WRC:トヨタ 2022年 第1戦 ラリー・モンテカルロ 2日目レポート
1月21日(金)、2022年FIA世界ラリー選手権(WRC)第1戦ラリー・モンテカルロの競技2日目デイ2がモナコを起点に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラ組(GR YARIS Rally1 1号車)が総合2位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合3位に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)が総合9位につけた。
前日、2本のナイトステージで始まったラリー・モンテカルロは、モナコ西北に広がるフランスの山岳地帯で、デイ2として6本のステージを走行。その合計距離は97.86kmと、4日間で最長だった。前日に続き、金曜日も美しい青空の下での戦いとなり、ターマック(舗装路)ステージの路面は全体的にドライコンディションだったが、一部には湿った路面もあり、気温が低い早朝や夕方のステージでは凍結している区間もあった。
デイ1に続き、出走順1番手でステージに臨んだオジエは、オープニングステージのSS3で2番手タイムと良いスタートを切ったが、続く2本のステージでは路面が滑りやすく、特にSS5ではやや慎重な走りとなったことでタイムが伸びず。総合3位に順位を下げた。しかし、午後の再走ステージでは本来の調子を取り戻し、2ステージ連続で2番手タイムを刻み、SS7でエバンスを抜き総合2位にポジションアップ。1日の最後のSS8ではベストタイムを記録し、首位との差を9.9秒まで縮めて一日を終えた。
デイ1でオジエと11.2秒差の総合3位につけたエバンスは、デイ2でも安定した走りを続け、SS5でオジエを抜き総合2位に順位を上げた。1日の最後の2本のステージではタイムが伸びず総合3位に順位を下げたが、それでもオジエと12.1秒差につけている。また、デイ1で総合12位とやや苦しい出だしとなったロバンペラは、ステージを重ねる中でペースが改善し、総合9位まで順位を挽回。ロバンペラと36.9秒差の総合8位には、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team Next GenerationからGR YARIS Rally1で出場の、勝田貴元がつけている。
ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
GR YARIS Rally1で臨んだ初めての本格的な一日は、全体的に良かったといえます。各チームのクルマのレベルはかなり拮抗しており、あるコンディションでは我々のクルマが速く、別のコンディションでは他のクルマが速かったと思いますが、このような初期段階では大幅に改善することができます。ふたりのセバスチャンによる首位争いは大接戦となり非常にエキサイティングですが、彼らの戦いはきっと最後まで続くことでしょう。エルフィンも表彰台に立てる位置につけ、ここまで良い仕事をしています。また、貴元とカッレもクルマに対する自信を深め、大きく前進しました。明日もきっと、エキサイティングな一日になると思います。
セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 1号車)
午前中の1本のステージを除けば、いい一日だったと思います。凍った路面を一番最初に走行するのは、決して簡単ではありませんでした。もう少しリスクを冒すこともできたと思いますが、あのステージで限界を見極めるのは容易ではありませんでした。午後はベストを尽くして走りましたが、あれ以上速く走ることは難しかったと思います。まだすべてが新しいので、もちろん改善の余地はあります。明日に向けては、もう少しスピードを高められるようにセッティングを調整するつもりです。とはいえ、今晩も優勝を争える位置につけているのはポジティブなことだといえます。
エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)
決して悪くはなかったのですが、特別良い一日でもありませんでした。最後のステージで大幅にタイムを失ってしまったのは、残念でした。ところどころで、少し注意深く走り過ぎていたとは思いますが、これほど大きくタイムロスするとは予想していませんでした。一日を通してコンディションは変わりやすく、再走ステージはまだ安定していましたが、それでも路面の変化を見極めるのは簡単ではありませんでした。クルマについては何も問題なく全て順調ですので、良い仕事をしたチームを称賛したいと思います。このような新しいクルマを準備するのは大変だったでしょうし、こうして一日を走り切れたのは素晴らしいことです。この調子を保ちつつ、明日何ができるかを考えたいと思います。
カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 69号車)
私にとって、今日は大きな学びの一日でした。この新しいクルマは、これまで自分が乗ってきたものとは全く違うので、クルマを自分のドライビングスタイルに近づけるためにバランスを調整し、自分自身のドライビングもクルマに適応させようとしています。午前中は厳しい状況でしたが、タイヤフィッティングゾーンではいくつか大きな変更を施すことができ、それによってクルマは良くなりました。今日一日だけで何度もステップを踏み、どんどん良くなっていったので、明日もさらに何かできるように頑張ります。
ラリー・モンテカルロ デイ2の結果
1 セバスチャン・ローブ/イザベル・ガルミッシュ (フォード PUMA Rally1) 1h22m49.0s
2 セバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラ (トヨタ GR YARIS Rally1) +9.9s
3 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) +22.0s
4 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒュンダイ i20 N Rally1) +47.8s
5 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒュンダイ i20 N Rally1) +56.7s
6 クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (フォード PUMA Rally1) +59.2s
7 ガス・グリーンスミス/ヨナス・アンダーソン (フォード PUMA Rally1) +1m08.4s
8 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1) +1m35.9s
9 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +2m12.8s
10 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (ヒュンダイ i20 N Rally1) +2m22.9s
明日のステージ情報
競技3日目となる1月22日(土)のデイ3は、モナコを起点に、デイ2よりもさらに遠く西に離れたフランスの山岳地帯で合計5本のステージを走る。オープニングのSS9は1回のみの走行となり、その後ディーニュ=レ=バン周辺の山岳地帯で2本のステージを各2回走る。デイ2に続き、デイ3も昼のフルサービスは設定されず、タイヤフィッティングゾーンでの作業のみ許される。また、SS11とその再走ステージであるSS13「サン・ジュニエ/トア-ル」は、一部区間に積雪があるため、タイヤ選択も重要な要素となる。5本のSSの合計距離は92.46km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は592.85kmとなる。
カテゴリー: F1 / トヨタ / WRC (世界ラリー選手権)
前日、2本のナイトステージで始まったラリー・モンテカルロは、モナコ西北に広がるフランスの山岳地帯で、デイ2として6本のステージを走行。その合計距離は97.86kmと、4日間で最長だった。前日に続き、金曜日も美しい青空の下での戦いとなり、ターマック(舗装路)ステージの路面は全体的にドライコンディションだったが、一部には湿った路面もあり、気温が低い早朝や夕方のステージでは凍結している区間もあった。
デイ1に続き、出走順1番手でステージに臨んだオジエは、オープニングステージのSS3で2番手タイムと良いスタートを切ったが、続く2本のステージでは路面が滑りやすく、特にSS5ではやや慎重な走りとなったことでタイムが伸びず。総合3位に順位を下げた。しかし、午後の再走ステージでは本来の調子を取り戻し、2ステージ連続で2番手タイムを刻み、SS7でエバンスを抜き総合2位にポジションアップ。1日の最後のSS8ではベストタイムを記録し、首位との差を9.9秒まで縮めて一日を終えた。
デイ1でオジエと11.2秒差の総合3位につけたエバンスは、デイ2でも安定した走りを続け、SS5でオジエを抜き総合2位に順位を上げた。1日の最後の2本のステージではタイムが伸びず総合3位に順位を下げたが、それでもオジエと12.1秒差につけている。また、デイ1で総合12位とやや苦しい出だしとなったロバンペラは、ステージを重ねる中でペースが改善し、総合9位まで順位を挽回。ロバンペラと36.9秒差の総合8位には、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team Next GenerationからGR YARIS Rally1で出場の、勝田貴元がつけている。
ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
GR YARIS Rally1で臨んだ初めての本格的な一日は、全体的に良かったといえます。各チームのクルマのレベルはかなり拮抗しており、あるコンディションでは我々のクルマが速く、別のコンディションでは他のクルマが速かったと思いますが、このような初期段階では大幅に改善することができます。ふたりのセバスチャンによる首位争いは大接戦となり非常にエキサイティングですが、彼らの戦いはきっと最後まで続くことでしょう。エルフィンも表彰台に立てる位置につけ、ここまで良い仕事をしています。また、貴元とカッレもクルマに対する自信を深め、大きく前進しました。明日もきっと、エキサイティングな一日になると思います。
セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 1号車)
午前中の1本のステージを除けば、いい一日だったと思います。凍った路面を一番最初に走行するのは、決して簡単ではありませんでした。もう少しリスクを冒すこともできたと思いますが、あのステージで限界を見極めるのは容易ではありませんでした。午後はベストを尽くして走りましたが、あれ以上速く走ることは難しかったと思います。まだすべてが新しいので、もちろん改善の余地はあります。明日に向けては、もう少しスピードを高められるようにセッティングを調整するつもりです。とはいえ、今晩も優勝を争える位置につけているのはポジティブなことだといえます。
エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)
決して悪くはなかったのですが、特別良い一日でもありませんでした。最後のステージで大幅にタイムを失ってしまったのは、残念でした。ところどころで、少し注意深く走り過ぎていたとは思いますが、これほど大きくタイムロスするとは予想していませんでした。一日を通してコンディションは変わりやすく、再走ステージはまだ安定していましたが、それでも路面の変化を見極めるのは簡単ではありませんでした。クルマについては何も問題なく全て順調ですので、良い仕事をしたチームを称賛したいと思います。このような新しいクルマを準備するのは大変だったでしょうし、こうして一日を走り切れたのは素晴らしいことです。この調子を保ちつつ、明日何ができるかを考えたいと思います。
カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 69号車)
私にとって、今日は大きな学びの一日でした。この新しいクルマは、これまで自分が乗ってきたものとは全く違うので、クルマを自分のドライビングスタイルに近づけるためにバランスを調整し、自分自身のドライビングもクルマに適応させようとしています。午前中は厳しい状況でしたが、タイヤフィッティングゾーンではいくつか大きな変更を施すことができ、それによってクルマは良くなりました。今日一日だけで何度もステップを踏み、どんどん良くなっていったので、明日もさらに何かできるように頑張ります。
ラリー・モンテカルロ デイ2の結果
1 セバスチャン・ローブ/イザベル・ガルミッシュ (フォード PUMA Rally1) 1h22m49.0s
2 セバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラ (トヨタ GR YARIS Rally1) +9.9s
3 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) +22.0s
4 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒュンダイ i20 N Rally1) +47.8s
5 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒュンダイ i20 N Rally1) +56.7s
6 クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (フォード PUMA Rally1) +59.2s
7 ガス・グリーンスミス/ヨナス・アンダーソン (フォード PUMA Rally1) +1m08.4s
8 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1) +1m35.9s
9 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +2m12.8s
10 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (ヒュンダイ i20 N Rally1) +2m22.9s
明日のステージ情報
競技3日目となる1月22日(土)のデイ3は、モナコを起点に、デイ2よりもさらに遠く西に離れたフランスの山岳地帯で合計5本のステージを走る。オープニングのSS9は1回のみの走行となり、その後ディーニュ=レ=バン周辺の山岳地帯で2本のステージを各2回走る。デイ2に続き、デイ3も昼のフルサービスは設定されず、タイヤフィッティングゾーンでの作業のみ許される。また、SS11とその再走ステージであるSS13「サン・ジュニエ/トア-ル」は、一部区間に積雪があるため、タイヤ選択も重要な要素となる。5本のSSの合計距離は92.46km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は592.85kmとなる。
カテゴリー: F1 / トヨタ / WRC (世界ラリー選手権)