スーパーフォーミュラ 鈴鹿サーキット ピエール・ガスリー
10月21日(土)、三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットにて、2017 全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズ第7戦の予選が行われた。

接近する台風21号の影響で前日から降り続いた雨のため、午前中のフリー走行はウェット路面となった。天候はさらに悪化の気配を見せていたため、大会審査委員会は、公式予選セッションがQ1のみ実施された場合、セッション中に記録したベストタイムとセカンドベストタイムで日曜日の決勝レース1及びレース2のスターティンググリッドを決定すると発表した。

公式予選Q1を前に強まった雨のため、路面コンディションはさらに悪化。競技車両がコースインするといっそう雨量が増えてセッションは赤旗中断。天候回復を待ってセッションが再開されましたがライバルチームがコースアウトするなど混乱は続き、計測が進まないままさらに2回の赤旗中断となった。その後雨が弱まったタイミングでセッションが再開され、各車水しぶきを上げながら残り8分30秒のタイムアタックに入った。残り時間を考えるとわずか2周から3周の計測チャンスしかない中、#40 野尻智紀が全体の2番手となるタイムを記録、セカンドベストタイムでも2番手につけた。一方、野尻のチームメイトの#41 伊沢拓也選手がセカンドベストタイムの3番手に続き、レース 2に向けて好ポジションを確保した。

しかし、台風接近の状況を考慮し、大会審査委員会は明日の決勝レース中止を決定、2017年シリーズはこれをもって終了となった。ピエール・ガスリーは惜しくも0.5ポイント差でシリーズチャンピオンを逃し、年間ランキング2位でシーズンを終えた。

ピエール・ガスリー (♯15 チーム無限)
「まず、この今の状況を受け入れることが一番ですね(苦笑)。チームとしてつねに一生懸命がんばってきて、多くのことを学んできました。その中でシーズン2勝を上げ、表彰台にも合計3度上がりました。最終的にシリーズ2位になり、ルーキー・オブ・ザ・イヤーも獲得することができました。すばらしい結果だし、うれしく思います。もちろん、最終戦で(タイトル争いをしている)石浦(宏明)と戦い、決着を着けるために鈴鹿を走り、ベストを尽くしたかったというのが正直な気持ちです。その機会を失うことになったのは、とても残念だしがっかりしています。なかなかめずらしい週末となりました。今日は朝のフリー走行から色々あり、予選でもたくさん赤旗が出たり、難しいコンディションでした。どうなるのかわからない状態でしたが、中止が決まり、明日はもうレースができませんが、(チャンピオンになった)石浦にはおめでとうと言いたいし、スーパーフォーミュラには本当に速い選手がたくさんいます。そんな彼らと戦えるのはとても光栄なことでもありました。僕にとってこの選手権への挑戦は、多くのことを学ぶすばらしい機会にもなりました。僕自身もドライバーとして、また人間としても成長することもできました。その中で支えてくれたホンダやチームにもお礼を言いたいです。最初の日からみんな力を合わせてがんばってくれましたし、僕自身も日本でのレースでベストを尽くしました。だからこそ、最終戦でレースをしたかったのですが、それができなくて残念でした」

野尻智紀 (♯40 ドコモ チーム ダンディライアン レーシング)
難しい予選でした。コースインするタイミングが難しかったのですが、チームがうまく位置取りをしてくれて助かりました。また、残り8分でセッションが再開されたときのタイヤ選択も難しくて、そのタイミングでニュータイヤを使うことも考えたのですが、そのまま暖まっているタイヤを使い続ける方を選びました。もっと良いタイムを出すチャンスはあったと思いますが、最後のチャンスにタイムを出せて、この先に続く結果になったと思います。2レース続けてフロントローポジションを得られたのは、自分が強く成長できたからだと感じます。それだけに、レースがキャンセルになったことは残念です。

伊沢拓也 (♯41 ドコモ チーム ダンディライアン レーシング)
予選が終わるまで自分のポジションがわからず、結局レース2で3番手だと知って驚きました。この週末は走り始めからすごく調子が良く、ポールポジションが獲れそうな予感があったのですが、セッションが繰り返し中断され、自分をベストのコンディションに持っていく前に終わってしまいました。自分としては不完全燃焼で、ポールポジションをとれなかったのが悔しいですし、この悪天候の中で応援に来ていただいたファンの皆さんにレースがお見せできなくて申し訳ない気持ちです。

佐伯昌浩 (ホンダ スーパーフォーミュラ プロジェクトリーダー)
0.5ポイント差で臨んだ最終戦ではタイトル争いを期待していましたが、予選だけで終わってしまったのがとても残念です。この週末は、できればドライで勝負をさせてあげたかったし、ファンのみなさんにもレースを見ていただきたかったです。シーズンを振り返ると、開幕戦では手応えがあったのですが、続く岡山、富士と低速コーナーが続くサーキットで物足りなさを感じたので、後半は低速側に振ったエンジンを持ち込んで速さは見せられたと思います。残る課題はレースに強いクルマをどう作っていくかですので、来年はチームとの連携を更に強固にして、レースに強いクルマに仕上げて行きます。

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カテゴリー: F1 / スーパーフォーミュラ