ヘルムート・マルコ、正式にレッドブルF1の取締役を退任 会社登記から抹消
ヘルムート・マルコは、レッドブル・レーシングの取締役職から正式に外れた。英国の会社登記(Companies House)に更新された書類により、マルコがレッドブル・レーシング、レッドブル・アドバンスト・テクノロジーズ、レッドブル・アドバンスト・サービス、そしてレッドブル・パワートレインズの各社で取締役を解任されたことが確認された。

マルコの後任として、長年レッドブルに在籍するアリステア・ルーが非業務執行取締役に任命された。

ルーは2007年からレッドブル・テクノロジー(持株会社)の取締役を務め、2021年にはレッドブル・パワートレインズ、2022年以降はレッドブル・アドバンスト・テクノロジーズおよびレッドブル・アドバンスト・サービスの取締役にも就任している。

最新の登記書類では、レッドブル・レーシングの取締役として、ルーに加え、今季途中にクリスチャン・ホーナーの解任を受けてチーム代表に就任したローラン・メキースの名も並ぶ。メキースは業務執行取締役として登録されている。

今回の変更は、レッドブルGmbHがマルコのシニア・アドバイザー職からの退任を発表したことを受けたものだ。マルコは2005年のレッドブルF1参戦以来、チームのF1活動における中心人物の一人として長年にわたり影響力を持ってきた。

その間、レッドブルは合計14回の世界選手権制覇を成し遂げている。2010年から2013年にかけてのセバスチャン・ベッテルによるドライバーズタイトル4連覇、そして2021年から2024年までマックス・フェルスタッペンが達成した同じく4連覇に加え、コンストラクターズタイトル6回を含む。

ヘルムート・マルコ レッドブル F1

マルコは退任に際し、次のような声明を発表している。

「私はモータースポーツに60年以上関わってきたが、レッドブルで過ごした20年以上は、並外れていて、非常に成功した旅路だった。

多くの才能ある人々と共に、物事を形作り、分かち合うことができたのは、本当に素晴らしい時間だった。

我々が共に築き上げ、成し遂げたすべてのことを、誇りに思っている」

さらにマルコは、2025年シーズンの結果が自身の決断に影響したことも明かしている。フェルスタッペンは2025年F1で5連覇に迫り、シーズン途中で104ポイント差を追う立場から、アブダビGPのチェッカー時点ではわずか2ポイント差まで巻き返した。

この結果について、マルコはこう語った。

「今季、世界選手権を惜しくも逃したことは、私の心を強く動かした。そして、個人的に、この非常に長く、濃密で成功した章を終えるのに、今が適切な時だと明確に感じさせた。

チーム全員の今後の成功を願っているし、来年も再び両タイトルを争うことになると確信している」

レッドブルは新体制のもとで、マルコ不在という大きな転換点を迎えることになったが、チーム内部ではすでに次の時代に向けた動きが本格化している。

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング