタイムを上回るタイムをマークした。
一方、8号車の中嶋はコース上の混雑とフルコースイエローにアタックを阻まれ、タイムをのばすことが出来なかった。中嶋はベストタイムを追うよりもすぐに決勝を見据えた準備へと切り替えた。
セッションが残り45分ほどになったところで、2台のTS050 HYBRIDはそれぞれ別の場所で、他車との接触を喫してしていた。コンウェイがドライブしていた7号車は、最終コーナーでスピンしていたLMP2車両がコースへ戻ろうとしたところに接触。左フロントにダメージを負い、25分ほどの修復の後にコースに復帰した。ほぼ同じタイミングで、ブエミはGTカーと接触。こちらはフロアの修復とフロントノーズの交換のみで、数分のタイムロスで走行を再開した。
セッションの終盤にアロンソがタイムを更新し8号車を暫定4位に押し上げました。その間7号車はタイヤ評価を行いながら車両セットアップを進めた。
TS050 HYBRID 7号車 (小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペス):
公式練習 : 1番手 (3分18秒091), 48周
予選1回目 : 1番手 (3分17秒161), 25周
TS050 HYBRID 8号車 (中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、フェルナンド・アロンソ):
公式練習 : 4番手 (3分20秒941), 47周
予選1回目 : 4番手 (3分19秒632), 30周
小林可夢偉(7号車):
多くの車両が走っていたのでベストな予選ラップではありませんでした。クリアーラップで気持ち良く走れなかったのは残念ですが、車両の状態は上々ですので、もっとタイムは向上していくはずです。24時間の長いレースでは、予選はあまり意味がないので、レースに向けて出来るだけ限りの準備を行っています。今日のコンディションは実際のレースの時とは違うと思いますので、更に車両を良い状態に仕上げていきます。
マイク・コンウェイ(7号車):
予選での接触が起こるまでとても上手くいっていたので、このアクシデントはとても残念でした。速度を落としましたが、先のコーナーでスピンをした車両のライトの光が目の前に現れ、避けようとしましたが、車両がしっかりと見えなかったこともあり、残念ながら接触してしまいました。メカニックには、不要な作業を強いることになって、とても申し訳なく思っています。それでも彼らの素晴らしい仕事のおかげでセッション終了前に走行再開できました。
ホセ・マリア・ロペス(7号車):
私自身はとても良い一日で、多くの周回をこなし、混雑の中の状況に慣れることが出来ました。まだ1日目ですので、タイムを追い求めることはしていません。例年よりもコース上の混雑はひどいですが、それは我々だけではありません。落ち着いて、常に我慢の心を持って長丁場のレースに臨みたいと思います。
中嶋一貴(8号車):
練習走行は雨の影響で、思い通りの走行にはなりませんでした。夜の予選では私が新しいタイヤでアタックを担当しましたが、コース上の混雑に阻まれてしまいました。予選は多くの場合コース上の混雑による運不運がありますが、今日は我々に運がありませんでした。明日の2度の予選セッションではタイムを更新すべくベストを尽くします。とはいえ今日のセッションでは、夜間走行で異なるセットアップを試し、幾つか学ぶ点があったので、今後に役立つと思います。
セバスチャン・ブエミ(8号車):
様々な事が起こったセッションでした。残念ながら我々はコース上の混雑などにより、狙い通りの予選ラップを刻むことが出来ませんでしたが、明日木曜日にまだチャンスはありますし、もっと上のグリッドにチャレンジ出来ればと思っています。多くのセットアップが試せたのは良かったです。我々の狙いは決勝レースで速く走れる車両にすることですし、特に夜間走行におけるセットアップで幾つかの良いデータを得ることが出来ました。
フェルナンド・アロンソ(8号車):
今日はまずまず順調でした。午後の練習走行ではセットアップ作業をこなしましたが、天候の変化に翻弄されました。続く予選では不運にもコース上の混雑に遭遇し、我々の本当のペースを示すことが出来ませんでした。その後は、我々は決勝レースでのコンディションに向けた作業の続きをこなすことに専念しました。明日木曜日は更なるセットアップ向上のチャンスがあるでしょうし、ラップタイムの更新も狙っていきます。
カテゴリー: F1 / トヨタ / ル・マン24時間レース