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レッドブル・レーシングがルノーのF1エンジンにタグホイヤーのバッチをつけたのは苦肉の策だったようだ。

レッドブル・レーシングは2015年シーズン限りでルノーとの契約を打ち切ることを決定している。しかし、レッドブル・レーシングにエンジンを供給するメーカーは現れず、ルノーのエンジンに“タグホイヤー”のバッチをつけて搭載することで決着した。

当時のレッドブル・レーシングとルノーとの再契約は難航し、バーニー・エクレストンの介入があったとされている。レッドブル・レーシングがタグホイヤーのブランドのエンジンを使用することで、ルノーは形式的には批判の影響を弱めたが、レッドブルが勝った場合にも正式なクレジットが表示されないという奇妙な状況となっていた。

タグホイヤーとのネーミングライツ契約に至った詳細は明らかにされていなかったが、ルノー・スポールF1のシリル・アビテブールは、レッドブル・レーシングにルノーブランドのエンジンを使わせるわけにはいかなかったと語った。

「皆さんは完全なストーリーを思い出す必要がある」とシリル・アビテブールはコメント。

「完全なストーリーはこうだ。当時、レッドブルはメルセデスのエンジンを受け取れると考え、すでにエンジン契約を終了していた。だが、彼らはまったくエンジンがないことが判明し、その後、エンジンを請い求めなければならなかった。そして、我々にとって継続するための唯一の条件は、名前のないエンジンを供給することだった。信頼を失っていたからだ」

「ホワイトラベルのメカニズムに限界があるのは明らかではあるが、信頼が失われたときに最初にすべきことは、ブランドを保護することだ。私としてはそれは関係の全体的な結果を明確に示していると思う。その関係は今も起こっているが、しばらく前に弾丸とメッセージはすでに引き金が引かれていたと思う」

不安定な関係はその後2シーズン続いたが、2016年にルノーが再びワークスチームとして復活したことで悪化することになった。

レッドブル・レーシングとルノーとの契約は2018年に期限を迎えることになっていたが、トロロッソがホンダのF1パワーユニットを搭載したことで状況に変化が見られた。ホンダはレッドブル・レーシングの選択肢として浮上し、レッドブル・レーシングはホンダが十分な進歩を果たせない場合にはルノーとの契約を延長しようと考えていた。

ルノーは、部品の発注を延長して早急な決断を迫ったが、レッドブル・レーシングは検討の時間を長く取ることを望み、両社の緊張関係は高まった。

「レッドブルの視点から見て、彼らが自動車メーカーに何を求め、どのようなことを期待しているかは考えれば、ホンダに向っていることは非常に明らかだった」とシリル・アビテブールはコメント。

「我々は一年近く答えを待っていた。昨年のシンガポールで、我々はいつかレッドブルとの協力関係を終了する予定だと発表していた。ルノーがファクトリーチームとして復帰した後、我々はこのような別れが来ることを予想していた」

「我々はレッドブルがファクトリーチームとしてのステータスを取り戻すために別のパートナーを探すことになることは完全に理解していた」

「来年に彼らが別のエンジンサプライヤーに切り替えるだろうという前提が常にベースラインにあったし、我々はIP(知的財産)についての懸念がますます高まっていた。レッドブルとの仕事の仕方はかなり統合されたものだったし、少なくともシーズンのスタートでベストなパフォーマンスを発揮する能力を低下させ、危険にさらすわけにはいかなかった。我々にとって、来年の彼らのプランを明確にすることが重要だった」

「そのような理由で我々はレッドブルに来年の立場を明確にするように求めた。いくつかの議論の後、彼らはカナダまで待つことを要求し、我々はそれを受け入れた。カナダはホンダにとって重要なステップだったと思っている。そして、レッドブルにとってもホンダの進歩を確認する重要な節目だったと想像している。したがって、私にとってはカナダの後は待つ意味は完全になくなった。率直に言って、それは明白なことだった」

だが、レッドブルはフランスGPまでルノーとホンダの評価を待ちたいと主張。レッドブル・レーシングは母国グランプリとなるF1オーストリアGPまでに発表しようと考えていたが、、ルノーはF1フランスGPの日曜日を最終期限に設定。ルノーのホームグランプリで契約解除を発表される可能性を察したレッドブル・レーシングは、6月19日(火)にホンダとのF1エンジン供給契約に合意したことを発表して先手を打つことになった。

「カナダまで待つことに合意していたという事実を思い出させるだけだった」とシリル・アビテブールはコメント。

「カナダ後に新たなものは何もなかったし、実際に彼らが要求し、我々が受け入れたオファーは先週までしか有効ではなかった。もっと多くのレース、セッション、データを積み重ねることはできるが、カナダで十分に全体像は見えたと思う。私の意見ではカナダ前に十分に明白だったがね」

「最終期限が問題というわけではなかった。単純に我々の間で合意した契約を固持するかの問題だった。それはレッドブルに昨年合意された計画を発表して、少しだけ良いイメージを見せる機会を与えただけだ。それがまさに起こったことだ。計画を守り、発表してくれたレッドブルに感謝したい」

シリル・アビテブールは、レッドブル・レーシングにとっては、ホンダと契約することで得られるこれまで経験したことのないワークスステータスが魅力的だったのだろうと語る。

「商業的なものから始まり、数値的にも大きな違いがあると思う。それは明白だ。どのような組織もそのような側面に鈍感であることは想像できない」とシリル・アビテブールはコメント。

「だが他の側面もある。エンジンがルノーのシャシーのために開発され、我々のシャシーやワークスチームの構築が進むにつれて、レッドブル側にいくつか譲歩が必要になっていただろう。エイドリアン・ニューウェイが率いる技術グループにとってそれは魅力的ではなかったと思う。加えて、ダイナモ、ギアボックス開発などへのアクセスもホンダとの合意の一部だったと確信している」

「独占的に自動車メーカーにアクセスする能力を得ることがレッドブルの計画であり、戦略だと思う。彼らに集中し、彼らのためにエンジンを開発する自動車メーカーを得ることがね。そこは我々がワークスチームとして復帰して以降、完全に疑問の余地がなかったことだ。計画は非常に明白だった。それは我々全員が理解していることだ」

「マーケティングとコミュニケーションという観点から、彼らがブランドを尊重しているかどうかを確かめるために、我々は彼らとの関係に期待するものをもっと厳しくするべきだったかもしれない。ブランドへのリスペクトが非常に明確に欠如いているときがあった。それはもう過去のことであり、さらにコメントする必要はないだろう。だが、ブランドへのリスペクトが不足している状況ならば、そのようなことを起こる」

ホンダのF1パワーユニットを搭載する2019年からレッドブル・レーシングはエンジンをタグホイヤーにブランド化することはないことを明らかにいており、“アストンマーティン・レッドブル・ホンダ”として参戦することが明らかになっている。

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カテゴリー: ルノー