トヨタ:2023年 第4戦 ル・マン24時間レース ハイパーポール レポート
6月8日(木)、FIA世界耐久選手権(WEC)第4戦ル・マン24時間の公式練習とトップ8のスターティンググリッドを決定するハイパーポールが行われた。TOYOTA GAZOO Racing(TGR)の2台のGR010 HYBRIDは、記念すべき100周年大会での連続ポールポジション記録更新を目指したが惜しくも叶わず、それぞれ3番手、5番手グリッドから決勝レースのスタートを切ることになった。
サルト・サーキットで昨年まで6年連続ポールポジションを獲得してきたTGRは、新記録更新へ向けハイパーポールへの進出を果たしたが、驚くべき速さを見せたライバルと、不運なタイミングで出された赤旗、そして、トラックリミット違反によるタイム抹消もあり、望みは絶たれることとなってしまった。
昨年のル・マン勝者であるセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車は、ハートレーのアタックによる3分24秒451というタイムで3番手グリッドとなった。ハートレーのこのタイムは、圧倒的な速さで最前列グリッドを独占したイタリアンメーカー、フェラーリ50号車のポールタイムと1.469秒差だった。
小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスのGR010 HYBRID 7号車は、ジャッキー・イクスの持つポール獲得記録5回に並ぶチャンスであった小林がアタックを担当したが、ポールから1.951秒遅れの5番手となった。
ハイパーポールでの結果は残念なものとなったが、チームの目標であるル・マン6連覇と、今シーズンでの無敗記録更新へ向け、この日も2度にわたって行われた公式練習で、車両セットアップとレース戦略を徹底的に練り上げる作業が続けられた。
30分間で争われるハイパーポールセッションでは、前日行われた予選での各カテゴリー上位8台が進出し、スターティンググリッドが決定されます。現地時間午後8時、まだ明るく、気温も約29度と暖かな陽気の下でセッションが開始され、直後のアタックから、前日の予選同様にフェラーリ勢が速さを見せた。小林とハートレーも計測2周目でさらにタイムを更新したが、ポールまでには届かなかった。
2台のGR010 HYBRIDはピットインしタイヤを交換、残り10分というところで再アタックに入った。2台共に第1セクターでは自己ベストタイムを更新するペースで、ポールポジションへの望みを繋いだが、このアタック中に他のハイパーカーがトラブルによりコース中でストップ。2台共にアタックラップを終える前に赤旗が出され、セッションは中断となった。
車両排除のために11分間中断されたセッションは、残り約5分で再開され、2台のGR010 HYBRIDは最後のアタックに向かった。再スタート時の好ポジションを得るため、セッション中断時のままのタイヤでのアタックとなり、ベストな状況ではなかったものの、2台はそれぞれタイムを更新。小林が3番手、ハートレーが4番手につけたが、ここでの小林のタイムはトラックリミット違反を取られたため、抹消となってしまった。
これによりハートレーの8号車が3番手グリッド。7号車は5番手となった。TGRの車両がル・マンで最前列以外からスタートするのは、2016年以来のこととなる。
ポールポジション争いとは別に、ハイパーポールセッションを挟む形で、決勝レースへ向けた懸命な車両セットアップ作業がこの日も2回の練習走行で続けられた。3時間にわたって行われた練習走行第3回目では大きなトラブルも無く、7号車は小林が3番手タイム、8号車はハートレーのタイムで4番手となった。
日が落ちた午後10時から1時間にわたり、決勝前のセッティング最終確認の機会となる練習走行第4回目が行われたが、多くのチームの慎重なアプローチがそのままラップタイムに反映される結果となった。7号車はロペスのタイムが6番手、8号車は少ない周回数でブエミのタイムが14番手となった。
チームの意識は既に決勝レースに移っている。明日9日(金)はコース上での走行こそないが、チームにとっては重要な一日となる。チームは2台の車両を整備し直し、レースへ向けたセットアップと戦略を決定する。10日(土)は正午から行われる15分間のウォームアップ走行を経て、現地時間午後4時(日本時間午後11時)に第91回ル・マン24時間のスタートが切られる。
小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
今日は全力を尽くしましたが、現実的には我々にポールポジションのチャンスはありませんでした。ポールを獲得したフェラーリを祝福します。彼らのラップタイムは非常に速く、我々にとっては困難なタイムでした。もちろんル・マンでのポール獲得は特別なものであり、そのために私も可能な限りハードにアタックしましたが、やや攻めすぎてトラックリミット違反を取られてしまいました。レースは長時間にわたるので、ポールでなければ、3番手と5番手というスターティンググリッドにあまり意味はなく、決勝レースは全く別物になることもあり得ます。今日の結果から、1周のアタックという点では我々は最速ではなく、決勝も容易な戦いにはならないでしょうが、24時間レースで勝つためには、チームスピリット、正しい戦略、そして、ミス無く戦うこと、その全てが必要です。日曜午後のチェッカーへ向け、ベストを尽くすだけです。
ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
最終的に3番手グリッドを獲得できたことには満足しています。フェラーリの2台が速すぎ、グリッド最前列獲得は不可能でした。彼らのポール獲得に祝福を贈ります。私の最初のアタックはそれほど好感触では無く、ラップタイムもあまり良くありませんでした。次のアタックはとても良い感触だったので、赤旗に阻まれることになってしまい残念でしたが、最後はクリーンな状況でアタックが出来ました。ベストなラップではありませんでしたが、3番手が獲得できました。最善を尽くしたので、ポールを獲得できれば良かったのですが、3番手は悪くない結果です。みんなが知っているとおり、決勝レースは全く別ですし、気持ちを切り替える必要があります。今シーズン、我々は決勝での戦い方やチームワークで結果を残してきたので、それをまた披露する時です。チーム一丸となり、これまでの全ての経験を活かし、日曜日にトップを取るために集中しなくてはなりません。戦う準備はできています。
カテゴリー: F1 / トヨタ / ル・マン24時間レース / WEC (FIA世界耐久選手権)
サルト・サーキットで昨年まで6年連続ポールポジションを獲得してきたTGRは、新記録更新へ向けハイパーポールへの進出を果たしたが、驚くべき速さを見せたライバルと、不運なタイミングで出された赤旗、そして、トラックリミット違反によるタイム抹消もあり、望みは絶たれることとなってしまった。
昨年のル・マン勝者であるセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車は、ハートレーのアタックによる3分24秒451というタイムで3番手グリッドとなった。ハートレーのこのタイムは、圧倒的な速さで最前列グリッドを独占したイタリアンメーカー、フェラーリ50号車のポールタイムと1.469秒差だった。
小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスのGR010 HYBRID 7号車は、ジャッキー・イクスの持つポール獲得記録5回に並ぶチャンスであった小林がアタックを担当したが、ポールから1.951秒遅れの5番手となった。
ハイパーポールでの結果は残念なものとなったが、チームの目標であるル・マン6連覇と、今シーズンでの無敗記録更新へ向け、この日も2度にわたって行われた公式練習で、車両セットアップとレース戦略を徹底的に練り上げる作業が続けられた。
30分間で争われるハイパーポールセッションでは、前日行われた予選での各カテゴリー上位8台が進出し、スターティンググリッドが決定されます。現地時間午後8時、まだ明るく、気温も約29度と暖かな陽気の下でセッションが開始され、直後のアタックから、前日の予選同様にフェラーリ勢が速さを見せた。小林とハートレーも計測2周目でさらにタイムを更新したが、ポールまでには届かなかった。
2台のGR010 HYBRIDはピットインしタイヤを交換、残り10分というところで再アタックに入った。2台共に第1セクターでは自己ベストタイムを更新するペースで、ポールポジションへの望みを繋いだが、このアタック中に他のハイパーカーがトラブルによりコース中でストップ。2台共にアタックラップを終える前に赤旗が出され、セッションは中断となった。
車両排除のために11分間中断されたセッションは、残り約5分で再開され、2台のGR010 HYBRIDは最後のアタックに向かった。再スタート時の好ポジションを得るため、セッション中断時のままのタイヤでのアタックとなり、ベストな状況ではなかったものの、2台はそれぞれタイムを更新。小林が3番手、ハートレーが4番手につけたが、ここでの小林のタイムはトラックリミット違反を取られたため、抹消となってしまった。
これによりハートレーの8号車が3番手グリッド。7号車は5番手となった。TGRの車両がル・マンで最前列以外からスタートするのは、2016年以来のこととなる。
ポールポジション争いとは別に、ハイパーポールセッションを挟む形で、決勝レースへ向けた懸命な車両セットアップ作業がこの日も2回の練習走行で続けられた。3時間にわたって行われた練習走行第3回目では大きなトラブルも無く、7号車は小林が3番手タイム、8号車はハートレーのタイムで4番手となった。
日が落ちた午後10時から1時間にわたり、決勝前のセッティング最終確認の機会となる練習走行第4回目が行われたが、多くのチームの慎重なアプローチがそのままラップタイムに反映される結果となった。7号車はロペスのタイムが6番手、8号車は少ない周回数でブエミのタイムが14番手となった。
チームの意識は既に決勝レースに移っている。明日9日(金)はコース上での走行こそないが、チームにとっては重要な一日となる。チームは2台の車両を整備し直し、レースへ向けたセットアップと戦略を決定する。10日(土)は正午から行われる15分間のウォームアップ走行を経て、現地時間午後4時(日本時間午後11時)に第91回ル・マン24時間のスタートが切られる。
小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
今日は全力を尽くしましたが、現実的には我々にポールポジションのチャンスはありませんでした。ポールを獲得したフェラーリを祝福します。彼らのラップタイムは非常に速く、我々にとっては困難なタイムでした。もちろんル・マンでのポール獲得は特別なものであり、そのために私も可能な限りハードにアタックしましたが、やや攻めすぎてトラックリミット違反を取られてしまいました。レースは長時間にわたるので、ポールでなければ、3番手と5番手というスターティンググリッドにあまり意味はなく、決勝レースは全く別物になることもあり得ます。今日の結果から、1周のアタックという点では我々は最速ではなく、決勝も容易な戦いにはならないでしょうが、24時間レースで勝つためには、チームスピリット、正しい戦略、そして、ミス無く戦うこと、その全てが必要です。日曜午後のチェッカーへ向け、ベストを尽くすだけです。
ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
最終的に3番手グリッドを獲得できたことには満足しています。フェラーリの2台が速すぎ、グリッド最前列獲得は不可能でした。彼らのポール獲得に祝福を贈ります。私の最初のアタックはそれほど好感触では無く、ラップタイムもあまり良くありませんでした。次のアタックはとても良い感触だったので、赤旗に阻まれることになってしまい残念でしたが、最後はクリーンな状況でアタックが出来ました。ベストなラップではありませんでしたが、3番手が獲得できました。最善を尽くしたので、ポールを獲得できれば良かったのですが、3番手は悪くない結果です。みんなが知っているとおり、決勝レースは全く別ですし、気持ちを切り替える必要があります。今シーズン、我々は決勝での戦い方やチームワークで結果を残してきたので、それをまた披露する時です。チーム一丸となり、これまでの全ての経験を活かし、日曜日にトップを取るために集中しなくてはなりません。戦う準備はできています。
カテゴリー: F1 / トヨタ / ル・マン24時間レース / WEC (FIA世界耐久選手権)