ホーナーのレッドブルF1代表後任候補だったウィートリー アウディで存在感

その人物こそ、長年レッドブルを支えた名脇役、ジョナサン・ウィートリーだ。
2005年のF1参戦初期からチームに在籍し、チームマネージャー、そしてスポーティングディレクターとしてレッドブルの成長を支えてきたウィートリーは、今年初めにミルトンキーンズを離れ、ザウバーのチーム代表として新天地に活躍の場を移していた。2026年から始まるアウディとの本格的なF1挑戦に向け、その準備を進めている。
現在のレッドブルが揺れる中で、ウィートリーの評価はうなぎ上りだ。特にヨーロッパラウンドに入ってからのザウバーの目覚ましい復調が、それを物語っている。
スペインGPでニコ・ヒュルケンベルグがチームに今季初ポイントをもたらすと、その後のカナダGPでもポイントを重ね、そしてイギリスGPでは自身初、そしてチームにとって13年ぶりとなるF1表彰台を獲得。チームの勢いは確実に高まっている。
この結果についてウィートリーは次のように語った。
「モメンタムがチームにとってどれだけ重要か、よく話してきた。だから今日得た最大のものは、人々が私たちを信じ始めたということだ」
「言葉ではいくらでも言える。勢いがついてきた、タイヤにパフォーマンスを載せられるようになった、マッティア(ビノットCOO)のこれまでの努力が形になってきた…それは本当のことだ」
「でも、私たちにはまだ長い旅が残されている。今日は、その旅路の中で大きな一歩を踏み出せた日だ」

また、アウディとのF1参戦準備という複雑なプロジェクトについても触れた。
「計画はまっすぐな一本線のように見えるかもしれないけど、実際にはヘアピンや信号、工事区間がいくつもある」
「けれど今日は本当に素晴らしい一日だった。チームのみんなが本当によく頑張っている。まだ若くて結束力を高めている途中のチームだけど、今日は成熟したレースができたと思う」
皮肉なことに、表彰台を獲得したヒュルケンベルグも最近「レッドブル加入にかなり近づいていた」と明かしており、それに対してヘルムート・マルコは「彼はザウバー/アウディとの長期契約がある。それは私でも手放さない」とコメントしている。
そして今、その言葉はジョナサン・ウィートリーにもそのまま当てはまりそうだ。レッドブルを離れたその先で、彼は確かな成功と未来を手にしつつある。
カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / ザウバーF1チーム