レッドブルF1上層部 「メルセデスとレーシング・ポイントは共犯者」
レッドブルF1のモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、メルセデスは物議を醸してるレーシング・ポイントのブレーキダクト論争の“共犯者”だと感じており、FIA(国際自動車連盟)に回答を求めている。

今月初め、レーシング・ポイントは、メルセデスが設計したブレーキダクトを今季マシンRP20に搭載したとして、競技規則に違反したとは判断された。今シーズに向けて全チームはブレーキダクトを独自に設計が必要なリステッド・パーツに移行していた。

ルノーからの抗議の後、スチュワードはレーシングポイントのブレーキダクトとメルセデスの検査を行い、それらが実際にはメルセデスのIP(知的財産権)であると判断した。

レーシングポイントは、40万ユーロ(約5000万円)の罰金とコンストラクターズ選手権から15ポイントを剥奪されたが、それはF1シュタイアーマルクGPに適用され、それ以降のレースでは該当のブレーキダクトを走らせても懲戒処分のみにとどめられている。

ルノーとフェラーリはこの裁定を上訴しているが、他のライバルチームは撤退と足並みは揃っていない。また、レーシング・ポイントも何も違反はしていないとして裁定に上訴している。

レッドブルは、上訴からは距離を置いているが、ヘルムート・マルコは最低に納得しているわけではなく、レーシング・ポイントに情報を引き渡したメルセデスが罰せられない理由を知りたいと考えている。

「レギュレーションにあまり多くのグレーゾーンがないように、何が許可され、何が許可されないかを明確にされることを期待してる」とヘルムート・マルコは Speedweek.com に語った。

「レーシングポイントが行ったこと、メルセデスが行ったことにより、2人の犯人が存在する。FIAが次のレースまでに条件を定義してくれることを期待している」

「理解できないのは、チームにペナルティは科せられるが、走行させ続けることは許可され、各レースで警告されるだけであることだ」

「我々にとっては明らかだ。レーシング・ポイントで行われたようなコピーは許可されていない。競合他社に情報を引き渡すことも許可されていない。メルセデスにはそれを行ったという証拠がある」

「手続きの結果は、レッドブル・レーシングとアルファタウリの間の作業にとっても決定的なものとなる」

「いずれにしろ、フェラーリとルノーの2チームがアクティブだったので、我々は抗議には参加しなかった」

ヘルムート・マルコが回答を求めているのは、レーシング・ポイントの論争だけではない。昨年のフェラーリのF1エンジンの不正行為疑惑についても新型コロナウイルスによってストップしてしまっていると語る。

2019年の夏休み以降、フェラーリのF1パワーユニットは、FIAのセンサーをバイパスして燃料流量を増やし、その結果、パワーを増やしていたと疑われている。

その後、いくつかの技術指令が発行され、フェラーリのペースは大幅に低下。だが、フェラーリとFIAは秘密裏に合意に達したことを発表しており、レッドブルを含むライバルチームはその内容を知りたがっている。

「フェラーリの現在のラップタイムは、前年のラップタイムを大幅に下回っている。それがすべてを物語っている」とヘルムート・マルコは語った。

「しかし、それが本当であり、新型コロナウイルスが原因ですべてが眠ってしまった」

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / メルセデスF1 / レーシングポイント