メルセデスF1に新たな懸念 カナダGPのバッテリー故障はいまだ原因不明
モナコGPでキミ・アントネッリが5連勝を達成し、2026年F1選手権をリードするメルセデス。しかし、その圧倒的な強さの裏では、カナダGPでジョージ・ラッセルをリタイアに追い込んだバッテリー故障の原因が依然として判明していない。

故障したバッテリーは損傷が激しく、航空機でヨーロッパへ輸送できないほどの状態だったという。選手権首位を快走するメルセデスだが、パワーユニットに潜む未知のリスクは依然として解消されていない。

原因究明すら始められない異例の状況
カナダGPで首位を走行していたラッセルを襲ったのは、突発的なバッテリー故障だった。

オーストリア紙『Osterreich』によると、故障したバッテリーは深刻な損傷を受けており、安全上の理由から航空輸送が認められなかった。そのため現在は船便でヨーロッパへ輸送されているという。

同紙は「カナダで使用していたバッテリーは完全に失われた状態だった。航空輸送は危険すぎた」と報じている。

その結果、メルセデスのエンジニアは現物を確認することすらできていない。

「担当エンジニアは原因究明を始める前に、まず到着を待たなければならない」と同紙は伝えた。

故障したユニットはすでに交換されたものの、根本的な原因は依然として不明なままだ。

ノリスのトラブルで広がった懸念
こうした不安をさらに強めたのが、モナコGP週末に発生したランド・ノリスのマシントラブルだった。

メルセデス製パワーユニットを搭載するマクラーレンのノリスは、金曜プラクティス中にマシンを停止。イタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』は、これもバッテリー関連の問題だったと報じた。

ただし、マクラーレンのチーフデザイナーであるロブ・マーシャルは原因を断定していない。

「何である可能性もあるが、電気系統の問題だ」

このインシデントでは回収作業にも問題が発生した。マーシャルをニュートラル状態にできなかったことで、チームには3万ユーロの罰金が科された。

スチュワードによると、マクラーレンは空力的な理由からCDS作動ボタンの上に透明テープを貼っていたことを認めたという。

モナコでは結果的にメルセデスが圧倒
モナコGP週末の序盤には、フェラーリやレッドブル・レーシングが有力候補として注目されていた。

ジョージ・ラッセルも当時、フェラーリの速さについて驚きはなかったと語っている。

「多くの人は僕たちが駆け引きをしているだけだと思っていたが、もちろんそうではなかった」

一方で、レッドブル・レーシングの競争力については予想外だったと認めた。

「レッドブルは僕たちにとって驚きだった」

「このコースが厳しい戦いになることは分かっていたが、予想以上だったかもしれない」

しかし結果的には、アントネッリがポールポジションから優勝を飾り、メルセデスはモナコでも最速パッケージであることを証明した。ライバル勢が接近する場面はあったものの、選手権の主導権は依然としてメルセデスが握っている。

チームオーダー導入は依然として否定
モナコGP前の段階で、トト・ヴォルフはアントネッリとラッセルのタイトル争いに対してチームオーダーを導入する考えはないと強調していた。

「可能な限り長くチームオーダーは使わない。できれば最後まで使わない」

「我々はそれが必要だとは考えていないし、ドライバーたちには自由にレースをさせている」

ヴォルフはカナダGPで両ドライバーの争いが限界に近づいたことも認めている。

「カナダではほぼ一線を越えかけていたが、話し合いで解決した」

「キミとジョージはメルセデスに対して何を果たすべきか理解している」

「もちろんドライバーはコンストラクターズ王座よりドライバーズ王座を望むものだ。しかし、チームが最優先だ」

その後、アントネッリはモナコGPでも勝利を挙げて選手権リードをさらに拡大しており、タイトル争いの構図は当時から変化しつつある。

最大の敵はライバルではなく信頼性か
メルセデスは2026年シーズン序盤を支配している。アントネッリは5連勝を達成し、コンストラクターズ選手権でもチームは優位な立場にある。

しかし、カナダGPで発生したバッテリー故障は依然として原因不明のままだ。しかも故障した実物はまだヨーロッパへ輸送中で、本格的な調査は始まっていない。

パフォーマンス面ではライバルを上回っているメルセデスだが、選手権争いが長期戦となるなかで最大の懸念材料となるのは、ライバルチームではなくパワーユニットの信頼性なのかもしれない。

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カテゴリー: F1 / メルセデスF1