ヘルムート・マルコ アストンマーティンF1加入説は「馬鹿げた噂」
レッドブルがヘルムート・マルコ(82歳)のモータースポーツアドバイザー退任を正式発表した翌日、マルコ本人がオーストリア紙『Kleine Zeitung』の取材に応じ、自身の言葉で“20年の終止符”の理由を明かした。

チーム側は今回を「解任ではなくマルコの意思による退任」と説明。オリバー・ミンツラフは「ヘルムートから年末で役職を終えたいと申し出があった。彼の決断を深く残念に思う。これは特別な時代の終わりだ」とコメントしている。

■ 決断の引き金は「フェルスタッペンの逆転タイトル逸」
マルコは、最終戦アブダビでの僅差の敗北が決断を左右したと明かした。

「今季、私は最初に、そして後にはジャンピエロ・ランビアーゼとともに、チームの中で最後までタイトルを信じていた存在だった。大きな熱意とコミットメントをもって取り組んでいただけに、うまくいかなかったことは非常に大きな失望だった。この失望が、今が退くのに良いタイミングだと思わせたのだ」とマルコは語った。

■ 「良好な関係のまま離れる」
マルコは今回の別れが円満であることを強調する。

「レッドブルとは最良の関係のまま離れるし、今後もサーキットで時々姿を見ることになるだろう。チームは非常に良い体制が整っているし、混乱を残していくわけではない。全体がうまく機能しており、いくつかの分野では必ずさらに良くなるはずだ」

■ 後任人事は「レッドブルが決めること」
レッドブルはすでに「後任ポジションは置かない」と発表しているが、セバスチャン・ベッテルの名前が噂として取り沙汰され続けている。

「それはレッドブルが決断すべきことで、私がコメントする立場にはない。私は月曜日にドバイで退任を伝えただけだ。彼らは急ぐ必要はないし、最良の解決策を探すことになるだろう」

■ フェルスタッペンは「少し悲しんでいた」
ジュニア時代にマルコが発掘し、強力な関係を築いてきたマックス・フェルスタッペンは、今回の知らせに感情を揺らしたという。

「彼は少し悲しんでいたと言えるだろう。我々はこれまで共に過ごしてきた素晴らしい時間を思い返していた」

フェルスタッペンは後にInstagramで「僕たちは夢見たすべてを共に成し遂げた」と投稿している。

■ 「マックスの将来が不安定になることはない」
マルコはフェルスタッペンがチーム残留に揺らぎはないと強調する。

「いや、まったくない。マックスは成功したいだけでなく、調和のとれた環境で成功したいと願っている。それを失えば、彼は翌日にでも辞めるだろう。しかし彼はまだそんな年齢ではない」

一方で、マルコが独断で動いたとか、アストンマーティンに接触したなどの憶測は明確に否定した。

「そんなことはしていない。他チームに関わるつもりもない。それらはすべて馬鹿げた噂で、主に英国メディアが流しているだけだ」

■ “黄金の握手”と報じられた退職金
ドイツ『Bild』は、マルコが2026年までの契約を満額支払われると報道。退職金は1,000万ユーロ規模の“ゴールデンハンドシェイク”であり、ベッテルとフェルスタッペンを発掘した功績への評価だとしている。

■ ランビアーゼは2026年も継続へ
また噂されていたジャンピエロ・ランビアーゼ(GP)の将来については、関係者の見立てでは「2026年も引き続きレースエンジニアを務める見通し」とされている。

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / アストンマーティンF1チーム