レッドブル・ホンダF1分析:タイヤ選択判断でもメルセデスが一枚上手 / F1ポルトガルGP 予選
レッドブル・ホンダF1は、F1ポルトガルGPの予選でマックス・フェルスタッペンがポールポジションのルイス・ハミルトンに0.252秒差と最も近づいたが、タイヤ選択を含めた予選の組み立て方でメルセデスの方が一枚上手だった。

F1初開催となるアルガルベ・サーキットは、最近、路面を再舗装したことでセッション毎にコンディションは変化。加えて、風の強さと向きが変わるという難しい状況のなかで予選は行われた。

お昼の時間帯に行われたフリー走行3回目ではマックス・フェルスタッペンがトップタイムのバルテリ・ボッタスに0.158秒差に迫っていた。これはレッドブルが最近のレースで持ち込んだアップデートがうまく機能していることを示しており、初日に抱えていたバランスとデプロイメントの問題が解決していることを示唆していた。同じソフトタイヤでのタイムだが、タイミングは異なり、メルセデスは早々にベストタイムを記録していたのに対し、レッドブルは後半にタイムを出している。

予選Q1でもマックス・フェルスタッペンはルイス・ハミルトンに0.051秒差に迫る2番手タイムを記録。通過とタイヤセーブが優先されるQ1ではあるが、まずまずの滑り出しをみせた。

しかし、Q2ではサーキットのコンディションに若干の変化がみられていた。決定的な要因はわからないが、風の強さ、風向き、路面温度などにより、実際にはトラックは遅くなり始めていた。

メルセデスがスタートタイヤにミディアムを選んだ理由は決勝でのタイヤ戦略を見てみなければ明確にはならないが、Q2でメルセデスはミディアムでアタックを開始。

ルイス・ハミルトンは0.004秒のタイムアップだったが(1分16秒828→1分16秒824)、バルテリ・ボッタスは0.479秒タイムを縮めた(1分16秒945→1分16秒466)。一方、マックス・フェルスタッペンは同じソフトタイヤでQ1よりも0.159秒落としている(1分16秒879→1分17秒096)


早々に突破できるタイムを記録したメルセデスは2回目の走行でソフトタイヤで走る余裕があった。そこで比較ができたのは大きかったはずだ。

迎えたQ3。レッドブル・ホンダがミディアムをうまく使えたかは推測することしかできないが、結論から言えば、正解のタイヤはミディアムだった。

そして、メルセデスはミディアムでのアタックを選択する。レッドブル・ホンダは、マックス・フェルスタッペンはソフトだが、アレクサンダー・アルボンにミディアムを履かせた。

ここでアレクサンダー・アルボンというセカンドドライバーの弱さが出た。アルボンはQ2よりも0.463秒落としたのだ(1分17秒411→1分17秒874)。マックス・フェルスタッペンはとタイムアップを果たしている(1分17秒096→1分17秒038)。この1回目の両者のアタックがレッドブルの思考に影響を与えたはずだ。

「1回目をミディアムタイヤでアタックしたけど、もう一度アタックできていればもっとタイムは上がったと思っている」とアレクサンダー・アルボンは語る。1回目のアタックでそれなりのタイムを出していれば、マックス・フェルスタッペンとともにミディアムでアタックという可能性があったかもしれない。

そして、メルセデスはルイス・ハミルトンに2回目の走行で2アタックという選択肢を与えた。ここにもチーム力の差が出たと言える。

「チームと僕たちはよいコミュニケーションをしていて、最後に何をするかについて選択肢を与えてくれた」とルイス・ハミルトンは語った。

「僕は彼のタイムに勝つためのチャンスをつかむために3周走ることを選んだ。これがチャンスを与えてくれるかもしれないと考えたし、それが成功した。走るたびによくなり、最後のアタックもよかった」

最終的にルイス・ハミルトンは最後の最後にこの日のベストタイムである1分16秒652をマーク。マックス・フェルスタッペンはQ1で出した1分16秒879がベストだった。

今回のメルセデスのタイヤ選択は、ルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスが同じようなタイムを出せることから判断できたはずだ。逆にレッドブル・ホンダはセカンドドライバーが同じようにマシンを扱えていないという問題が露呈された予選と言える。

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / ホンダF1 / F1ポルトガルGP