F1 トロロッソ・ホンダ オーストリアGP
トロロッソ・ホンダは、F1オーストリアGP初日のフリー走行ピエール・ガスリーがP1で10番手、P2ではトラブルが発生するも9番手で終了。ブレンドン・ハートレーは順調に周回を重ねてセッティングを進め、P2は17番手だった。

2018年のF1世界選手権 第9戦オーストリアGPの初日フリー走行が、レッドブル・リンクで行われた。当日は、朝方まで降り続いていた雨が上がったものの雲は厚く、気温もあまり上がらないコンディションの中で、P1とP2が行われた。

午前11時、気温19℃、ドライコンディションで迎えたP1で、トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリー、ブレンドン・ハートレーはともにスーパーソフトタイヤを装着して走行。パワーユニットやマシンのセッティングのプログラムを順調に消化した。パワーユニットとしては、サーキットの特性に合わせたセットアップを進める一方で、エアロのアップデートを投入したブレンドンの車体側の調整も進めた。このセッションで、ガスリーは1分06秒394で10番手、ハートレーは全マシン中最も多い45周を走行し、1分06秒871で19番手につけた。

P2は、気温21℃、路面温度27℃、降水確率60%というコンディションの中、午後3時からスタート。このセッションでもスーパーソフトタイヤで走行した2人は開始早々からべストタイムを更新し、ガスリーが1分05秒758、ハートレーが1分06秒332をマークする。セッション中盤にはウルトラソフトタイヤでのアタックシミュレーションを行ったが、アタックラップでガスリー車のシャシーにトラブルが起こり、最終コーナーでコースオフしたため、マシンをストップ。チームはマシンをピットに戻し、修復作業を行った。迅速なチームの対応により、ガスリーはセッション残り20分を切った時点で再びコースインし、走行を続けることができた。ハートレーはウルトラソフトタイヤでタイムアップを果たすことはできなかったが、ロングランのプログラムを順調に消化。プラクティス2はガスリーが9番手、ハートレーが17番手で終了した。

F1オーストリアGPの2日目は、30日(土)の正午(日本時間日午後7時)よりP3、午後3時(日本時間午後10時)より予選が行われる。

ピエール・ガスリー (9番手)
「シュピールベルクでの初日はポジティブなものとなりました。両セッションでトップ10入りできましたし、マシンの手応えも良好です。この勢いを明日の予選でもキープしたいです! ですが、初日の速さを結果に繋げることができなかったフランスGPのようにならないようにしたいと思っていますので、着実にマシンの改善を続けていきます。ここは一周が短く、ほかのマシンとの差もわずかですしね。P2では少し車体にダメージを負ってしまったのですが、メカニックたちがすばらしい仕事をしてくれ、セッションが終わる前にトラックに戻ることができました。明日の予選ではもっといいパフォーマンスを発揮するべく、今夜はチームと共に作業を続けます」

ブレンドン・ハートレー (17番手)
「オーストリアでの初日は、特に大きなトラブルなく終えることができました。ほかのマシンに比べ、少しペースが劣っているので、今夜はそこの改善に取り組みます。マシンのバランスにはまだ満足できていません。理想とするかたちに持っていくために、今夜は多くの作業をこなさなくてはならないでしょう。解決策を見つけ、明日はもっと強いペースを見せられると思います」

ジョナサン・エドルズ (トロロッソ チーフ・エンジニア)
「レッドブルにとってのホームレースとなるオーストリアGPは、我々にとって特別なイベントです。その初日を迎えるにあたり、天候も含めてさまざまなディスカッションを行ってきました。当初は、両セッションで雨の可能性があると思っていたのですが、結果的にどちらもドライで走行を行うことができました。ここは一周が短いため、ドライバーにとってもチームにとってもあまり休む暇がなく、非常に忙しいサーキットと言えるでしょう。テクニカルなレイアウトでもあるので、ドライバーは少しでも多くの周回数をこなすことが重要です。今大会から、ブレンドンのマシンに新しいエアロパーツを導入しています。P1では、ブレンドン車はCFDの結果などのデータを元に、エアロ・コンフィギュレーションのさまざまな選択肢の中から最適なものを探す作業を行いました。現状では、我々が期待していた通りにパーツが機能しているので、P3からピエール車にもこのエアロパーツを導入する予定でいます。ピエールは、メカニカル面でのセットアップとタイヤの動きの確認を行い、P2に向けての方向性を決めました。このトラックはいくつかの急カーブが設定されており、マシンにとってはタフなサーキットです。そのため、ドライバーが限界までプッシュすれば、車体がダメージを負ってしまうこともあります。それが顕著に表れたのが、P2の終盤でピエール車のトラック・ロッドに不具合が発生したことです。ピエールはほぼ走行を終えており、前方を走行する2台のフォース・インディア勢に近づいているところでした。前のマシンから流れてきた風がフロントに直撃し、縁石にぶつかってしまったのです。これによりトラック・ロッドに不具合が発生してしまいました。幸いにもメカニックたちがすばらしい仕事をしてくれ、セッション終盤にロングランを行うことができました。そのため、ピエールの走行プランは一通り完了しています。ウルトラソフトを履いての走行を完了していないことを考えると、彼は速いペースを見せていたので、明日の予選に向けても期待が持てそうです。今夜は、ブレンドンが理想とするマシンのバランスを見つけるために作業を行います」

田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)
「ここレッドブル・リンクはコーナーが少なく全長が短いトラックで、ストレートと低速コーナーが組み合わされたレイアウトです。今日はそのトラック特性にセッティングを合わせつつ、できるだけ多くの周回数を重ね、データを集めることにフォーカスしました。午後にガスリー選手がトラブルにより走行時間を多少失いましたが、心配された雨も降らず、おおむね順調な一日だったと思います。なお、ガスリー選手については金曜日用のパワーユニットを搭載しているため、今晩、フランスGPの決勝で使用したパワーユニットに交換する予定です。明日は予選に向けてさらにセッティングを煮詰め、いいスターティンググリッドを獲得できるよう準備を進めます」

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カテゴリー: F1 / トロロッソ / F1オーストリアGP