日産、新型Zのデビューイヤーに7年ぶりにSUPER GTを制覇
2022年 SUPER GTシリーズ第8戦が11月5日、6日、モビリティリゾートもてぎで開催された。日産/NISMO陣営は、シリーズランキング1位、2位を占め最終戦となるこの戦いに挑み、タイトル獲得を目指した。最終戦は規定により全車サクセスウェイトが0kgとなり、今季2勝を挙げランキングトップのNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)、今季1勝でランキング2位のNo.12 カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)、ランキング7位のNo.23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)、ランキング9位のNo.24 リアライズコーポレーションADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平)の4台のNissan Z GT500が参戦した。
予選
予選でNo.12 Zが3番手、No.3 Zが4番手、No.24 Zが5番手と、3台のZが上位の好ポジションを獲得
予選日の11月5日、天候は晴れ、気温17度、路面温度28度のコンディションのもと、午後2時53分から10分間のGT500クラス予選Q1が開始された。気温、路面温度ともに低めのなか、各車入念にウォームアップラップを行いアタックを開始。早めにアタックしたNo.3 Zは千代が1分36秒129、若干他車にかかったNo.23 Zの松田は1分36秒390をマーク。4周目、5周目と続けてアタックしたNo.24 Zの佐々木は5周目に1分35秒736とタイムを更新した。No.12 Zの平峰は4周目に1分36秒244でQ1を終えた。Q1の結果は、No.24 Zが2番手、No.3 Zが7番手、No.12 Zが8番手でQ1突破を決め、No.23 Zは僅差の9番手となり、Q2進出を逃した。
午後3時44分からQ1上位8台による予選Q2が開始された。GT300クラスのQ2でアクシデントがありGT500クラスのQ2開始が遅れたため、路面温度はさらに低下し難しいコンディションへと変化。Q1同様3周目にアタックしたNo.3 Zの高星は1分35秒916、4周目にアタックしたNo.12 Zのバゲットは1分35秒752、No.24 Zの平手は5周目に1分36秒000のベストタイムにより、No.12 Zが3番手、No.3 Zが4番手、No.24 Zが5番手と3台揃って上位を占め、決勝レースに向けて好位置を獲得した。
決勝
No.12 Zが2位表彰台を獲得し、シリーズチャンピオンに輝く
12位から4位まで追い上げたNo.3 Zが4位入賞を果たし、ランキング2位に
11月6日の決勝レースは快晴のもと、午後1時にフォーメーションラップが開始された。気温16度、路面温度27度のコンディションのもと、2周のフォーメーションラップを経て63周のレースが開始された。3番手スタートのNo.12 Zを駆るバゲットは、上位に迫りながら3番手をキープ。4番手からスタートしたNo.3 Zの千代は1周目の5コーナーで他車と接触しながらも4番手を守る。No.23 Zのクインタレッリは3台をパスして6番手に浮上。5番手スタートのNo.24 Zは混乱の中ポジションを失い10番手で1周目を終えた。9周目、3コーナーから4コーナーにかけて、GT300クラスのマシンとGT500クラスのマシンが接触し、周囲を巻き込んだアクシデントが発生。これにより、No.24 Zはリヤまわりを大きく破損してストップし、リタイアを余儀なくされた。No.23 Zもアクシデントを避けたマシンと接触し、ピットイン。ダメージは思いのほか大きく、修復に多くの時間を要する事態となった。このアクシデント直後にNo.3 Zは、1周目の接触により科されたドライブスルーペナルティを消化し、ポジションを大きく落とすことになった。
9周目のアクシデントで導入されたフルコースイエロー(FCY)は11周目にはセーフティカー(SC)導入となり、No.12 Zは3番手、No.3 Zは12番手というポジションとなっていた。SC中の15周目、メインストレートでGT300クラスのマシンが衝突するアクシデントが発生し、SC先導走行は継続され、レースは21周目から再スタートが切られた。22周を終えNo.3 Zがピットインしドライバーを高星に交代し、給油、タイヤ交換を終えた。ピット作業の早さとタイミングでNo.3 Zは大きくポジションを上げている。No.12 Zは23周を終えてピットイン。ドライバーを平峰に交代し、通常作業を終え、ポジションをキープしてレースに復帰した。トップはピットインを引き延ばす作戦のマシンとなり、その他はピットインを終えた26周終了時点でNo.12 Zは3番手、No.3 Zは6番手を走行。トラブルの修復を終えたNo.23 Zは3周遅れの13番手となっている。
レースは後半戦に入り、上位陣は接近した戦いとなった。37周を終え、トップがピットインすると、No.12 Zはトップに1秒差の2番手、No.3 Zは前車に1秒以内に迫る5番手となり、ペースに勝る両車はオーバーテイクに挑む。周回遅れのGT300マシンが絡み、追い抜きが難しい状況が続いた。51周目、No.3 Zは1コーナーで前車をパスして4番手にポジションアップ。さらにペースを上げて、前との差を詰めていく。トップから4番手までは、それぞれ1秒前後の差でレースは終盤戦となった。それぞれ一進一退を繰り返しながらも、それぞれポジションを守り切り、63周のレースはフィニッシュした。2位表彰台を獲得したNo.12 Zは、シリーズランキングでNo.3 Zを逆転してチャンピオンになった。ペナルティにより後方から追い上げたNo.3 Zは4位までポジションを挽回しフィニッシュし、シリーズランキングを2位で終えた。
2022年シーズンの全8戦を終了し、新型車であるNissan Z GT500は3回の優勝を成し遂げ、日産/NISMO陣営として7年ぶりとなるシリーズチャンピオンを獲得した。Nissan Z GT500の速さと強さをレースで実現し、その成果としてシリーズランキング1位、2位を占めることができた。来シーズンも、より充実したレースができるよう、日産/NISMO陣営は全力を尽くす。
平峰一貴
「ファンの皆さん、応援ありがとうございます。やっとチャンピオンを獲ることができました。そしてチーム、NISMO、ブリヂストンやスポンサーすべての皆さんに、本当に感謝しています。今年でTEAM IMPULで走り始めて3年目なので、なんとかチャンピオンを獲りたい、負けたくないという気持ちで、自分なりに努力を重ねてきたつもりです。本当に厳しかった時もありますが、やっぱりファンの皆さんが応援してくれたことで力をいただき、ここまで来ることができました。まだ正直なところ実感は薄いのですが、どんな時でもTEAM IMPULを応援してくれた皆さんに、心から感謝しています。ありがとうございます」
ベルトラン・バゲット
「皆さん本当にありがとうございました。チャンピオンとなったことを本当に誇りに思います。私がドライブした前半のスティントでは色々なことが起きました。タイヤのピックアップが厳しく、ポジションを落としたり、フルコースイエローやセーフティカーが導入される大きなアクシデントもありました。その中で自分を信じてポジションを上げ、そして最後の最後に平峰選手が素晴らしい走りで、勝利に導いてくれました。本当に嬉しく、まだ信じられないほどです。この1カ月のプレッシャーを乗り越えてチャンピオンを獲得できたのは、ファンの皆さんのおかげですし、日産/NISMO、ブリヂストン、星野一義監督、チームとチームメイトのおかげです。ありがとうございました」
星野一義 TEAM IMPUL監督
「(スポンサーの)カルソニック/マレリに感謝です。カルソニック/マレリと日産、ブリヂストン、すべての関係者のサポートのおかげで本当に感謝しています。今年バゲットが入って、平峰と相談しながら本当にいい走りをしてくれて、使えば使うほどものすごくいいドライバーだって気づきました。平峰がクルマを先行して開発してくれて、最後のラップまで力を抜かない粘り強い走りを見せてくれました。ふたりのいいところでチャンピオンを獲ったという感じです。スポンサー、ファンの皆さん、本当にありがとうございました」
松村基宏 日産SUPER GT チーム総監督
「新型Zを投入して1年間戦った結果、日産/NISMO陣営として7年ぶりのシリーズチャンピオンを獲得できたことを大変嬉しく思います。新型車両開発にあたっては、総合的な戦闘力アップと、どのコースでも速さを発揮できるマシン作りが目標でしたが、それが実現できた成果で、開発チームとレースを戦った各チーム、そして応援し続けていただいたファンの皆様に感謝いたします。我々NISMO Racing事業部は、自らのチームでマシンを走らせていますが、4台とも同じように開発とメンテナンスを行なってきました。そのなかで、TEAM IMPULがチャンピオン獲得という素晴らしい結果をもたらしてくれました。その他の3チームも、戦いを重ねるごとに開発グループとの連携が向上し、どのチームも上位争いできる力をつけてきました。不運なレースもありましたが、最終的にランキング1位と2位を占めることができたのは、日産/NISMO陣営全体の努力の成果で、総監督としてファンの皆様にこの成果をお見せすることができ、本当に良かったです。これもファンの皆様の声援があったからこそで、重ねて御礼申し上げます。そして、今後も日産/NISMO陣営へのご声援、よろしくお願いいたします」
カテゴリー: F1 / SUPER GT / 日産
予選
予選でNo.12 Zが3番手、No.3 Zが4番手、No.24 Zが5番手と、3台のZが上位の好ポジションを獲得
予選日の11月5日、天候は晴れ、気温17度、路面温度28度のコンディションのもと、午後2時53分から10分間のGT500クラス予選Q1が開始された。気温、路面温度ともに低めのなか、各車入念にウォームアップラップを行いアタックを開始。早めにアタックしたNo.3 Zは千代が1分36秒129、若干他車にかかったNo.23 Zの松田は1分36秒390をマーク。4周目、5周目と続けてアタックしたNo.24 Zの佐々木は5周目に1分35秒736とタイムを更新した。No.12 Zの平峰は4周目に1分36秒244でQ1を終えた。Q1の結果は、No.24 Zが2番手、No.3 Zが7番手、No.12 Zが8番手でQ1突破を決め、No.23 Zは僅差の9番手となり、Q2進出を逃した。
午後3時44分からQ1上位8台による予選Q2が開始された。GT300クラスのQ2でアクシデントがありGT500クラスのQ2開始が遅れたため、路面温度はさらに低下し難しいコンディションへと変化。Q1同様3周目にアタックしたNo.3 Zの高星は1分35秒916、4周目にアタックしたNo.12 Zのバゲットは1分35秒752、No.24 Zの平手は5周目に1分36秒000のベストタイムにより、No.12 Zが3番手、No.3 Zが4番手、No.24 Zが5番手と3台揃って上位を占め、決勝レースに向けて好位置を獲得した。
決勝
No.12 Zが2位表彰台を獲得し、シリーズチャンピオンに輝く
12位から4位まで追い上げたNo.3 Zが4位入賞を果たし、ランキング2位に
11月6日の決勝レースは快晴のもと、午後1時にフォーメーションラップが開始された。気温16度、路面温度27度のコンディションのもと、2周のフォーメーションラップを経て63周のレースが開始された。3番手スタートのNo.12 Zを駆るバゲットは、上位に迫りながら3番手をキープ。4番手からスタートしたNo.3 Zの千代は1周目の5コーナーで他車と接触しながらも4番手を守る。No.23 Zのクインタレッリは3台をパスして6番手に浮上。5番手スタートのNo.24 Zは混乱の中ポジションを失い10番手で1周目を終えた。9周目、3コーナーから4コーナーにかけて、GT300クラスのマシンとGT500クラスのマシンが接触し、周囲を巻き込んだアクシデントが発生。これにより、No.24 Zはリヤまわりを大きく破損してストップし、リタイアを余儀なくされた。No.23 Zもアクシデントを避けたマシンと接触し、ピットイン。ダメージは思いのほか大きく、修復に多くの時間を要する事態となった。このアクシデント直後にNo.3 Zは、1周目の接触により科されたドライブスルーペナルティを消化し、ポジションを大きく落とすことになった。
9周目のアクシデントで導入されたフルコースイエロー(FCY)は11周目にはセーフティカー(SC)導入となり、No.12 Zは3番手、No.3 Zは12番手というポジションとなっていた。SC中の15周目、メインストレートでGT300クラスのマシンが衝突するアクシデントが発生し、SC先導走行は継続され、レースは21周目から再スタートが切られた。22周を終えNo.3 Zがピットインしドライバーを高星に交代し、給油、タイヤ交換を終えた。ピット作業の早さとタイミングでNo.3 Zは大きくポジションを上げている。No.12 Zは23周を終えてピットイン。ドライバーを平峰に交代し、通常作業を終え、ポジションをキープしてレースに復帰した。トップはピットインを引き延ばす作戦のマシンとなり、その他はピットインを終えた26周終了時点でNo.12 Zは3番手、No.3 Zは6番手を走行。トラブルの修復を終えたNo.23 Zは3周遅れの13番手となっている。
レースは後半戦に入り、上位陣は接近した戦いとなった。37周を終え、トップがピットインすると、No.12 Zはトップに1秒差の2番手、No.3 Zは前車に1秒以内に迫る5番手となり、ペースに勝る両車はオーバーテイクに挑む。周回遅れのGT300マシンが絡み、追い抜きが難しい状況が続いた。51周目、No.3 Zは1コーナーで前車をパスして4番手にポジションアップ。さらにペースを上げて、前との差を詰めていく。トップから4番手までは、それぞれ1秒前後の差でレースは終盤戦となった。それぞれ一進一退を繰り返しながらも、それぞれポジションを守り切り、63周のレースはフィニッシュした。2位表彰台を獲得したNo.12 Zは、シリーズランキングでNo.3 Zを逆転してチャンピオンになった。ペナルティにより後方から追い上げたNo.3 Zは4位までポジションを挽回しフィニッシュし、シリーズランキングを2位で終えた。
2022年シーズンの全8戦を終了し、新型車であるNissan Z GT500は3回の優勝を成し遂げ、日産/NISMO陣営として7年ぶりとなるシリーズチャンピオンを獲得した。Nissan Z GT500の速さと強さをレースで実現し、その成果としてシリーズランキング1位、2位を占めることができた。来シーズンも、より充実したレースができるよう、日産/NISMO陣営は全力を尽くす。
平峰一貴
「ファンの皆さん、応援ありがとうございます。やっとチャンピオンを獲ることができました。そしてチーム、NISMO、ブリヂストンやスポンサーすべての皆さんに、本当に感謝しています。今年でTEAM IMPULで走り始めて3年目なので、なんとかチャンピオンを獲りたい、負けたくないという気持ちで、自分なりに努力を重ねてきたつもりです。本当に厳しかった時もありますが、やっぱりファンの皆さんが応援してくれたことで力をいただき、ここまで来ることができました。まだ正直なところ実感は薄いのですが、どんな時でもTEAM IMPULを応援してくれた皆さんに、心から感謝しています。ありがとうございます」
ベルトラン・バゲット
「皆さん本当にありがとうございました。チャンピオンとなったことを本当に誇りに思います。私がドライブした前半のスティントでは色々なことが起きました。タイヤのピックアップが厳しく、ポジションを落としたり、フルコースイエローやセーフティカーが導入される大きなアクシデントもありました。その中で自分を信じてポジションを上げ、そして最後の最後に平峰選手が素晴らしい走りで、勝利に導いてくれました。本当に嬉しく、まだ信じられないほどです。この1カ月のプレッシャーを乗り越えてチャンピオンを獲得できたのは、ファンの皆さんのおかげですし、日産/NISMO、ブリヂストン、星野一義監督、チームとチームメイトのおかげです。ありがとうございました」
星野一義 TEAM IMPUL監督
「(スポンサーの)カルソニック/マレリに感謝です。カルソニック/マレリと日産、ブリヂストン、すべての関係者のサポートのおかげで本当に感謝しています。今年バゲットが入って、平峰と相談しながら本当にいい走りをしてくれて、使えば使うほどものすごくいいドライバーだって気づきました。平峰がクルマを先行して開発してくれて、最後のラップまで力を抜かない粘り強い走りを見せてくれました。ふたりのいいところでチャンピオンを獲ったという感じです。スポンサー、ファンの皆さん、本当にありがとうございました」
松村基宏 日産SUPER GT チーム総監督
「新型Zを投入して1年間戦った結果、日産/NISMO陣営として7年ぶりのシリーズチャンピオンを獲得できたことを大変嬉しく思います。新型車両開発にあたっては、総合的な戦闘力アップと、どのコースでも速さを発揮できるマシン作りが目標でしたが、それが実現できた成果で、開発チームとレースを戦った各チーム、そして応援し続けていただいたファンの皆様に感謝いたします。我々NISMO Racing事業部は、自らのチームでマシンを走らせていますが、4台とも同じように開発とメンテナンスを行なってきました。そのなかで、TEAM IMPULがチャンピオン獲得という素晴らしい結果をもたらしてくれました。その他の3チームも、戦いを重ねるごとに開発グループとの連携が向上し、どのチームも上位争いできる力をつけてきました。不運なレースもありましたが、最終的にランキング1位と2位を占めることができたのは、日産/NISMO陣営全体の努力の成果で、総監督としてファンの皆様にこの成果をお見せすることができ、本当に良かったです。これもファンの皆様の声援があったからこそで、重ねて御礼申し上げます。そして、今後も日産/NISMO陣営へのご声援、よろしくお願いいたします」
カテゴリー: F1 / SUPER GT / 日産