SUPER GT 第7戦 決勝:Astemo NSX-GTが今季初勝利
2022年 SUPER GT 第7戦『FAV HOTEL AUTOPOLIS GT 300km RACE』の決勝レースが、10月2日(日)にオートポリスで行われ、GT500クラスは予選4位のNo.17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)が今季初優勝。GT300クラスはNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)が2020年最終戦以来の勝利を掴み取った。
日曜日のオートポリスも快晴。気温25度、路面温度40度を超えた。決勝レースは昼過ぎに行われたウォームアップ走行時に赤旗中断があった影響から5分遅れの午後1時35分にフォーメーションラップが行われ、65周のレースがスタートした。
なお予選15位のNo.37 KeePer TOM'S GR Supra(サッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋)は、決勝スタートで使用するタイヤを予選で痛め、ピットで交換してからのスタートを選択。このためスタート隊列には加わらず、ピット前からのスタートとなった。
1周目、ポールポジションのNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹)は順当にトップをキープ。これにNo.100 STANLEY NSX-GT(牧野任祐)、No.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)、No.17 Astemo NSX-GT(松下信治)と続いていく。序盤の24号車はペースが良く、100号車以下を引き離して10周目には5秒近いリードを築いた。
2番手の100号車の後方も差が開いたが、3番手の19号車、17号車、No.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)によるバトルは僅差で展開。この戦いには予選9番手スタートのNo.12 カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)が6番手として加わってくる。さらにNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL Z (千代勝正/高星明誠)も予選13位からポイント圏内の10番手へと順位を上げ、ドライバーランキング1、2位がタイトルへの意欲をむき出しにする。
そして16周目にGT300車両のストップによって、導入されたFCYが18周目に解除になると、4番手の17号車が3番手に浮上する。ここで、ドライバー交代のミニマムである22周目に2番手の100号車が最初にピットイン。翌23周目には17号車もピットに向かう。対して、トップを順調に走行していた24号車は27周目までピットインを引き延ばす。
全車がピット作業を終えると、トップ3でピットワークが早かった17号車(塚越広大)がトップに浮上。100号車(山本尚貴)は、変わらず2番手。序盤トップを走った24号車(平手晃平)は3番手にダウンしてしまった。
トップに出た17号車は安定したペースで走行。徐々に100号車との差を広げていき、終盤となる55周目には約8秒と独走状態に。土曜午前の練習走行終盤にコースアウトしてマシン前部を破損し予選出走も危ぶまれたが、メカニックたちの素早い修理対応で予選4位を獲得した17号車。チーム首脳の的確な判断とピット作業でも順位を上げ、チーム全体の総合力を示す形となった。
2番手の100号車もしばらくは単独走行だったが、終盤になるとペースが落ちてくる。そして残り10周を切ると100号車の背後には24号車が迫り、山本と平手という王者経験者がテール・トゥ・ノースで攻防を繰り広げた。
この2番手争いを尻目に、10秒以上のマージンを築いたNo.17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)は余裕の逃げ切り。第5戦鈴鹿で逃した今季初勝利を、今度は確実に手にした。2位は24号車の猛攻を巧みに凌いだNo.100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)が獲得。第7戦オートポリスの決勝は、Honda NSX-GTがワン・ツーを決めてみせた。3位はNissan Z GT500のNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平)。4位にはTOYOTA GR Supra GT500のNo.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)が入った。
この決勝前にドライバーランキングの1位だったNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)は7位に入り、その座を死守。同ランキング2位のNo.12 カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)は4位を狙って平峰が14号車に挑むが、辛くも6位でゴール。これで3号車とのポイントを2.5点差まで詰めた。以下、No.17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)、No.100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)、No.37 KeePer TOM'S GR Supra(サッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋)、No.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)までの6チームが同タイトルの権利を残して、最終戦に臨むことになった。
次戦は今季最終戦モビリティリゾートもてぎ(11月5、6日)。
GT500 Class
No.17 Astemo NSX-GT
塚越広大
まずは昨日の公式練習の最後のアクシデントから(マシン修復を)予選に間に合わせてくれたチーム、そしてHondaのサポートがあっての今回の優勝だと思います。それに、松下(信治)選手もしっかり応えてくれてQ2につなげてくれた。今日のレースに向けたセットアップも、かなり難しいタフなレースになるのを予想していたので、いろいろとアイデアをみんなで出しあって、決めて、それを信じてレースに臨みました。松下選手もすごく集中して走ってくれている感じだったので、きっとクルマがいいから順調に走っているんだろうなっていう感じを見ていて思いました。(僕は後半の)ちょっと長いスティントを担当しましたが、しっかり最後まで走れればいい結果が出るんじゃないかという風には思いました。ピットアウトして、そこで踏ん張らないと自力で(上位陣を)抜くのはやはり難しいと思いましたので 、今回はブリヂストンタイヤもすごくウォームアップが良かったし、アウトラップからプッシュすることができました。最後は後ろから100号車(STANLEY NSX-GT)に24号車(リアライズコーポレーション ADVAN Z)がペース良く来ているっていうのをずっと言われている中で、僕もいろいろ走り方を考えながら最後まで追いつかれないように走って、なんとか逃げ切れました。今回はジェットコースターみたいな週末だったので、ホッとしています。今回勝たないとチャンピオンシップで自力でのタイトル獲得が難しかったので、僕たちの望みどおりの結果を残せてほんとに良かったです。今日ぐらいはちょっと優勝した……いい思いをしていいんじゃないかなと思います。まぁ松下選手も言ったように、僕らの最終的な目標はチャンピオンを獲ることですので、ここまで来た過程をしっかり大事にして、チャンピオンを獲るため次に向けた準備をしっかりやって、勝ってチャンピオンを獲れるようにチームと全力を尽くしたいと思っています。(最終戦のもてぎでは)いつもどおりの目標として、まず勝つこと。勝つためにどうするかっていうのを、松下選手とチームとしっかりみんなで力を合わせて力強いレースがしたいなと思います。やっぱり最終戦は(僕の)地元の栃木でもあるので、たくさんの方が応援に来てくれますし、(チームスポンサーの)Astemoさんの方々も多いと思いますので、みんなの気持ちに応えられる走りをしたいと思います。
松下信治
まず、昨日の(公式練習での)クラッシュから今週(のレースウィーク)が始まってしまって、(その後の内容は)すごく”端折る”んですけど、チームから言われたのが、『これぐらい絶対直してやるから。走りに集中して、何も気にせず待っててくれ』と。そうメカニックさんに言われて。その時にものすごくうれしかったし、“信じてくれてるんだな”っていう信頼関係を感じたので、予選に向けてクラッシュした後はもちろん不安もあるんですけど、それにとらわれずにいい走りができてQ1を通ったっていうのが今週のポイントだったのかなって思います。そのあとは、Q2ですばらしい走りを塚越(広大)選手がしてくれて。あの状況から(予選)4位っていうのはものすごく上出来というか、もうあれ以上にないグリッドでのスタートでした。今日の朝起きて、なぜだかわからないですけどすごくリラックスしていて、勝てると思い、そういう気持ちで(レースに)臨んで……油断とかそういうことではなくて、なんか単純にリラックスしていました。決勝をスタートしてアクションはなかったですけど、19号車(WedsSport ADVAN GR Supra)を(自身のスティントの)最後の方(18周目)で抜けたんで。そのあとはピット戦略でまたチームががんばってくれて、塚越選手につないで……という感じのレースでした。(今回の勝利は)ほんとに”ワンチーム”のひと言に尽きるのかなと思います。ほんとチームがひとつになった週末だったと思います。(最終戦に向けては)塚越選手が表彰台で言っていましたけど、常に勝とうと思ってやっているんで。SUGOで結構(シリーズランキング)ポイントがいいところにいて、予選も良かったのにダメだった(予選5位、決勝12位)ので、もうあとがないっていう状態で今日ここ(オートポリス)に来ました。それで、自分たちの目標としている優勝をまずひとつ獲って、あとはもう1回やる(最終戦も優勝する)だけだなって……それしか頭になくて。今、勝ったんですけどもうそれはすぐに忘れて、次のもてぎに対してすべてをテーブルに乗せて、議論してやろうかなと思っています。ここまで来てチャンピオン争いしている全員に言えることだと思うんですが、みんながチャンピオンになるポテンシャルがあると思うし、その中で僕は僕で個人的にすごくアグレッシブなので、それを自分でコントロールして、最終戦でさらにチームにプラスとなる戦力になれるように、そこだけを考えて勝ちに行きます。
GT300 Class
No.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT
吉田広樹
去年もそうなんですが、今年もチャンスがありそうなレースが何回かありながらも、展開だったり、自分のミスだったり、いろんなことがうまく噛み合わずに優勝が叶わなかったので、今シーズンもなかなか厳しいのかなと思っていました。でもレースウイークに入って、自分たちが調子良さそうなのも分かりましたし、これまでミスの原因になったこともあったタイヤ交換だったり、そういうことも含めて、今回は本当に完璧に進みました。チームにも感謝したいですし、ブリヂストンタイヤさんが本当に強く、最後までパフォーマンスの落ちないタイヤを用意してくれたので、そういうお世話になっているみなさんに優勝という結果をご報告できるレースをできたことが本当に嬉しいです。オートポリスに来た時はシリーズランキングがそんなに上位ではなかったので、今回の勝ちでギリギリ最終戦に繋がったぐらいなんだという認識なので、次のレースでシリーズ争いがどうこうというよりも、連勝できるように(したい)。最終戦でサクセスウェイトが全部下りる“ガチンコ勝負”というところでは、もてぎは僕ら過去にいいレースができているデータがあるので、それを活かして、優勝だけを目指していきたいです。それに対して、チャンピオンがどうなるかっていうぐらいの感覚なので、まずは勝つことを目標にがんばりたいなと思っています。最終戦では優勝だけを目指していって、(そこで)何かがうまく噛み合って、川合(孝汰)選手がチャンピオンになるよう(※)、お役に立てるようにがんばりたいなと思います(笑)。 ※吉田広樹選手は第2戦を欠場しており、最終戦を吉田/川合孝汰コンビで参戦した場合、チャンピオンの可能性は川合選手にしかないため。
川合孝汰
2年ぶりの優勝なんですが、今シーズンは開幕戦からなかなかうまく噛み合わないレースが続いていたなかで、少し流れを変えられた大きな1戦になったなと思っていて、本当に素直に嬉しいです。 自分のスティントに関しては、最初から61号車と“1対1”のレースになり、コース的にも抜けないコースなので、序盤は“ついていく”というレースになりました。その後、GT500クラスが絡み始めたタイミングでチャンスができて、そこで(61号車の)前に出られました。その後はタイヤもキツかったんですけど、後ろのタイムを見ながら、吉田(広樹)選手にしっかりバトンを渡せたので、今シーズンのなかでは非常に良いレースができたんじゃないかなと思います。吉田(広樹)選手が言ったとおりで、本当にギリギリのところで(チャンピオン争いに残ったので)、周りの結果次第になってしまうと思うんですけど、なにせ勝たなきゃいけないと思っています。僕らはもちろんチャンピオンを目指してやっていますし、毎戦毎戦勝つために準備して努力してやっているので、もちろんチャンピオンは獲りたいですけど、まずは最終戦のガチンコ勝負で、52号車としてしっかり勝つというところに重きをおいてがんばりたいと思います。 (そのためにも)これから吉田選手も含めてチームと次のもてぎに向けてミーティングをして、クルマのセットアップやどういった対策をしていくか話をしたうえで、しっかり予選(Q1)を通して、ここまできたら勝ちにいきたいですね。公式練習、予選を含めトップを獲りにいきたいと思っているので、そこに向けてしっかり準備していきたいと思います。
カテゴリー: F1 / SUPER GT
日曜日のオートポリスも快晴。気温25度、路面温度40度を超えた。決勝レースは昼過ぎに行われたウォームアップ走行時に赤旗中断があった影響から5分遅れの午後1時35分にフォーメーションラップが行われ、65周のレースがスタートした。
なお予選15位のNo.37 KeePer TOM'S GR Supra(サッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋)は、決勝スタートで使用するタイヤを予選で痛め、ピットで交換してからのスタートを選択。このためスタート隊列には加わらず、ピット前からのスタートとなった。
1周目、ポールポジションのNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹)は順当にトップをキープ。これにNo.100 STANLEY NSX-GT(牧野任祐)、No.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)、No.17 Astemo NSX-GT(松下信治)と続いていく。序盤の24号車はペースが良く、100号車以下を引き離して10周目には5秒近いリードを築いた。
2番手の100号車の後方も差が開いたが、3番手の19号車、17号車、No.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)によるバトルは僅差で展開。この戦いには予選9番手スタートのNo.12 カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)が6番手として加わってくる。さらにNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL Z (千代勝正/高星明誠)も予選13位からポイント圏内の10番手へと順位を上げ、ドライバーランキング1、2位がタイトルへの意欲をむき出しにする。
そして16周目にGT300車両のストップによって、導入されたFCYが18周目に解除になると、4番手の17号車が3番手に浮上する。ここで、ドライバー交代のミニマムである22周目に2番手の100号車が最初にピットイン。翌23周目には17号車もピットに向かう。対して、トップを順調に走行していた24号車は27周目までピットインを引き延ばす。
全車がピット作業を終えると、トップ3でピットワークが早かった17号車(塚越広大)がトップに浮上。100号車(山本尚貴)は、変わらず2番手。序盤トップを走った24号車(平手晃平)は3番手にダウンしてしまった。
トップに出た17号車は安定したペースで走行。徐々に100号車との差を広げていき、終盤となる55周目には約8秒と独走状態に。土曜午前の練習走行終盤にコースアウトしてマシン前部を破損し予選出走も危ぶまれたが、メカニックたちの素早い修理対応で予選4位を獲得した17号車。チーム首脳の的確な判断とピット作業でも順位を上げ、チーム全体の総合力を示す形となった。
2番手の100号車もしばらくは単独走行だったが、終盤になるとペースが落ちてくる。そして残り10周を切ると100号車の背後には24号車が迫り、山本と平手という王者経験者がテール・トゥ・ノースで攻防を繰り広げた。
この2番手争いを尻目に、10秒以上のマージンを築いたNo.17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)は余裕の逃げ切り。第5戦鈴鹿で逃した今季初勝利を、今度は確実に手にした。2位は24号車の猛攻を巧みに凌いだNo.100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)が獲得。第7戦オートポリスの決勝は、Honda NSX-GTがワン・ツーを決めてみせた。3位はNissan Z GT500のNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平)。4位にはTOYOTA GR Supra GT500のNo.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)が入った。
この決勝前にドライバーランキングの1位だったNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)は7位に入り、その座を死守。同ランキング2位のNo.12 カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)は4位を狙って平峰が14号車に挑むが、辛くも6位でゴール。これで3号車とのポイントを2.5点差まで詰めた。以下、No.17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)、No.100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)、No.37 KeePer TOM'S GR Supra(サッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋)、No.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)までの6チームが同タイトルの権利を残して、最終戦に臨むことになった。
次戦は今季最終戦モビリティリゾートもてぎ(11月5、6日)。
GT500 Class
No.17 Astemo NSX-GT
塚越広大
まずは昨日の公式練習の最後のアクシデントから(マシン修復を)予選に間に合わせてくれたチーム、そしてHondaのサポートがあっての今回の優勝だと思います。それに、松下(信治)選手もしっかり応えてくれてQ2につなげてくれた。今日のレースに向けたセットアップも、かなり難しいタフなレースになるのを予想していたので、いろいろとアイデアをみんなで出しあって、決めて、それを信じてレースに臨みました。松下選手もすごく集中して走ってくれている感じだったので、きっとクルマがいいから順調に走っているんだろうなっていう感じを見ていて思いました。(僕は後半の)ちょっと長いスティントを担当しましたが、しっかり最後まで走れればいい結果が出るんじゃないかという風には思いました。ピットアウトして、そこで踏ん張らないと自力で(上位陣を)抜くのはやはり難しいと思いましたので 、今回はブリヂストンタイヤもすごくウォームアップが良かったし、アウトラップからプッシュすることができました。最後は後ろから100号車(STANLEY NSX-GT)に24号車(リアライズコーポレーション ADVAN Z)がペース良く来ているっていうのをずっと言われている中で、僕もいろいろ走り方を考えながら最後まで追いつかれないように走って、なんとか逃げ切れました。今回はジェットコースターみたいな週末だったので、ホッとしています。今回勝たないとチャンピオンシップで自力でのタイトル獲得が難しかったので、僕たちの望みどおりの結果を残せてほんとに良かったです。今日ぐらいはちょっと優勝した……いい思いをしていいんじゃないかなと思います。まぁ松下選手も言ったように、僕らの最終的な目標はチャンピオンを獲ることですので、ここまで来た過程をしっかり大事にして、チャンピオンを獲るため次に向けた準備をしっかりやって、勝ってチャンピオンを獲れるようにチームと全力を尽くしたいと思っています。(最終戦のもてぎでは)いつもどおりの目標として、まず勝つこと。勝つためにどうするかっていうのを、松下選手とチームとしっかりみんなで力を合わせて力強いレースがしたいなと思います。やっぱり最終戦は(僕の)地元の栃木でもあるので、たくさんの方が応援に来てくれますし、(チームスポンサーの)Astemoさんの方々も多いと思いますので、みんなの気持ちに応えられる走りをしたいと思います。
松下信治
まず、昨日の(公式練習での)クラッシュから今週(のレースウィーク)が始まってしまって、(その後の内容は)すごく”端折る”んですけど、チームから言われたのが、『これぐらい絶対直してやるから。走りに集中して、何も気にせず待っててくれ』と。そうメカニックさんに言われて。その時にものすごくうれしかったし、“信じてくれてるんだな”っていう信頼関係を感じたので、予選に向けてクラッシュした後はもちろん不安もあるんですけど、それにとらわれずにいい走りができてQ1を通ったっていうのが今週のポイントだったのかなって思います。そのあとは、Q2ですばらしい走りを塚越(広大)選手がしてくれて。あの状況から(予選)4位っていうのはものすごく上出来というか、もうあれ以上にないグリッドでのスタートでした。今日の朝起きて、なぜだかわからないですけどすごくリラックスしていて、勝てると思い、そういう気持ちで(レースに)臨んで……油断とかそういうことではなくて、なんか単純にリラックスしていました。決勝をスタートしてアクションはなかったですけど、19号車(WedsSport ADVAN GR Supra)を(自身のスティントの)最後の方(18周目)で抜けたんで。そのあとはピット戦略でまたチームががんばってくれて、塚越選手につないで……という感じのレースでした。(今回の勝利は)ほんとに”ワンチーム”のひと言に尽きるのかなと思います。ほんとチームがひとつになった週末だったと思います。(最終戦に向けては)塚越選手が表彰台で言っていましたけど、常に勝とうと思ってやっているんで。SUGOで結構(シリーズランキング)ポイントがいいところにいて、予選も良かったのにダメだった(予選5位、決勝12位)ので、もうあとがないっていう状態で今日ここ(オートポリス)に来ました。それで、自分たちの目標としている優勝をまずひとつ獲って、あとはもう1回やる(最終戦も優勝する)だけだなって……それしか頭になくて。今、勝ったんですけどもうそれはすぐに忘れて、次のもてぎに対してすべてをテーブルに乗せて、議論してやろうかなと思っています。ここまで来てチャンピオン争いしている全員に言えることだと思うんですが、みんながチャンピオンになるポテンシャルがあると思うし、その中で僕は僕で個人的にすごくアグレッシブなので、それを自分でコントロールして、最終戦でさらにチームにプラスとなる戦力になれるように、そこだけを考えて勝ちに行きます。
GT300 Class
No.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT
吉田広樹
去年もそうなんですが、今年もチャンスがありそうなレースが何回かありながらも、展開だったり、自分のミスだったり、いろんなことがうまく噛み合わずに優勝が叶わなかったので、今シーズンもなかなか厳しいのかなと思っていました。でもレースウイークに入って、自分たちが調子良さそうなのも分かりましたし、これまでミスの原因になったこともあったタイヤ交換だったり、そういうことも含めて、今回は本当に完璧に進みました。チームにも感謝したいですし、ブリヂストンタイヤさんが本当に強く、最後までパフォーマンスの落ちないタイヤを用意してくれたので、そういうお世話になっているみなさんに優勝という結果をご報告できるレースをできたことが本当に嬉しいです。オートポリスに来た時はシリーズランキングがそんなに上位ではなかったので、今回の勝ちでギリギリ最終戦に繋がったぐらいなんだという認識なので、次のレースでシリーズ争いがどうこうというよりも、連勝できるように(したい)。最終戦でサクセスウェイトが全部下りる“ガチンコ勝負”というところでは、もてぎは僕ら過去にいいレースができているデータがあるので、それを活かして、優勝だけを目指していきたいです。それに対して、チャンピオンがどうなるかっていうぐらいの感覚なので、まずは勝つことを目標にがんばりたいなと思っています。最終戦では優勝だけを目指していって、(そこで)何かがうまく噛み合って、川合(孝汰)選手がチャンピオンになるよう(※)、お役に立てるようにがんばりたいなと思います(笑)。 ※吉田広樹選手は第2戦を欠場しており、最終戦を吉田/川合孝汰コンビで参戦した場合、チャンピオンの可能性は川合選手にしかないため。
川合孝汰
2年ぶりの優勝なんですが、今シーズンは開幕戦からなかなかうまく噛み合わないレースが続いていたなかで、少し流れを変えられた大きな1戦になったなと思っていて、本当に素直に嬉しいです。 自分のスティントに関しては、最初から61号車と“1対1”のレースになり、コース的にも抜けないコースなので、序盤は“ついていく”というレースになりました。その後、GT500クラスが絡み始めたタイミングでチャンスができて、そこで(61号車の)前に出られました。その後はタイヤもキツかったんですけど、後ろのタイムを見ながら、吉田(広樹)選手にしっかりバトンを渡せたので、今シーズンのなかでは非常に良いレースができたんじゃないかなと思います。吉田(広樹)選手が言ったとおりで、本当にギリギリのところで(チャンピオン争いに残ったので)、周りの結果次第になってしまうと思うんですけど、なにせ勝たなきゃいけないと思っています。僕らはもちろんチャンピオンを目指してやっていますし、毎戦毎戦勝つために準備して努力してやっているので、もちろんチャンピオンは獲りたいですけど、まずは最終戦のガチンコ勝負で、52号車としてしっかり勝つというところに重きをおいてがんばりたいと思います。 (そのためにも)これから吉田選手も含めてチームと次のもてぎに向けてミーティングをして、クルマのセットアップやどういった対策をしていくか話をしたうえで、しっかり予選(Q1)を通して、ここまできたら勝ちにいきたいですね。公式練習、予選を含めトップを獲りにいきたいと思っているので、そこに向けてしっかり準備していきたいと思います。
カテゴリー: F1 / SUPER GT