WEC:トヨタ 2022年 第2戦 スパ・フランコルシャン6時間 公式練習レポート
2022年シーズンのFIA世界耐久選手権(WEC)第2戦スパ・フランコルシャン6時間のレースウィークがベルギーのスパ・フランコシャン・サーキットで開幕し、初日となった5月5日(木)は午後から公式練習走行が行われた。

TOYOTA GAZOO Racing(以下トヨタ)にとって、スパはこれまで良い成績を収めてきたサーキットの一つ。

今季のWEC開幕戦となったセブリングは、チームにとっては残念な結果に終わり、ハイパーカー GR010 HYBRIDの連勝記録が途絶えた。しかし、今週末、トヨタが過去9戦で6勝を上げているスパで、6連勝を目指す。

好天の下、90分間にわたって行われた公式練習1回目は、全チームが改良されたスパ・フランコルシャンでの初走行となった。1周7.004kmのコースレイアウトには変更はないが、一部のセクションで再舗装が行われると共に、コース外のランオフエリアが改良された。

トヨタの2台のGR010 HYBRIDは、この最初の公式練習セッションで、1周のラップタイムを追うのではなく、7日(土)に6時間で戦われる決勝レースへ向けての準備に専念し、結果はそれを反映したものとなった。チームはこのセッションで異なる仕様のタイヤ比較、空力、またメカニカルやハイブリッドのセットアップ分析などのプログラムをこなした。

WECのディフェンディングチャンピオンである、小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの3名がドライブするGR010 HYBRID 7号車は、前戦セブリングでのアクシデントにより新しいシャシーを今大会に投入。公式練習1回目では、軽微な技術的トラブルにより若干早めにセッションを終えることとなったが、総合8番手につけた。

セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮の3名がドライブする8号車は、異なるプログラムを消化し、総合13番手のタイムで初日を終えた。

明日6日(金)は2度にわたる公式練習セッションで更なる準備を進め、その後、夕方に行われる予選で決勝レースのスターティンググリッドが決定される。7日(土)に6時間で競われる決勝レースは、WECシーズン最大のイベントであるル・マン24時間レースへ向けた最後の実戦の場となる。

小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
再びスパに戻れて嬉しいです。セブリングはもうずいぶん昔のような気がします。今日は終盤に少しタイムをロスしましたが、スムーズで順調なセッションでした。この公式練習1回目では、どのチームも異なるプログラムに取り組んでいるので、現時点でパフォーマンスについて判断するのは難しいです。我々のGR010 HYBRIDは好調ですが、まだバランスの面で改良を続ける必要があります。今日得られた全てのデータを見直し、明日の練習走行で調整を加えて、予選に挑みたいと思います。

マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー)
GR010 HYBRIDでまた走れるのは楽しいですし、何よりここはスパなので格別です。我々は今日幾つかの異なる項目を試しましたが、終盤にはちょっとした問題に見舞われたことで、セッションの時間をフルに走ることはできませんでした。明日の公式練習セッションまでに2台のGR010 HYBRIDのデータを分析し、さらにセッティングを詰めて行きます。いつものことですが、最初のセッションのあとでクルマは大きく変わります。

ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー)
今日のセッションでは私自身はあまり走れませんでしたが、またGR010 HYBRIDで走れるのは嬉しいです。イベントはまだ始まったばかりですし、これからまだまだセッションは多いので、明日こそ沢山走れることを楽しみにしています。この公式練習1回目の結果だけで何らかの結論を出すのは早すぎます。今日、様々なセットアップを試してデータを得たので、それらを元に更なる改良を進めます。

セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー)
我々はこの公式練習1回目のセッションでかなり多くの周回を重ねることができました。もっと多くの中断などを予想していただけに、問題なく進められたのは幸運でした。今日はずっとドライコンディションだったので、多くのテストをこなすと共に、7号車とは異なるコンパウンドのタイヤを試し、比較することもできました。明日金曜日は2度の公式練習の後に予選という、忙しい一日になりますが、それだけに楽しみです。まずは今日のデータを分析し、車両の最適化を進めていきます。

ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
我々にとってはとてもクリーンなセッションで、多くのテスト項目をこなすことができました。まだもう少し速さが必要ですが、今日は改良されたコースを初めて走ることができて、良いセッションでした。改良されたオー・ルージュとラディオンはさらに路面がスムーズになりましたが、私自身は路面の荒れたコースも個性的で好きです。グラベルのランオフエリアが増えたことで、ドライバーはこれまで以上に慎重に攻める必要があり、良い改良だと思います。

平川 亮(8号車 ドライバー)
今日のセッションはとても順調でした。私が走っているときにフルコースイエローが出されましたが、それでもかなり多くの周回を走ることができました。私にとっては2017年以来のスパですが、戻ってくることができて嬉しいです。すぐに感触を取り戻せましたし、一歩一歩ペースも上げて行っています。セッションの終盤にはかなり良い感触で、気分は上々です。まだ改善すべき点はあるので、さらにプッシュを続けます。

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カテゴリー: F1 / トヨタ / WEC (FIA世界耐久選手権)