BMWの2009年暫定マシン F1.08B
佐藤琢磨が、2009年マシンの印象を語った。

ファンイベントで、2009年マシンの見た目の印象を質問された佐藤琢磨。バルセロナで直接目にした佐藤琢磨は、2009年仕様マシンを「カッコ悪い」と表現した。

「あれはカッコ悪いよ。あれは勘弁してほしいと思う。ほんと、あれは駄目」とファンイベントというリラックスした雰囲気のトークショーという場も手伝って、2009年のF1マシンについて語った佐藤琢磨。

「F1は夢を乗せて走るクルマだし。リアウイングなんておもちゃみたい」

「レギュレーションなんであんな風にしちゃったのかな。テクニカルディレクター達が集まって、追い越しを可能にするため、カッコ悪くするんじゃなくて、今のF1はあまりに空力に対して敏感なので、ちょっとでも空気の流れがかわると、あっという間にダウンフォースがなくなっちゃう。そういった意味では、物凄くシンプルにして、前のクルマの真後ろに付いたときに、少しでも空力による影響を落とそうと、フロントにたくさん空気を当てて、リアウイングを高い所に上げてあげて、ダウンフォースを失わないようにということなんだけど。もうちょっとうまいやり方があったんじゃないかな」

2009年仕様のウイングを装着したホンダ Ra108
今の時点でレギュレーションはそんなに大きくは変えられないと思うので、2009年はあの形でいくのかとは思うんだけど・・・すぐに戻ると思います」

「ジャーナリストやフォトグラファーは、“ちり取り”が走ってきたみたいだと言ってましたね。何でも吸収しちゃうみたいなね。幸いなことにコックピットからは見えないんで大丈夫。まあまあ走ればいいんですよ」

また、琢磨はトロ・ロッソのマシンをデザインすることになるレッドブルのエイドリアン・ニューウェイについても語った。

「ニューウェイに手紙書いちゃおうかな」と語り始めた佐藤琢磨。

「カッコいいクルマを作るのが得意だから。今のF1の世界は、スーパーコンピューターを使って、CADで自動的に何回も何回も空力をシミュレーションして、フロントウイングを1枚作るのに、コンピューターで計算して何日もかかる。それで、そのウイングが後ろにどういう影響を与えるか、また何日も計算する。それで作っていくんで、凄い大変な作業なんだけど、基本的に全部スーパーコンピューターを使っていく。コンピューター任せでやっていく」

「だけど、エイドリアン・ニューウェイは、いまだに鉛筆なんですよ。本来そうあるべきなんだろうなと思うんです。基本的にコンセプトは彼が鉛筆で書く。で、そのデザインに沿って、各デパートメントでコンピューターでシミュレーションされるんだけど、だいたい彼が描いたとおりにあがってきちゃう。本当に凄いなと思う」

「フィーリングってありますよね?レースの世界で基本的に共通しているのは、トップを走るクルマはカッコ良くみえてしまう。速いクルマは究極の機能美じゃないけど、結果として美しく見える傾向があるんだけど、ニューウェイのデザインは美しい。カッコいいよね。」

「去年マクラーレンから来て、レッドブルが“青いマクラーレン”と言われていたときがあったけど、最初はパフォーマンスがあがらなかったけど、とにかくルックスだけは凄く良くて。彼らエンジニアも納得している。“見かけはいいんだけど”って。でも、それに裏付けられるように、しっかり走って、それが機能して、ああいう風に結果を出せるというね。僕は信じてます。」

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カテゴリー: F1 / 佐藤琢磨