レッドブル・ホンダF1 分析:パワー不足とアレクサンダー・アルボンの穴 / F1エミリア・ロマーニャGP 決勝
レッドブル・ホンダF1にとってF1エミリア・ロマーニャGPは、メルセデスに対するホンダのF1パワーユニットのパワー不足とアレクサンダー・アルボンを戦略に利用できない弱みが強調される結果となった。

3番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペンは、スタートでルイス・ハミルトンを攻略し、2番手でトップを走行するバルテリ・ボッタスに喰らいついていった。

それでも、18周目にピットストップをした際にはバルテリ・ボッタスと2.5秒の差がついていた。しかも、その差はボッタスがマシンにダメージを負っていたことが後から判明する。

18周という早い段階でピットストップを仕掛けなればならなかったのは、アレクサンダー・アルボンを戦略に使えなかったことで、メルセデスの2台に挟まれたことで、どちらと勝負をするかを選ばなければならなかったことだ。6番グリッドからスタートしたアルボンはオープニングラップで7番手に順位を下げていた。

レッドブル・ホンダF1は、バルテリ・ボッタスとの優勝争いではなく、ルイス・ハミルトンとの2位争いに勝つことを選んだ。しかし、それは裏目に出ることになる。実際にはボッタスは本来のスピードで走れていなかった。

クリスチャン・ホーナーは、レッドブル・ホンダは“戦略的なサンドイッチ状態”に陥っていたと表現する。

「その時点で戦略的なサンドイッチ状態だったし、アンダーカットを仕掛ければ、彼らは後ろの方のマシンをより長く走らせることができる」とクリスチャン・ホンダーは語った。

「両方のオプションをカバーすることはできないので、どちらを倒したいかを選ぶ必要があった。実際には、バルテリもピットストップ後に新しいタイヤでペースを上げてくると感じたので、ルイスを倒すことを試してみることにした。だが、バルテリのペースは良くなかったし、彼は多くのミスを犯していた」

「それにより、ルイスはピットストップウィンドウ内に近づくことができたが、それを利用しなかった。その後、彼らはトラフィックにたどり着いたが、バーチャルセーフティカーが出てきて、彼はフリーストップを得た」

バルテリ・ボッタスはレースの早い段階でデブリにヒットした後、フロアにダメージを追っていた。そして、クリスチャン・ホーナーはレッドブル・ホンダは把握していたと語る。

「もちろん、我々は他チームの無線を聞いている。時々は皆さんも聞くようにね」とクリスチャン・ホーナーは語った。

「バルテリが管理していたダメージを認識していたし、もちろん、それはルイスにもペースのアドバンテージがあったことは明らかだった」

「そして、マックスが彼にプレッシャーをかけ、ミスを強いることがさらに重要になった」

イモラ・サーキットの抜きにくい特性もあったが、手負いのバルテリ・ボッタスを攻略できたマックス・フェルスタッペンは攻略するには17周を費やした。セクター2では速さを見せて差を縮められたマックス・フェルスタッペンだが、パワーセクターで引き離された。ここまでメルセデスとホンダのF1パワーユニットの差が出た。

メルセデスのパワーユニットはMGU-Hのパワーが長く持ったが、ホンダのF1エンジンはストレートで速くに切れてしまった。そのため、最も重要な局面でオーバーテイクすることができなかった。ホンダはチャージモードである『モード8』を使うように指示するも、それでもマックス・フェルスタッペンは『チャージが遅い』と不満を述べていた。

結果的にルイス・ハミルトンよりも1秒遅いペースで走行するバルテリ・ボッタスの攻略に時間がかかったことで、ルイス・ハミルトンとの差は13秒に広がっていた。そこからハミルトンに匹敵するペースを見せたフェルスタッペンだったが、すでにハミルトンはタイヤセーブモードに入っていた。

最終的にマックス・フェルスタッペンは、右フロントタイヤがバーストしてレースをリタイア。戦いに絡めなかったアレクサンダー・アルボンは、リスタート後にカルロス・サインツと接触して最下位でレースを終えた。

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / ホンダF1 / F1イタリアGP