マクラーレンF1代表のアンドレア・ステラ「F1の成功を当然視すべきではない」

リバティ・メディアが2017年にF1の商業権を取得して以来、F1は劇的な変革を遂げ、昨年には36億ドルという驚異的な収益を上げるに至った。
グランプリ週末の再構築は成功の柱となり、2021年に試験的に3戦で導入されたスプリントレースは2023年には6戦まで拡大。世界中のファンを魅了し、新しい観客層を呼び込み、F1をグローバルな強大な存在へと押し上げた。
ステラは特にCEOのステファノ・ドメニカリを含むF1首脳陣の取り組みを高く評価している。
「まずはF1、ステファノ(ドメニカリ)、そしてF1マネジメントの仕事を称賛したい。彼らは確かに我々全員が恩恵を受けているビジネスの成長を導いた」とステラは記者団に語った。
しかしイタリア人のステラは、この成功は保証されたものではなく、集団的な努力が必要だと警告する。
「我々全員には、F1というビジネス全体が進んでいるこの道のりを支え続ける責任がある」とステラは語った。
「この責任の一環として、必要であれば自分たちを再発明することに対してオープンである必要がある。現在のF1ビジネスの成功を当然視してはいけない。他のスポーツが必ずしもこうした成功を収めているわけではないのだから」

革新を受け入れつつDNAを守る
F1は年間のスプリント開催数の拡大や、トップドライバーが後方からスタートする「リバースグリッド」導入といった大胆な案を検討している。ステラはこうしたアイデアに対し、オープンな姿勢で臨むべきだと主張する。
これらの提案はチームやファンの間で熱い議論を呼んでいるが、変化するファン層に対応するため、関係者は真剣に検討すべきだとステラは考えている。
「ファン層が変化していることも理解している。フリープラクティスのアプローチや、レース週末全体の進め方を見直す必要があるかもしれない。我々はそれに対してオープンであるべきだと思う」と彼は続けた。
一方で、ステラはF1の伝統を守ることも強調する。
「もちろん我々は合理的であろうと努め、F1のDNAの一部を守ろうとするだろう。しかし確かに、我々が貢献する責任の一部だと思う。これは最近のF1委員会でも議論されたことで、常に最重要議題に位置づけられている」と語った。
F1が次の章へと突き進む中で、ステラのメッセージは明快だ。チームはリーダーシップのビジョンを支持し、ファンを魅了し続けるために自らを再発明しつつ、グランプリレースの本質を守り抜かなければならない。
カテゴリー: F1 / マクラーレンF1チーム