佐藤琢磨 インディ500勝利の“方程式”を解説「100周までにトップ5が必要」
インディ500を2度制している佐藤琢磨が、“世界最大のレース”を勝ち抜くために必要な条件を詳細に語った。

元F1ドライバーでもある佐藤琢磨は、2017年と2020年にインディアナポリス500を制覇。近年もトップ争いを演じ続けており、2026年大会でもラハル・レターマン・ラニガン・レーシング勢最上位となる10位でフィニッシュした。

「最初から前にいる方がいい」
ホンダ主催のメディア向けラウンドテーブルで佐藤琢磨は、インディ500で勝利するための基本条件について語った。

「最初から前方にいる方がいいのは間違いないです」と佐藤琢磨は笑いながら語った。

実際、インディ500では11列33台のグリッドのうち、前2列からスタートしたドライバーが勝利するケースが多い。ただし、佐藤琢磨はスターティングポジションだけでは勝てないと強調する。

「特にここ数年は競争レベルが非常に高い。パドック全体でパフォーマンス差が非常に小さいんです」

「今はみんながマシン性能の99.9%を引き出している。だから競争が激しい」

「オーバーテイクは非常に難しい。特に気温が低いコンディションでは“バンドエイド”のような状態になる。前方の乱気流によって莫大なダウンフォースが発生するからです」

「マシンバランスを取れたドライバーは速く走れる。でも暑い日になると、“ゲームオン”になる」

経験こそ最大の武器
佐藤琢磨は、インディ500では経験値が極めて重要だと繰り返し語った。

ルーキーが勝つことは不可能ではないものの、8回に及ぶピットストップ、2.5マイルオーバル、ドラフティング、トラフィックの中での戦いを経験してきたドライバーこそが、“勝つためのツール”を持っているという。

「例えば、ニュータイヤの最初の5周は誰でも速い。でもその後は全員がバランス変化に苦しむんです」

しかし経験豊富なドライバーは、その変化を事前に予測し、レース展開に織り込むことができると説明した。

佐藤琢磨 インディ500

“100周までにトップ5”が勝利への条件
佐藤琢磨はさらに、自身が考えるインディ500勝利への具体的な戦略を明かした。

「僕が普段やっているのは、100周までに間違いなくトップ5にいる必要があるということです」

「そして単独走行をして、自分たちの純粋なスピードがどれくらいあるか確認する必要がある。そうすれば戦えるクルマになる」

「もし遅いなら、トリムしなければいけない」

さらに佐藤琢磨は、先頭集団とそれ以外ではレースの難易度が大きく異なると説明した。

「2番手なら比較的簡単にオーバーテイクできる。半周以内に抜き返したり、また抜き返されたりできる。でもそれはトップ2だけです」

「3番手以下になると乱気流の影響で非常に難しくなる」

そのため、終盤へ向けたマシン調整も極めて重要になるという。

「理想的には最後の2スティントではマシンに触りたくない。つまりタイヤ内圧やフロントウイング、リアウイングの調整は4回目のピットストップまでに終えておきたいんです」

「最後のスティントではトップ3以内にいる必要がある」

「そうでなければ、イエローコーションなどがない限り勝てる可能性は非常に小さい。ここ数年ずっとそういうレースになっている」

「だから各スティントの終わりに向けて、少しずつでも前進していかなければいけないんです」

ローゼンクヴィストが“琢磨理論”を証明
2026年のインディ500では、メイヤー・シャンク・レーシングのフェリックス・ローゼンクヴィストが優勝を飾った。

佐藤琢磨自身は勝利を逃したものの、そのレース展開はまさに佐藤琢磨が語った“勝利の方程式”を裏付けるものだった。

フロントロウからスタートしたローゼンクヴィストは、レースを通じてトップ10圏内を維持。終盤のコーションと赤旗によって、異なるピット戦略を採っていたパト・オワードとともに優勝候補となった。

そして最後のリスタート時、3番手につけていたローゼンクヴィストは、チームメイトのマーカス・アームストロングとデビッド・マルーカスをかわして優勝を手にした。

一方の佐藤琢磨も、スポット参戦ながらチーム最上位フィニッシュを記録。インディ500で再び優勝争いを演じるだけの実力を示した。

2027年、再びインディアナポリスで佐藤琢磨が勝利へ挑む可能性は十分にありそうだ。

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カテゴリー: F1 / 佐藤琢磨 / インディカー