佐藤琢磨、2020年のインディカー・シーズン開幕への意気込みを語る
佐藤琢磨が、2020年のインディカー・シーズン再開にむけての意気込みを語った。

インディカーは3月15日にフロンダのセントピーターズバーグで開幕する予定だったが、新型コロナウイルスの影響によって最初の6戦がキャンセルとなった。だが、インディカーは6月6日にテキサス・モーター・スピードウェイでシーズンを開始することを発表している。

その間、佐藤琢磨はインディカーの公式バーチャルレースである『IndyCar iRacing Challenge』に参戦。第4戦ではツインリンクもてぎが舞台となった。

「現在のレースカーでもてぎに戻れるとは考えてもいませんでした。ある意味10年ぶりのインディ・ジャパンでしたね」と佐藤琢磨は Japan Times のビデオインタビューで語った。

だが、次のレースはさらにエキサイティングなものになる。再びマシンを走らせるとき、それはリアルな環境となる。

「素晴らしい気分ですね。ファンタスティックです」と2017年インディ500の優勝者である佐藤琢磨はシーズン開幕について語った。

「明らかに不確実な状況でしたからね。毎日すべてがアップデートされています。ついにリーグは僕たちがレースできることを確認しました。それは世界にとって素晴らしいことだと思います」

「もちろん、最も重要なことは、医療関係者や病院に関わるすべての人に僕たちが心から感謝をしているということです。僕たちは多くの命を救っている人々に心から感謝しています」

テキサス・モーター・スピードウェイの社長兼ゼネラルマネージャーを務めるエディ・ゴセージは「アメリカにはライブスポーツが必要だ。彼らはテキサスからテレビでリビングルームにGenesys300が中継されるときに目にするものを信じられないだろう」と声明で語っている。

2020年もレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングからインディカーに参戦する佐藤琢磨も良いショーを披露したいと考えている。

「今日、僕たちはアスリートとして何ができるでしょうか? 僕たちはレースをして大成功を収めることができると思っています。多くの希望と興奮をもたらし、それを人々に提供することは素晴らしいことだと思います」

レースは正常化への小さな一歩だが、通常通りの開催というわけではない。一つは、観覧席にはファンがいないこと。また、多数のCOVID-19プロトコルも導入され、トラックに入る人員は制限され、参加者の健康診断などが行われる。さらに、プラクティス、予選、レースはすべて同じ日に行われる。

「準備がかなり重要になってきます」と佐藤琢磨は語る。「しかし、1日だけという理由だけではありません。毎週末、準備は最も重要なことの1つです。3日間のイベントや2日間のオーバルでのイベントとそれほど大きく異なりません」

「しかし、僕たちはチームとして、オーバルで新しいエアロスクリーンを搭載したインディカーを運転したことがありません。そのため、物理的な設定、どのように感じるのか、マシンにどれだけ素早く適応して慣れることができるかなど不明な点がたくさんあります」

コックピットに取り付けられたポリカーボネート製のキャノピーであるエアロスクリーンは、ドライバーをデブリから保護するためにインディカーが実施している安全対策のひとつだ。

佐藤琢磨は、コックピット内で空気に当たる感覚に慣れており、感覚を戦略的に使用する方法さえ見つけていたと語る。ただし、そのような感覚はエアロスペースではなくなる。

「以前はコックピットに大量の空気が流入していました」と佐藤琢磨は語る。「1台のマシン、2~3台のマシン、または5~10台のマシンを追っているとき、気流は非常に異なります」

「だから、これは僕にとって難しいことの1つです。しかし、少なくともエアロスクリーンは、ドライバーの安全性の点で大きな前進です。だから、本当に感謝しています」

過去数週間にわたってレースが休止しているなか、佐藤琢磨は、リモートでの作業や体調維持に時間を費やしてきた。また、IndyCar iRacing Challengeも「困難な状況下でファンが楽しんでくれただと確信している」と語った。

「インディカー・シリーズが、iRacingバーチャルシリーズをスタートさせたことで、エキサイティングなシーズンが来るのかを予測するのに非常に役立ったと思います」と佐藤琢磨は語る。

また、Zoomを使用してビデオトレーニングをしたことさえあったという。「最初は少し変な感じしましたが、慣れればそうでもないですね」

昨年、佐藤琢磨は2勝を挙げ、ランキング9位でシーズンを終えたが、テキサスでシーズンが進行するときにはすべてを一歩前進させる準備が整っていると語る。

「確かにチャレンジングです。でも、他の誰もが同じように感じています。僕たちは常にベスト・オブ・ザ・ベストのものを目指しています。状況は難しいです。実際、物理的にも時間的にもテストの量が不足している、もしくは制限されています。このような状況でも、チームエンジニアが一生懸命働いていると信じています」

「非常に競争の激しいシーズンになることを願っています。精神的、肉体的に準備はできていますし、もちろん健康である必要があります。毎週末にレースして、結果をだすために100%準備ができている必要があります」

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カテゴリー: F1 / 佐藤琢磨 / インディカー