WECカタール開幕戦に暗雲 F1にも波及 中東危機でFIAが厳格評価を実施
中東情勢の急速な悪化を受け、FIA世界耐久選手権(WEC)は、来月に予定されている2026年シーズン開幕戦カタール1812kmの開催可否について厳格な評価を進めていることを明らかにした。

プレシーズンテスト「プロローグ」(3月22日〜23日)および3月26日〜28日に予定されている開幕戦は、現時点ではルサイル・インターナショナル・サーキットでの開催が公式カレンダー上維持されているが、軍事衝突の拡大により状況は流動的だ。

今回の危機は、米国、イスラエル、イランの間で報復攻撃が発生したことをきっかけに始まり、ドーハではミサイルやドローン攻撃による爆発が報告された。隣国バーレーンおよびアラブ首長国連邦も標的となり、域内の空域は広範囲で閉鎖、空港も一時的に閉鎖された。

ドバイ国際空港およびアブダビ国際空港も空爆により被害を受けたとされ、湾岸地域全体で極めて不安定な状況が続いている。

この影響はWECにとどまらず、F1にも波及している。F1は2月28日付の声明で、中東での今後のレースを前に状況を注視していると明らかにした。

「我々の次の3戦はオーストラリア、中国、日本であり、中東ではない」とF1の広報担当者は述べた。

「これらのレースはまだ数週間先だ」

「我々は常にこのような状況を綿密に監視し、関係当局と緊密に連携している」

来週末の開幕戦を前に、F1関係者の一部は中東を経由しないルートへとフライトを変更しているという。今回の事態の中心はイランだが、アラブ首長国連邦、カタール、バーレーンなど地域各国にも影響が及んでいる。

また、バーレーンで予定されていたメルセデスとマクラーレン参加のウエットタイヤテストは、イラン軍が国内の米海軍基地を標的にしたことを受け、ピレリによって中止された。

FIA世界耐久選手権は日曜日に発表した公式声明で次のように述べている。

「FIA世界耐久選手権は中東で進行中の状況を綿密に監視している。ここ数週間にわたり厳格な評価プロセスを進めてきた」

「競技参加者、関係者、そしてファンの安全とセキュリティは我々の最優先事項である。そのため、FIA WECマネジメントはカタールの関係当局と常に直接連絡を取り合っている」

選手権は、プロローグおよびカタール1812kmの開催に関して、カタール当局と定期的な会議を行っていることも明らかにした。

物流面の問題も深刻だ。すでに複数メーカーがカタールでのテストプログラムを完了しており、多くの機材が現地に輸送済みの状態にある。さらに一部チームは今後2週間以内にバーレーンでの走行を予定していた。

仮にカタール戦が延期または中止となった場合、4月中旬に予定されている第2戦イモラまでの間に欧州ラウンドを代替開催することは、機材の空輸などを含め、極めて困難になる可能性がある。

WECは「状況を日々評価し続ける」とし、必要に応じて追加の情報を発表するとしている。

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カテゴリー: F1 / WEC (FIA世界耐久選手権)