F1シンガポールGP FP1展開:アロンソがトップ発進 アルボンにブレーキ火災
2025年F1シンガポールGPが開幕。アストンマーティンのフェルナンド・アロンソが1分31秒116で初日のフリー走行1回目(FP1)を制した。シャルル・ルクレール(フェラーリ)が0.150秒差の2番手、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が3番手につけた。セッションは大きな赤旗やクラッシュもなく進行したが、ウィリアムズのアレックス・アルボンがブレーキ火災によりわずか2周で走行を終える波乱もあった。

気温29℃、湿度72%の厳しい環境下で行われた初回走行は、各チームが硬めのタイヤでデータ収集を進める中、終盤にかけてソフトタイヤでのアタック合戦となり、アロンソが上位勢を抑えて首位に立った。

セッション開始:暑さと湿度の試練
グリーンライトとともに走行開始。路面はまだ汚れており、気温29℃、路面温度35℃、湿度72%という厳しい条件。各車はハードタイヤ主体で走行を始め、アストンマーティンは早めにミディアムを投入。ジョリオン・パーマーは「本物の市街地コース、バンピーでタイト」とコメント。

アルボンに火災トラブル
開始5分でウィリアムズのアレックス・アルボンがブレーキの発火に見舞われ、ピットで消火作業。煙がヘルメットに充満し視界不良の中でセッション離脱。結局走行はアウトラップとインラップの2周にとどまり、以後はサイドラインから見守ることに。

序盤の主導権争い:ノリス vs フェルスタッペン
17:54、ノリスが1分32秒493でトップに立つと、フェルスタッペンが0.021秒差で迫る。ここシンガポールはフェルスタッペンが未勝利の唯一の現役サーキットだが、モンツァとバクー連勝の勢いを持ち込む。

サインツが頭角を現す
17:44、ウィリアムズのカルロス・サインツが一時トップタイム。バクーで表彰台に乗った勢いそのままに自信をのぞかせる。マシンの乗り心地特性がバンピーな市街地に合うとの見立てもある。18:02には1分31秒812で再びトップを奪取。ミディアムでのタイムは非常に目を引くものだった。

ライバルたちの動き
メルセデスは高温下でタイヤを持たせられず、アントネッリがターン1で大きなスライドを喫し無線で「タイヤがオーバーヒートした」と報告。アルピーヌのガスリーはランオフに飛び出す場面もあり、依然苦戦傾向を脱せず。

一方レーシングブルズ勢は健闘。アイザック・ハジャーがP3、リアム・ローソンもP7につけ、今週末への期待を裏付けた。

中盤:ルクレールが速さを見せる
18:08、ソフトタイヤに履き替えたシャルル・ルクレールが1分31秒266を記録。ノリスを0.432秒突き放す圧巻のアタック。ピアストリは「強アンダーステア」と不満を訴えながらも6番手に留まる。

終盤:アロンソがトップへ
18:17、ピアストリがウォールに軽くヒットしながらも3番手へ浮上。続いてアロンソがソフトで飛び込み、ルクレールを0.149秒上回る1分31秒116を叩き出し首位奪取。20周を走破し、アストンマーティンにとってバクーの惨敗(アロンソP15、ストロールP17)からの巻き返しを示す結果となった。

最後の数分:各陣営の見極め
日没直前の路面進化を最大限活用したアロンソはミディアムでも好調を示し、本物の速さかどうか注目を集める。マクラーレンはピアストリが壁接触、ノリスは伸び悩み、不完全燃焼。メルセデスはソフトを温存し、FP2に備える姿勢。

サインツはミディアムでトップ10を維持、ウィリアムズの潜在力を示した。ハミルトンは派手なゴールドヘルメットで臨み、一時P14から6番手まで改善。夏休み以降の自信をうかがわせる走りだった。

チェッカーフラッグ:アロンソ先頭で終了
セッション終盤、サインツとヒュルケンベルグがターン16でホイールトゥホイールを展開するなど小競り合いも。最終的にアロンソがルクレール、フェルスタッペンを抑えてFP1トップ。昨年のノリスのポール(1分29秒525)には及ばないが、まだ路面改善の余地は大きい。

次は夜のFP2。21時(現地)スタートで、気温・路面ともに予選に近い条件となる。マクラーレンの巻き返し、フェラーリの挑戦、そしてアロンソの速さが本物かどうか──必見の一戦となる。

F1 シンガポールGP フリー走行1回目 結果・ラップタイム

1.フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン) - 1分31秒116
2.シャルル・ルクレール(フェラーリ) - 1分31秒266
3.マックス・フェルスタッペン(レッドブル) - 1分31秒392
4.ルイス・ハミルトン(フェラーリ) - 1分31秒480
5.オスカー・ピアストリ(マクラーレン) - 1分31秒481
6.ランド・ノリス(マクラーレン) - 1分31秒698
7.アイザック・ハジャー(レーシングブルズ) - 1分31秒755
8.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ) - 1分31秒812
9.角田裕毅(レッドブル) - 1分31秒860
10.エステバン・オコン(ハース) - 1分32秒128
11.ジョージ・ラッセル(メルセデス) - 1分32秒139
12.ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー) - 1分32秒315
13.アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス) - 1分32秒378
14.リアム・ローソン(レーシングブルズ) - 1分32秒399
15.オリバー・ベアマン(ハース) - 1分32秒461
16.ガブリエル・ボルトレト(ザウバー) - 1分32秒538
17.ピエール・ガスリー(アルピーヌ) - 1分32秒611
18.ランス・ストロール(アストンマーティン) - 1分33秒034
19.フランコ・コラピント(アルピーヌ) - 1分33秒324
20.アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ) - No Time

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カテゴリー: F1 / F1シンガポールGP