佐藤琢磨、インディ500でのフロントローグリッド獲得は日本人初の快挙
佐藤琢磨は、第104回 インディ500の予選で3番グリッドを獲得。伝統の一戦でフロントローからのスタートは日本人では初の快挙となる。

今年で104回目の開催となる、世界で最も長い歴史を誇るレース・インディアナポリス500マイル(通称インディ500)の予選が15日から2日連続で開催され、マルコ・アンドレッティ(Andretti Herta with Marco & Curb-Agajanian)がポールポジションを獲得した。

インディ500の予選は1人ずつが4周の連続走行を行い、そのスピードを競う独特のものとなっている。アンドレッティと予選2番手になったスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)との差は平均時速でわずかに0.017マイルしかなかった。アンドレッティのインディカー・シリーズでのポールポジション獲得はこれで6回目となるが、インディ500におけるポールポジション獲得は今回が初めて。そして、ホンダにとっては今回が11回目のポールポジションとなりった。

予選初日に出場33人が予選アタックを行い、そこでの最速9人が2日目にポールポジション争いを繰り広げた。

プラクティス開始から予選1日目までは穏やかな気候が続いていたが、予選2日目は風が強めに吹き、マシンのセッティングとドライビングの両方を難しくしていた。マシン・セッティングのバランスが崩れ、時速230マイルオーバーで走らせるのにドライバーたちが手を焼くシーンもみられ、予選スピードは1日目より低くなっていた。

そうしたコンディションを味方につけたのが佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)だった。彼は4ラップを非常に安定させる走りを実現、230.725マイルの平均時速で予選3番手となった。彼にとって初めてのフロントローグリッド獲得は、もちろん日本人ドライバーにとっても初めての快挙となる。

ホンダ勢の活躍は目覚ましく、ライアン・ハンター-レイ(Andretti Autosport)とジェームズ・ヒンチクリフ(Andretti Autosport)が予選5、6位でグリッド2列目からレースのスタートを切ることとなった。そしてグリッド3列目にはアレックス・パロウ(Dale Coyne Racing with Team Goh)、グラハム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)、アレクサンダー・ロッシ(Andretti Autosport)が並びます。彼ら3人もHondaドライバーだ。さらに、ホンダドライバーは予選10、11、12位でグリッド4列目もコルトン・ハータ(Andretti Harding Steinbrenner Autosport)、マーカス・エリクソン(Chip Ganassi Racing)、スペンサー・ピゴット(Rahal Letterman Lanigan Racing with Citron/Buhl Autosport)によって独占。ポールポジションから予選12番手までのうち11人を占めた。

2日目の予選におけるアンドレッティとディクソンの差は、インディ500の歴史上で3番目の接戦だった。2012年にライアン・ブリスコーとホンダのジェームズ・ヒンチクリフの間にあった差が平均時速0.003マイルで、1970年にはアル・アンサーがジョニー・ラザフォードに平均時速0.008の差をつけてポールポジションを獲得。この2回だけが今年の予選よりも僅差の勝負だった。

第104回インディ500の決勝は8月23日の日曜日に行われる。

マルコ・アンドレッティ(ポールポジション)
「アタック2周目に風を感じ始めました。残りの3周目、4周目はとても長いものになることを意味していました。そして3、4周目はあまりよくないラップになりました。しかし、私たちは最高のグリッドを手に入れることができました。このコースでは先頭でクリーンな風を浴びながら走るのがベストなんです。自分たちは毎年このコースで速さをみせてきていますが、今日はエンジンパワーがあることを最高だと感じていました。そのおかげで自分の仕事はずいぶんと楽になっていたと思います。Hondaが信じられないほどすばらしい仕事をしてくれ、私たちのチームは走り出しから速いマシンを用意できていました。自分たちのパフォーマンスのよさをうれしく思っています」

スコット・ディクソン(2番手)
「HondaとHPDに深く感謝します。すばらしい仕事ぶりでした。彼らはレースに向けてもハードワークをしてくれています。今日の自分たちは、持っている力をほぼすべて出し切ったと感じています。もう少しマシンのハンドリングをニュートラルにすることはできたかもしれません。1ラップ目から少しアンダーステアが強いマシンになっていましたから。ファスト9の予選は難しいものですが、今日は特に風によって難しさが増していました。そして、そういった要素が予選をエキサイティングにします。最終的に私とマルコ(アンドレッティ)の差は本当に小さなもので、残念ながら私たちはあと少し足りませんでしたね。それでも、私はマルコのポールポジション獲得をうれしく思います。彼はすばらしい人物であり、すばらしいレーサーでもあるからです。来週の私たちは、彼を打ち負かすことを目指します」

佐藤琢磨(3番手)
「まず、マルコ・アンドレッティと彼のチームにおめでとうと言いたいですね。彼らは今年も本当にすばらしいパフォーマンスをみせてきています。自分たちとしては、フロントローからスタートする権利を獲得したのですから、とても大きな成果を挙げられたことと喜んでいます。Rahal Letterman Lanigan Racingのスタッフ全員がオフシーズンの間からハードワークを続けてきて、パフォーマンスを進歩させ、それが今日の結果につながりました。Hondaの仕事ぶりも偉大でした。すばらしい仕事をチームとHondaが成し遂げてくれました。これからはレースに集中します。予選後のプラクティスが非常に重要なものになるでしょう。そして金曜日、カーブデイのファイナルプラクティスも大きな意味を持つものになります。これまでのプラクティスで、私たちは自分たちの空力セッティングがレースで力を発揮すると確信していますから、レースを戦う日をとても楽しみにしています」

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カテゴリー: F1 / 佐藤琢磨 / インディカー