F1スペインGP初開催のマドリング ピレリがタイヤ選択を決定

過去の走行データが存在しない新設サーキットだけに、タイヤの挙動やデグラデーションには多くの不確定要素が残る。ピレリは安全性と戦略の幅を確保するため、中間レンジのコンパウンドを選択した。
初開催のマドリングでタイヤ挙動は未知数
マドリングは、市街地道路とグランプリ開催のために新設された専用区間を組み合わせたコースで、マドリード市内を縫うようにレイアウトされている。
F1カレンダーへの追加が正式発表されたのは約2年半前だが、実際のF1マシンによる走行実績はなく、ピレリにはタイヤ選択の基準となる過去のレースデータが存在しない。
そのため、ピレリは最も硬い側から2番目のC2をハード、C3をミディアム、C4をソフトとして指定。極端に軟らかいコンパウンドを避けながら、各チームが複数の戦略を選択できる構成とした。
マドリングは低速のタイトコーナーと強いブレーキングを伴う区間が組み合わされており、タイヤには大きな熱負荷がかかると予想されている。
さらに、新しく舗装された市街地コース特有の粗い路面によって、タイヤの摩耗やデグラデーションが高まる可能性もある。
シルバーストンやスパに近いタイヤ負荷
ピレリは事前シミュレーションの結果、マドリングでタイヤにかかる負荷はシルバーストンやスパ・フランコルシャンに近い水準になるとの見解を示した。
「マドリングを分析した結果、タイヤにかかる負荷はシルバーストンやスパ・フランコルシャンで見られるものと同程度だと考えている」
「コース特性を踏まえ、中間レンジのコンパウンドを選択した。これにより2ストップ戦略を促すとともに、高温条件で過度なオーバーヒートが発生するリスクに対する余裕を持たせることが狙いだ。最も軟らかいコンパウンドは、そのような状況では影響を受けやすい」
ピレリは、決勝で1ストップ戦略に収束することを避け、タイヤ交換を含めた戦略的なレースを実現したい考えだ。
一方で、新舗装の路面はグランプリ週末を通じて急速に変化する可能性がある。走行初日はグリップが低くても、F1やサポートレースのマシンが走行を重ねることで路面にラバーが乗り、タイヤの摩耗やラップタイムが大きく変化することも考えられる。
ザントフォールトとモンツァの選択も発表
ピレリは、マドリードでのスペインGPに先立って開催されるオランダGPとイタリアGPのタイヤ選択も明らかにした。
ザントフォールトではマドリングと同じC2、C3、C4を使用する。一方、高速コースのモンツァには最も軟らかい組み合わせとなるC3、C4、C5が持ち込まれる。
初開催となるマドリングでは、実際の路面状況や気温、タイヤのオーバーヒートがレース展開を左右する重要な要素となる。各チームが限られた走行時間の中でどこまで正確にタイヤを理解できるかが、スペインGPの勝敗を分けることになりそうだ。
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