ルマン
ル・マン24時間でのトヨタ #7号車のリタイアは、あるLMP2ドライバーの紛らわしい行動が間接的な原因だったようだ。

小林可夢偉がコースレコードを更新してポールポジションを獲得したトヨタ #7号車は、レース序盤で順調にリードを築いていたが、レースが10時間に差し掛かろうとしていた頃、クラッチにトラブルが発生してリタイアすることになった。

トヨタ #7号車は、セーフティカー走行中にマイク・コンウェイから小林可夢偉にドライバーチェンジ。小林可夢偉は、セーフティカーの後ろで隊列が整い、ピットレーン出口の赤信号が変わるのを最前列で待っていた。

その際、小林可夢偉は、マーシャルがピットを離れるように命じていると勘違いしてクルマを発進させようとし、チームが無線でストップさせるという事態が数回起こった。それがクラッチを壊し、レース再開時のリタイアに導いた可能性があるという。

「可夢偉は内燃エンジンでスタートするためにクラッチを使わなければならない位置にいた」とトヨタのテクニカルディレクターを務めるパスカル・バセロンはコメント。

「クラッチはそのために造られてはいない。スタートできないことが2~3回続いた。そして、クラッチが音を上げた」

後に小林可夢偉がマーシャルだと認識していたのは、ピットレーンの最後端に位置していたアルガルベ・プロ・レーシングのLMP2ドライバーであるヴィンセント・キャピレーだったことが明らかになった。

「土曜日の午後のレース中、僕は自分のボックスでヘルメットをかぶって自分の出番を待っていた」とヴィンセント・キャピレーはFacebookで述べた。

「僕はボックスの数メートル先で赤信号で止まっているトップのクルマを激励したかった。それは自然発生的な激励だった」

「僕はそのジェスチャーのためにスチュワードから罰金を科せられた。それが不適当なことだったことを認める。後悔しているよ」

パスカル・バセロンは、ヴィンセント・キャピレーがトヨタに謝罪することを望んでいると L'Equipe に述べた。

「彼の振る舞いに悪意がなかったことは理解している。だが、彼は自分のジェスチャーが引き起こす結果について考えていなかった。少なくとも彼が謝罪しにくることを願っている。現時点で彼はまだ謝罪していない」

予選で類似した状況を経験したG-DRIVE レーシングのLMPドライバー、ロマン・ルシノフは、小林可夢偉がいかに混乱していたかを理解できると述べた。

「手がOKを示していたら、走り出すものだ」とロマン・ルシノフは Autosport にコメント。

「クルマの中は視界がとても限られている。なので、赤信号の前にいて、スタッフが行っていいと示していたら、その人が示した通りのことをしてしまう。赤信号が壊れているかもしれないしね。どうやって知ることができる?」



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カテゴリー: F1 / トヨタ / ル・マン24時間レース