F1ハンガリーGP 予選展開:ランド・ノリスが最終アタックで逆転今季初ポール
マクラーレンのランド・ノリスが、2026年F1第11戦ハンガリーGPの予選で1分17秒207を記録し、今季初のポールポジションを獲得した。

ノリスはQ3最後のアタックでルイス・ハミルトンをわずか0.012秒差で逆転。終盤にマックス・フェルスタッペンのスピンとジョージ・ラッセルのストップによる黄旗が相次ぐ混乱のなか、絶妙なタイミングでアタックを完遂した。

予選2番手だったハミルトンは、オスカー・ピアストリの走行を妨害したとして3グリッド降格ペナルティを受け、決勝は5番グリッドに後退。黄旗区間で十分に減速しなかったアンドレア・キミ・アントネッリも4番手から7番グリッドに降格し、シャルル・ルクレールが2番手、ピアストリが3番手、フェルスタッペンが4番手に繰り上がった。

ノリスが最後の一撃でハミルトンを逆転
ハンガロリンクでは追い抜きが難しく、予選順位が決勝結果に直結しやすい。気温27度、路面温度49度という暑さに加え、週末を通じて変化の激しい風と路面上の砂ぼこりがドライバーを苦しめた。

それでもノリスはFP3でトップタイムを記録した勢いを予選でも維持。Q1とQ2をともに首位で通過すると、Q3では最初のアタックでハミルトンに先行を許しながらも、最後の一周で1分17秒207をマークした。

ハミルトンの暫定ポールタイムは1分17秒219。両者の差はわずか0.012秒だった。ハミルトンが最後のアタックでタイムを更新できなかった一方、ノリスは路面コンディションが悪化し始めるなかで各セクターをまとめ、チェッカーフラッグ直前に逆転した。

これによりノリスは今季初のグランプリ・ポールを獲得。メルセデス勢が開幕から続けていたポールポジション独占も第11戦で途切れ、メルセデス製パワーユニットを搭載するマクラーレンが今季初めてワークスチームを上回った。添付された予選ライブレポートでも、ノリスが今季初の非メルセデス勢によるポールを獲得したことが強調されている。

「とても、とてもうれしい。またトップに戻れて本当にうれしいよ」とノリスは語った。

「厳しい予選だった。フェラーリ勢はとても速かったし、週末を通して接戦だった。僕たちはアップデートをいくつか持ち込んだけど、それがラップタイムとしてどれほど効いているかを判断するのは難しい。ただ、今日は確実に助けになった」

「今日は一日を通して自信があった。チームはいい仕事をしているし、マシンもよく機能している。チームのみんなのためにも本当にうれしい。明日も大きな仕事が待っている」

ランド・ノリス(マクラーレン)

Q1:フェラーリはミディアム ノリスが一気に首位
18分間のQ1では、キャデラックのバルテリ・ボッタスを先頭に、ウィリアムズ勢やランス・ストロール、フェルナンド・アロンソらQ1敗退の危険が高いドライバーが早い段階からコースに入った。

アストンマーティンはハンガリーGPに16項目の大規模アップデートを投入。アロンソは最初のアタックでストロールを約0.2秒上回る1分20秒665を記録し、序盤からチームメイトに対して優位に立った。

一方、自信を見せたフェラーリは、ハミルトンとルクレールをミディアムタイヤで送り出した。ソフトタイヤを温存しながらQ2進出を狙う戦略であり、ハミルトンはいきなり1分18秒730を記録。ミディアムながら上位争いに加わった。

その後、フェルスタッペンがハミルトンを0.074秒上回って首位に立ち、イサック・ハジャーが3番手。アントネッリもハミルトンを上回って2番手に浮上し、上位4台はわずかな差で並んだ。

しかし、ノリスが状況を一変させる。セクター1とセクター2で全体ベストを記録し、フェルスタッペンに0.379秒差をつけてトップに立った。ピアストリが6番手前後にとどまるなか、ノリスの速さは際立っていた。

後方ではガブリエル・ボルトレトの最初のタイムがトラックリミット違反で削除され、ハースのオリバー・ベアマン、ウィリアムズ勢、キャデラック勢が脱落圏に入った。

アロンソは2セット目のソフトで12番手まで順位を上げ、最後のアタックでは16番手に滑り込んだ。アルピーヌ勢が終盤にタイムを更新したことで一時は危険な状況となったものの、ベアマンを0.1秒強上回り、今季初のQ2進出を果たした。

今季これまでのアロンソの予選最高順位は17番手で、直近5戦は連続して最後列。AMR26Bの投入初戦でQ1を突破したことは、アップデートが一定の効果を示した結果となった。

Q1敗退はベアマン、カルロス・サインツJr.、アレクサンダー・アルボン、ストロール、ボッタス、セルジオ・ペレス。ウィリアムズの2台は最後のアタックに入ることができず、アルボンはマシンの挙動に強い不満を示した。

ルイス・ハミルトン(スクーデリア・フェラーリ)

Q2:ハジャーがスピン アントネッリはタイム抹消から挽回
Q2ではアロンソがユーズドのソフトタイヤで真っ先にコースイン。最初のアタックは1分20秒696で、Q1の自己ベストより約0.5秒遅いタイムとなった。

上位勢ではフェルスタッペンが1分18秒249を記録して基準タイムを作ったが、その直後にチームメイトのハジャーがターン12でアウト側のグラベルにタイヤを落としてスピン。マシンを壊すことなく復帰したものの、黄旗によって後続のボルトレトらがアタックを中断させられた。

コンディションが回復すると、ハミルトンが1分17秒931でトップに浮上。無線では、さらにタイムを縮められるとの感触を伝えていた。

一方のアントネッリは、タイヤについて「何か間違ったことをしている。グリップがゼロだ」と訴えた。さらに最初のタイムがトラックリミット違反で削除され、残り2分の段階でノータイムの15番手まで後退した。

プレッシャーのなか、アントネッリは最後のアタックで6番手に浮上してQ3進出。ルクレールも脱落圏から2番手まで順位を上げた。ノリスは再び首位を奪い、ピアストリも3番手に入り、マクラーレンの2台がそろってトップ10に進んだ。

ハジャーもスピン後のアタックをまとめ、一時トップに立つ1分台を記録。黄旗によるタイムロスを取り戻し、余裕を持ってQ3に進出した。

レーシングブルズのリアム・ローソンは10番手に0.126秒届かず11番手。ピエール・ガスリー、フランコ・コラピント、ボルトレト、エステバン・オコン、アロンソが続いた。

アロンソは16番手で予選を終えたものの、大型アップデートを投入したアストンマーティンにとって、今季初めて1台をQ2に送り込んだことは明確な前進となった。ストロールがQ1で20番手に敗退したことから、マシンの改善幅だけでなく、アロンソが限られた走行機会を最大限に生かした結果ともいえる。

フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

Q3:ハミルトン暫定ポールも最終アタックで失速
ポールポジションを争うQ3は、路面温度が44度まで低下するなかで始まった。各チームは路面の改善を待ち、セッション開始後もしばらくガレージにとどまった。

最初にコースへ出たのはフェルスタッペン。1分17秒725を記録して暫定トップに立ったが、ノリスがこれを大きく上回った。ただしノリスは終盤のコーナーでタイヤのグリップを失い、ラップを完璧にはまとめきれなかった。

そこにハミルトンが1分17秒219を記録して暫定ポール。セクター1とセクター3で全体ベストを刻み、ノリスに約0.1秒差をつけた。ルクレールは3番手、アントネッリは4番手、ピアストリは5番手、フェルスタッペンは6番手。ラッセルはノリスから約0.5秒遅れの7番手にとどまった。

最後のアタックでは、フェラーリがハミルトンを集団の先頭でコースに送り出した。黄旗や渋滞を避ける狙いがあった一方、後続より早くアタックするため、路面改善の恩恵を受けにくい選択でもあった。

ハミルトンは最初のセクターから自己ベストを更新できず、セクター2でも大きく遅れてタイム更新に失敗。ルクレールもペースを上げられなかった。

後方からアタックに入ったノリスは、セクター2で全体ベストを記録。最終セクターまでタイムをまとめ、1分17秒207でハミルトンを0.012秒上回った。

その直前、フェルスタッペンが最終コーナーでスピンし、黄旗が提示された。フェルスタッペンは無線でマシンが「完全に壊れている」と訴えたが、マシンを立て直して走行を続けた。

さらにラッセルもウォータープレッシャー低下と水漏れに見舞われ、メルセデスからターン1でマシンを止めるよう指示された。これによって別の黄旗が提示されたが、ノリスは両方の黄旗が出る前に該当区間を通過しており、アタックを完遂できた。

「ジョージは水圧を失い、水漏れが発生したようだ」とメルセデス代表のトト・ヴォルフは説明した。

「期待を下回るセッションだった。グリップレベルにこれほど差があると、タイヤがうまく機能しない。そこでセッションを勝つこともあれば、失うこともある」

ラッセル自身も「水圧を失い、水漏れがあった。明日に影響しないことを願っている」と語り、予選では苦戦したものの、決勝のロングランペースにはより強い自信を示した。

アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

ハミルトンとアントネッリに3グリッド降格
予選終了時点では、ノリス、ハミルトン、ルクレール、アントネッリ、ピアストリ、フェルスタッペン、ラッセルの順だった。しかし、セッション後に2件の審議結果が発表され、上位グリッドが大きく変動した。

ハミルトンはQ3終盤、ターン1への進入でピアストリの走行を妨害したと判定された。ピアストリはアタックを中断しており、「ルイスはミラーを見ていなかった。黄旗は問題ではなかった」と説明した。

フェラーリ代表のフレデリック・バスールも「我々は彼に伝えたが、あまりにも遅すぎた。ミスがあったとすれば、それは我々のミスだ」とチーム側の責任を認めた。

スチュワードはハミルトンに3グリッド降格を科し、2番手から5番グリッドに後退させた。2023年ハンガリーGP以来となるポールポジションを0.012秒差で逃したうえ、フロントロウも失う結果となった。

アントネッリはフェルスタッペンのスピンによる黄旗区間で、十分かつ継続的に減速しなかったと判断された。本人は「ターン9で追い風を受けて0.1秒失った。黄旗はコーナーに入るところで出たので、できる限りリフトし、スピードを落とした」と主張したが、3グリッド降格とペナルティポイント1点が科された。

この結果、アントネッリは4番手から7番グリッドに後退。ルクレールがフロントロウの2番手、ピアストリが3番手、フェルスタッペンが4番手に繰り上がった。

決勝はノリス対フェラーリ トラックポジションが鍵
最終的なトップ10グリッドは、ノリス、ルクレール、ピアストリ、フェルスタッペン、ハミルトン、ラッセル、アントネッリ、ハジャー、アービッド・リンドブラッド、ニコ・ヒュルケンベルグとなった。

ポールポジションのノリスと3番手ピアストリは、グリップの高い奇数側グリッドからスタートする。対するルクレールは路面の汚れた偶数側となり、スタート直後のターン1までの攻防が重要になる。

「僕は最高の位置にいるけど、フェラーリ勢はスタートがいいし、シーズンを通して速い。厳しいレースになると思っている」とノリスは警戒した。

フェラーリはQ1をミディアムタイヤで通過しており、決勝に向けて新品ソフトを温存した可能性がある。ノリスも「彼らはQ1をミディアムで走った。決勝をどのタイヤでスタートするのか興味深い」と語っている。

決勝は高温が予想され、タイヤデグラデーションが大きくなれば2ストップ戦略が有力となる。ハンガロリンクでは追い抜きが難しい一方、ピットストップのタイミングやアンダーカットによって順位が変動する可能性がある。

ポールからスタートするノリスにとっては、まずルクレールとピアストリをターン1まで抑えることが最優先となる。フェラーリ、マクラーレン、レッドブル、メルセデスの4チームがトップ7に入り、戦略、タイヤ管理、信頼性のすべてが問われる決勝となりそうだ。


2026年F1ハンガリーGP 暫定スターティンググリッド
1番手 ランド・ノリス(マクラーレン)
2番手 シャルル・ルクレール(フェラーリ)
3番手 オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
4番手 マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)
5番手 ルイス・ハミルトン(フェラーリ)
6番手 ジョージ・ラッセル(メルセデス)
7番手 アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)
8番手 イサック・ハジャー(レッドブル・レーシング)
9番手 アービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)
10番手 ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)
11番手 リアム・ローソン(レーシングブルズ)
12番手 ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
13番手 フランコ・コラピント(アルピーヌ)
14番手 ガブリエル・ボルトレト(アウディ)
15番手 エステバン・オコン(ハース)
16番手 フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
17番手 オリバー・ベアマン(ハース)
18番手 カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)
19番手 アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)
20番手 ランス・ストロール(アストンマーティン)
21番手 バルテリ・ボッタス(キャデラック)
22番手 セルジオ・ペレス(キャデラック)

ノリスは予選の全3セッションで速さを示し、最後の一周でハミルトンを逆転した。だが、決勝ではフェラーリとチームメイトのピアストリが直後に控える。追い抜きが難しいハンガロリンクで、スタートとタイヤ戦略を制したドライバーが、夏休み前最後のグランプリを制することになる。

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カテゴリー: F1 / F1レース結果 / F1ハンガリーGP