F1スペインGP 結果:ルイス・ハミルトンがポール・トゥ・ウィン
新型コロナウイルスの影響によってカレンダーに大幅に改訂された2020年のF1世界選手権。通常ヨーロッパラウンドの緒戦として5月に開催されているF1スペインGPだが、今年は夏の8月に開催。非常に暑いコンディションのなかでのグランプリとなった。
気温30度、路面温度48.6度のドライコンディションで66周のレースはスタート。
優勝はメルセデスのルイス・ハミルトン。ポールポジションからスタートしたルイス・ハミルトンは一度もリードを奪われることなくレースをコントロール。盤石な2ストップ戦略を成功させ、今季4勝目、通算88勝目を挙げた。また、今回で156回目の表彰台を獲得。ミハエル・シューマッハ(155回)を抜いて、F1歴代表彰台獲得数で単独首位に躍り出た。
2位はレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン。第1スティントですでにルイス・ハミルトンについていくことができず、2位固めの戦略に変更。2回目のピットストップを早めてトラックポジションを優先。ハミルトンから24.177秒遅れでチェッカーを受けた。
3位はメルセデスのバルテリ・ボッタス。スタートで後退したことが響き、終始マックス・フェルスタッペンの後ろでレースを展開。第2スティントにソフトを選択したものの成功せず、最終的には残り2周でミディアムに交換して3ストップに変更。フェルスタッペンから20.575秒差でチェッカーを受けた。
4位は新型コロナウイルスからの復帰戦となったセルジオ・ペレス。スタートで3番手まで順位を上げ、途中でブルーフラッグ無視の5秒加算ペナルティを科せられるも、1ストップ戦略で粘って4位でチェッカー。チームメイトのランス・ストロールも5位で続き、レーシング・ポイントが22ポイントを獲得した。おそらく、ルノーF1から抗議の対象になると考えられる。
6位はカルロス・サインツ(マクラーレン)、そして、7位はフェラーリのセバスチャン・ベッテル。11番グリッドからスタートしたベッテルは1ストップ戦略でなんとか持ちこたえてチェッカー。ドライバー・オブ・ザ・デイに選出された。チームメイトのシャルル・ルクレールは電気系のトラブルでリタイアしている。
8位はレッドブル・ホンダのアレクサンダー・アルボン。6番手からスタートしたアルボンは誰よりも早い18周目にハードタイヤに交換する2ストップ戦略をとったが、各スティントをトラフィックのなかで過ごすことになり、スタートポジションから2つ順位を落としてのチェッカーとなった。
9位はアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリー。10番手からスタートしたピエール・ガスリーは、オースドックスな2ストップ戦略を選択。スタートから順位を1つあげてのフィニッシュとなった。アルボンとの差は0.589秒差だった。
10位のマクラーレンのランド・ノリスまでが入賞。ファステストラップはバルテリ・ボッタス(メルセデス)が記録した。
2020年 第6戦 F1スペインGP 決勝 結果
順位 | No | ドライバー | チーム | GAP | INT | PIT |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 44 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | LAP | 66 | 2 |
2 | 33 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル・ホンダ | 24.177 | 24.177 | 2 |
3 | 77 | バルテリ・ボッタス | メルセデス | 44.752 | 20.575 | 3 |
4 | 11 | セルジオ・ペレス | レーシングポイント | 1L | 2.740 | 1 |
5 | 18 | ランス・ストロール | レーシングポイント | 1L | 54.876 | 2 |
6 | 55 | カルロス・サインツ | マクラーレン | 1L | 1.581 | 2 |
7 | 5 | セバスチャン・ベッテル | フェラーリ | 1L | 12.768 | 1 |
8 | 23 | アレクサンダー・アルボン | レッドブル・ホンダ | 1L | 1.195 | 2 |
9 | 10 | ピエール・ガスリー | アルファタウリ・ホンダ | 1L | 0.589 | 2 |
10 | 4 | ランド・ノリス | マクラーレン | 1L | 0.557 | 2 |
11 | 3 | ダニエル・リカルド | ルノー | 1L | 0.991 | 1 |
12 | 26 | ダニール・クビアト | アルファタウリ・ホンダ | 1L | 5.853 | 2 |
13 | 31 | エステバン・オコン | ルノー | 1L | 8.209 | 1 |
14 | 7 | キミ・ライコネン | アルファロメオ | 1L | 5.475 | 2 |
15 | 20 | ケビン・マグヌッセン | ハース | 1L | 7.688 | 1 |
16 | 99 | アントニオ・ジョビナッツィ | アルファロメオ | 1L | 0.699 | 2 |
17 | 63 | ジョージ・ラッセル | ウィリアムズ | 1L | 9.587 | 2 |
18 | 6 | ニコラス・ラティフィ | ウィリアムズ | 2L | 8.300 | 2 |
19 | 8 | ロマン・グロージャン | ハース | 2L | 27.651 | 2 |
DNF | 16 | シャルル・ルクレール | フェラーリ | 2 |
【レース展開】
セバスチャン・ベッテル、ダニエル・リカルド、ケビン・マグヌッセン、エステバン・オコン、ロマン・グロージャン、アントニオ・ジョビナッツィ、ニコラス・ラティフィがミディアムタイヤでのスタートを選択。それ以外はソフトタイヤでスタートする。
スタートでは基数グリッド勢が好発進。(1)ハミルトン(2)フェルスタッペン(3)ストロール(4)ボッタス(5)ペレス(6)アルボン(7)サインツ(8)ガスリー(9)ルクレール(10)ノリスの順でオープニングラップを終える。
5周目、ボッタスがストロールを抜いて3番手に浮上。トップのハミルトンとフェルスタッペンのペースはほぼ互角。1.5秒程度の間隔でフェルスタッペンがついていく。
タイヤを傷つけないようにすでにハミルトンはペースをコントロール。フェルスタッペンは「メルセデスはスーパースローだ」と無線で伝える。だが、乱気流でタイヤを傷つけないために迂闊には近づけない。
ハミルトンがファステストを連発して引き離しにかかる。2ストップのウインドウである15周の時点で2番手のフェルスタッペンとの差は3秒、その2秒後ろにボッタス。4番手のストロールはさらに10秒後ろとギャップが開いていく。
18周目:アレクサンダー・アルボンがハードタイヤに交換。16番手でコースに復帰する。
20周目:ハミルトンとフェルスタッペンの差は6秒、フェルスタッペンとボッタスとの差は2.2秒。メルセデスが揺さぶりをかけられるタイム差となる。
21周目:フェルスタッペンが『タイヤが終わった』と無線。ハミルトンとの差は8秒差。4番手のストロールとの差は21秒とギリギリ。
22周目:マックス・フェルスタッペンがミディアムに交換。なんとかストロールの前でコースに復帰する。ソフトスタート勢は続々とピットインを開始する。サインツはソフトを選択。
24周目:メルセデスがダブルストップを敢行してミディアムに交換。(1)ハミルトン(2)フェルスタッペン +4.3(3)ボッタス +4.5の順となる。
25周目:フェルスタッペンが無線で『自分たちのレースをしよう』と伝える。事実上、優勝は難しいと判断し、ボッタスを抑えて2位表彰台に目指すというサインだ。フェルスタッペンとボッタスとの差は1.5秒に縮まる。
27周目:バルテリ・ボッタス『黒いレーシングスーツは暑い』
28周目:ランス・ストロールがミディアムに交換して8番手でコースに復帰。アルボンは10番手まで順位を上げている。
30周目:ペレス(ミディアム/7番手で復帰)、ルクレール(ミディアム/13番手で復帰)、ベッテル(ソフト/14番手で復帰)。
37周目:リカルドがソフトに交換。全ドライバーが1回目のピットストップを終える。ルクレールがシケインでスピン。エンジンが止まるも再び走行を開始する。
41周目:アルボンがミディアムに交換して11番手でコース復帰。ルクレールがリタイア。
42周目:ハミルトンと10秒差をつけられていたフェルスタッペンがミディアムに交換して3番手でコースに復帰。2番手のボッタスとの差は約20秒。先手を打った?
43周目:ストロール(ソフト/8番手で復帰)とガスリー(ミディアム/11番手で復帰)がピットイン。
(1)ハミルトン(2)ボッタス(3)フェルスタッペン(4)ペレス(5)ノリス(6)クビアト(7)ベッテル(8)ストロール(9)サインツ(10)アルボン
45周目:ノリスとクビアトがミディアムに交換。
49周目:ボッタスがソフトに交換して3番手で復帰。フェルスタッペンとの差は7秒。
50周目:ルイス・ハミルトン『まだタイヤは大丈夫。ソフトは履かせないでくれ』
51周周:フェルスタッペンとの差を30秒まで広げていたハミルトンがミディアムに交換して10秒の差をつけてトップで復帰。
セルジオ・ペレスにブルーフラッグ無視で5秒ペナルティ
ダニール・クビアトにブルーフラッグ無視で5秒ペナルティ
残り5周:(1)ハミルトン(2)フェルスタッペン(3)ボッタス(4)ペレス(5)ストロール(6)サインツ(7)ベッテル(8)アルボン(9)ガスリー(10)ノリス
残り2周:バルテリ・ボッタスがミディアムに交換。順位に変動はなし
66周目:チェッカー
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