レッドブル クリスチャン・ホーナーのF1チーム代表解任に本社CEOが声明
レッドブルは、約20年にわたりチームを率いてきたクリスチャン・ホーナーをF1チーム代表職から解任したと正式に発表した。

企業プロジェクトおよび投資部門を統括するレッドブルのCEO、オリバー・ミンツラフは、「クリスチャン・ホーナーを今日(2025年7月9日付)をもって職務から解任した」と明かし、後任にはローラン・メキースが任命されたことを発表した。

ミンツラフはホーナーについて「この20年間の並外れた貢献に心から感謝している」と述べ、「彼の不断の努力、経験、専門知識、そして革新的な思考によって、レッドブル・レーシングはF1でも最も成功し、魅力的なチームのひとつになった。チームの歴史の中で、あなたはこれからも永遠に重要な存在であり続ける」と称賛の言葉を贈った。

苦境の中での決断、フェルスタッペン残留への布石か
2025年シーズンのレッドブルは苦戦が続いており、コンストラクターズ選手権では4位に低迷。マックス・フェルスタッペンもドライバーズ選手権でオスカー・ピアストリに69ポイント差をつけられ、5連覇が危うい状況となっている。

ホーナーの去就は長らく憶測を呼んでいたが、こうした成績不振に加え、フェルスタッペンとメルセデスとの移籍話もくすぶる中、レッドブルはついに人事刷新に踏み切った格好だ。

後任に選ばれたローラン・メキースは、今季これまでレーシングブルズのチーム代表を務めており、角田裕毅を2024年から指導してきた経験を持つ。角田は今季途中でレッドブル本隊に昇格したが、移籍後はわずか7ポイント獲得にとどまり、直近5戦ではすべて12位以下と苦戦が続いている。メキースにとって、角田のパフォーマンス改善は短期的な最優先課題となる。

レッドブル・レーシング

メキース「チームの始まりに関われたのは特権」
メキースは声明で「この1年半、ピーター・バイエルとともにチームを率いることができたのは本当に光栄だった」と振り返り、「才能あるスタッフとともにレーシングブルズの立ち上げに貢献できたことは素晴らしい冒険だった」と語った。

さらに「チームのスピリットは素晴らしく、これは始まりにすぎないと信じている。アラン(パーメイン)はこの道を引き継ぐのに最適な人物で、彼はチームを熟知しており、初期の成功における重要な柱だった」と、レーシングブルズの新代表となるアラン・パーメインについても言及した。

フェルスタッペンの決断にも影響
レッドブルはこれまでに、エイドリアン・ニューウェイ(アストンマーティンへ移籍)、ジョナサン・ウィートリー(ザウバーへ移籍)など、技術や運営の中核を担っていた人物たちの離脱が相次いでいた。今回のホーナー解任は、その流れの中でも最大の変化となる。

チーム内外から注目されるのは、フェルスタッペンの去就への影響だ。2028年まで契約を結んでいるとはいえ、条件次第で今季終了後の移籍も可能とされている。果たして、メキース新体制はフェルスタッペンを引き留めることができるのか――その答えは、まもなく明らかになる。

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング