ホンダF1 新型PUは順調 折原慎太郎「遅れを取り戻す」

ハンガリーGPで投入された大規模なBスペック仕様のシャシーが好感触を示したことに続き、新型PUも順調なデビューを果たしたことで、アストンマーティンF1はシーズン後半の巻き返しへ大きな追い風を得ることになりそうだ。
新型ホンダPUが初走行 振動問題も解消か
ハンガロリンクで行われたFIA規定の200kmフィルミングデーでは、アストンマーティンF1のサードドライバーを務めるジャック・クロフォードがAMR26をドライブ。ハンガリーGPで投入されたBスペック仕様のマシンに、新型ホンダPUを組み合わせた初めての走行が実施された。
新仕様は従来型から約40馬力向上したとの見方もあるほか、シーズン序盤にアストンマーティンを悩ませた深刻な振動問題も確認されなかったと報じられている。
一方で、「なぜハンガリーGPでシャシーと同時投入しなかったのか」と疑問視する声もあった。新型PUはすでにサーキットへ搬入されていたためだ。
しかし、ホンダ・レーシング(HRC)の折原慎太郎チーフエンジニアは、そのタイミングは開発の進捗によるものだったと説明した。
「アストンマーティンのアップグレードと意図的に時期をずらしたり、合わせたりすることはありません」
「一方が準備できているのに、もう一方を待つ理由はありません。基本的には準備が整い次第、投入します」
さらに折原は、開発を急ぐ必要性も強調した。
「我々は大きく遅れていますから、待っている余裕はありません」
「オランダGPまで待ったのは、大規模なアップグレードが必要で、その開発に時間を要したからです」

デ・ラ・ロサ「決勝の方がさらに好感触だった」
アストンマーティンF1のアンバサダーを務めるペドロ・デ・ラ・ロサは、ハンガリーGPで投入された新型空力パッケージについて、予選以上に決勝で進歩を感じたと振り返った。
「予選では大きく前進した」
「だが、私は決勝の方がさらに良かったと思う。予選以上にレースペースが改善していた」
アストンマーティンは13位と14位でフィニッシュ。デ・ラ・ロサは、その結果はマシンの実力を反映したものだったと評価する。
「最終的に13位と14位でフィニッシュしたが、それは実力どおりだった。我々より速いマシンで完走できなかったのはオスカー・ピアストリだけだった。これは期待できる内容だ」
未知数だったロングランでも好結果
デ・ラ・ロサによると、新しい空力パッケージは実戦前に十分なロングランテストを行えておらず、多くの未知数を抱えたままレースウイークを迎えていたという。
「タイヤのデグラデーションも良く、レースペースも良かった。期待できる内容だった」
「この新しい空力パッケージではロングランを行っていなかった。完全に新しい仕様なので、エンジンやブレーキの冷却特性も変わっていた」
「『トラフィックの中でも適切に冷却できるのか』など、多くの疑問があった。だが、信頼性も良好だった」
さらに、ダウンフォース増加によるタイヤ性能の改善も確認できたという。
「ダウンフォースが増えればタイヤにも恩恵がある。以前はタイヤのデグラデーションが大きかったが、この点も改善されたようだ」
シミュレーションとの相関改善が最大の収穫
デ・ラ・ロサが最も高く評価したのは、サーキットで得られたデータとファクトリーのシミュレーション結果が高い精度で一致したことだった。
「相関は良好だった。それは単なる感覚ではなく、将来に向けて大きな自信を与えてくれる」
「以前は必ずしもそうではなかった。シーズン序盤を考えれば、ここまでアップグレードを完成させられたことは非常に前向きだし、これからにも期待できる」
ハンガリーGPでシャシーの大幅アップグレードが一定の成果を示し、今回のフィルミングデーでは新型ホンダPUも順調な初走行を終えた。オランダGPでは空力とパワーユニットの両面が強化されたAMR26が投入される見通しで、アストンマーティンF1が中団争いでさらに存在感を高められるか注目される。n
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