マクラーレンF1代表 カスタマーチームの不利を認める「新規則で差が拡大」

メルセデス製パワーユニットを搭載するマクラーレンは、マイアミGPでダブル表彰台を獲得し、大型アップグレードの効果で上昇気流に乗ったかに見えた。
しかし、その後のカナダGPとモナコGPではトラブルが続発。ランド・ノリスはカナダでギアボックス故障、モナコではパワーユニット関連の問題によってリタイアを喫した。
2026年の新規則が浮き彫りにした課題
ステラは、これまでメルセデスHPP(ハイパフォーマンス・パワートレインズ)との関係に不満を抱いたことはなかったと強調した。
しかし、2026年の大幅なレギュレーション変更によって、ワークスチームとカスタマーチームの違いがこれまで以上に顕在化したという。
「これまでカスタマーチームであることが我々に不利に働いたと感じたことは一度もなかった」
そう語ったステラは、誤解を避けるためにメルセデスHPPへの批判ではないと前置きした。
「それは我々がメルセデスHPPにとって優先順位が低いからではない」
「信頼性問題への対応や、パワーユニット性能を最大限引き出すための取り組みにおいて、同じタイムラインで作業する機会が少ないからだ」
「施設を共有しながら共同作業を行ったり、シャシー側の実験とパワーユニットの長時間運転試験を組み合わせたりといったことも、ワークスチームの方が有利になる」
「パワーユニット関連の信頼性や、ワークスチームであることによるメリットは数多く存在する」
「こうした問題が特に表面化したのは、2026年のような大規模な技術規則変更があったシーズンだからだと思う」
メルセデスとの関係強化が最優先課題
ステラによれば、マクラーレンは現在メルセデスHPPとともに問題解決へ向けた包括的な見直しを進めている。
単に発生したトラブルを個別に修正するだけではなく、情報共有や開発体制そのものを改善する必要があるという。
「良好な関係があるからこそ、ひとつひとつの問題を検証し、学び、技術的に解決することができる」
「しかし、次に何が起きるか分からない状況では、個別対応だけでは十分ではない」
「会議の内容や頻度、情報共有の質、工場と工場、サーキットと工場の連携など、あらゆるプロセスを見直す必要がある」
「2026年は新しい要素があまりにも多い。我々はこれまで以上のレベルで協力しなければならない」
ステラによれば、この議論はすでに数か月前から始まっているが、F1では改善策が結果として現れるまでに時間がかかるため、即効性のある解決策ではないという。
メルセデスへの責任転嫁は否定
一方でステラは、今回の問題をメルセデス側の責任とする見方を明確に否定した。
実際、カナダGPでノリスを襲ったギアボックス故障は完全にマクラーレン側の問題だったと説明している。
「ランドのカナダでのギアボックス問題のように、完全にマクラーレン側の問題もある」
「だからこそ、我々のパワーユニットサプライヤーに対しては完全に公平でありたい」
「我々は非常に成功した関係を築いてきたし、その関係はいまも素晴らしいものだ」
マクラーレンが直面する“レッドブル型”の課題
今回のステラの発言で注目されるのは、単なる信頼性問題ではなく、2026年のF1がワークス体制の重要性を改めて浮き彫りにしている点だ。
レッドブルはレッドブル・パワートレインズを設立し、自社開発体制への移行を進めている。マクラーレンCEOのザク・ブラウンも、将来的には独自パワーユニット開発に興味があることを認めている。
ただし現時点では、マクラーレンにとって最も現実的な解決策はメルセデスHPPとの連携をさらに強化することだろう。
カナダGPとモナコGPで露呈した信頼性の課題は、単なる不運ではなく、新世代F1におけるワークスチームとカスタマーチームの構造的な差を映し出している可能性がある。バルセロナで迎える次戦バルセロナ・カタルーニャGPは、マクラーレンがその課題にどこまで対応できたのかを測る重要な週末となりそうだ。
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