レッドブル・ホンダF1:最大限の3番手。対メルセデスのロングランは本物?
マックス・フェルスタッペンのF1スペインGPでの予選3番手はレッドブル・ホンダF1にとって最大限の結果だ。
アップデートによってRB16のバランス問題は確実に解消されてきているようだ。だが、予選ペースという意味では分析できることはない。ただし、Q3でメルセデスに対するタイム差が0.708秒差に“縮まった”ことが決勝での展開に大きく影響するかもしれない。
マックス・フェルスタッペンは、F1スペインGPの全セッションでメルセデスの2台に次ぐ3番手だった。FP1では0.939秒差、FP2では0.821秒差、FP3では0.515秒差、そして、予選では0.708秒差だ。
このFP3と0.518差と予選での0.708秒差に無理やり注目したい。通常、メルセデスは“予選モード”をフルに使用するQ2では0.5~1秒のタイムアップを果たす。しかし、今回のF1スペインGPではハミルトンが0.582秒、ボッタスが0.489秒とそれほど顕著なタイムアップを果たしていない。そして、FP3での0.518秒というタイム差だ。
それが意味するものは…レッドブル・ホンダF1が前戦F1 70周年記念GPでやったように、メルセデスがレースペースに焦点を置いてマシンをセッティングしていると仮定してみたい。
初日のタイム差が示すようにメルセデスが一発の速さで優勢なことは明らかだった。そのため、多少予選ペースを犠牲にしてでも、決勝を見据えてくると考えるのが妥当だろう。
メルセデスは、前戦F1 70周年記念GPでマシンセッティングを誤った。それによって2台はリアタイヤのブリスターに苦しみ、5~6周を境にペースダウンしていた。
FP2でのロングランでは、ミディタイヤで走行を行ったマックス・フェルスタッペンは、ルイス・ハミルトンを約0.4秒ほど上回っていた。
マックス・フェルスタッペンも「昨日のロングランではマシンのバランスもタイヤの感触もよかったので、同じような気温が予想される明日も同様のいい走りをしたい。メルセデスの2台にプレッシャーをかけ、いいファイトをしたい。いい走りをする自信がある。メルセデスに勝つのは簡単ではないが、諦めずに戦う」と語っている。
しかし、このタイム差について、フェルスタッペンのレースエンジニアであるジャンピエロ・ランビアーゼは1分23秒台を維持して“確実にコントロールしていた”と見ている。
現に初日のフリー走行後、メルセデスF1のテクニカルディレクターを務めるジェームス・アリソンは「シルバーストンでマシンのリアのブリスターがなぜあれほど酷かったのかを理解するためにファクトリーで時間を費やした。今週のセットアップはそれが考慮されており、状況は改善している。今日のプログラムは、その分析が実を結んだかどうかを証明することに基づいて構築された。3種類のタイヤすべてに関して、ショートおよびロングランの両方で、この非常に高温で要求の厳しい空力トラックで、タイヤをより制御できるようになっている」と語っている。
その確認作業は土曜日の午前中のFP3でも確実に行われていた。一発の確認作業は早々に切り上げ、ロングランに徹していた。
メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ヴォルフは、今回のF1スペインGPでマックス・フェルスタッペンは“優勝候補の一角”だと警戒するコメントをしている。しかし、その“謙遜”はメルセデスのお家芸。そのような発言の後、蓋を開けてみると圧勝というのがパターンだ。
「シルバーストンと今週のバルセロナの唯一の類似点は気温と路面温度だ。トラック自体は非常に異なる。したがって、シルバーストンのようなブリスターの問題が発生するとは予想していないが、デグラデーションとオーバーヒートは高くなる」とトト・ヴォルフは語る。
「レッドブルはこれらの状況を非常にうまくマスターしていると思う。それでも、昨日から今日までに行った仕事は良かったと思う。我々は改善していると思うし、それが最も重要だ。彼に挑戦できることを願っている。だが、昨日のロングランに基づけばマックスを優勝候補とみなす必要があるのは確かだ」
マックス・フェルスタッペンが勝機をつかむには、なんとしてでもメルセデス勢に食らいついてく必要がある。だが、カタルニア・サーキットはオーバーテイクが難しいサーキットだ。そのため、多くの時間を先行マシンの後ろで過ごすことになるだろう。その場合、タイヤは先行マシンよりも速くに痛むことになる。
マックス・フェルスタッペンも「ここはオーバーテイクがとても難しい。現代のマシンでは特にね。3秒以内につけると多くのグリップが失われてしまう。1.5秒以内に入ろうとするとさらに難しくなるので、戦略でなんとかしなければならない」と語る。
戦略面で言えば、第1スティントでどちらが先に“動く”かも重要となってくる。第2戦シュタイアーマルクGPでは、マックス・フェルスタッペンは強制的にピットストップをしむけられた。今回のパターンで言えば、ルイス・ハミルトンが逃げ、バルテリ・ボッタスがフェルスタッペンを抑えてアンダーカットを仕向けてくるという展開も予想される。今回もチームメイトのアレクサンダー・アルボンは6番グリッドと後方におり、このチーム間の駆け引きに絡んでことれないのが痛いところだ。
そして、さらにマックス・フェルスタッペンの後ろにはセルジオ・ペレスとランス・ストロールという“ピンクメルセデス”勢が続いている。レーシング・ポイントも決してロングランは遅くなく、防戦を強いられたり、万が一にも抜かれることがあれば、状況は厳しくなる。また、F1 70周年記念GPでのシャルル・ルクレールのように後続を塞いでくれるドライバーがいないため、ピットストップのための十分なスペースを開くことができない可能性もある。
結論から言うと、メルセデスが言うほどマックス・フェルスタッペンにチャンスはないかもしれない。しかし、何が起こるかわからないのがレース。とにかく優勝を狙えるポジションに食らいついていくことが重要となるだろう。
カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / ホンダF1 / F1スペインGP
アップデートによってRB16のバランス問題は確実に解消されてきているようだ。だが、予選ペースという意味では分析できることはない。ただし、Q3でメルセデスに対するタイム差が0.708秒差に“縮まった”ことが決勝での展開に大きく影響するかもしれない。
マックス・フェルスタッペンは、F1スペインGPの全セッションでメルセデスの2台に次ぐ3番手だった。FP1では0.939秒差、FP2では0.821秒差、FP3では0.515秒差、そして、予選では0.708秒差だ。
このFP3と0.518差と予選での0.708秒差に無理やり注目したい。通常、メルセデスは“予選モード”をフルに使用するQ2では0.5~1秒のタイムアップを果たす。しかし、今回のF1スペインGPではハミルトンが0.582秒、ボッタスが0.489秒とそれほど顕著なタイムアップを果たしていない。そして、FP3での0.518秒というタイム差だ。
それが意味するものは…レッドブル・ホンダF1が前戦F1 70周年記念GPでやったように、メルセデスがレースペースに焦点を置いてマシンをセッティングしていると仮定してみたい。
初日のタイム差が示すようにメルセデスが一発の速さで優勢なことは明らかだった。そのため、多少予選ペースを犠牲にしてでも、決勝を見据えてくると考えるのが妥当だろう。
メルセデスは、前戦F1 70周年記念GPでマシンセッティングを誤った。それによって2台はリアタイヤのブリスターに苦しみ、5~6周を境にペースダウンしていた。
FP2でのロングランでは、ミディタイヤで走行を行ったマックス・フェルスタッペンは、ルイス・ハミルトンを約0.4秒ほど上回っていた。
マックス・フェルスタッペンも「昨日のロングランではマシンのバランスもタイヤの感触もよかったので、同じような気温が予想される明日も同様のいい走りをしたい。メルセデスの2台にプレッシャーをかけ、いいファイトをしたい。いい走りをする自信がある。メルセデスに勝つのは簡単ではないが、諦めずに戦う」と語っている。
しかし、このタイム差について、フェルスタッペンのレースエンジニアであるジャンピエロ・ランビアーゼは1分23秒台を維持して“確実にコントロールしていた”と見ている。
現に初日のフリー走行後、メルセデスF1のテクニカルディレクターを務めるジェームス・アリソンは「シルバーストンでマシンのリアのブリスターがなぜあれほど酷かったのかを理解するためにファクトリーで時間を費やした。今週のセットアップはそれが考慮されており、状況は改善している。今日のプログラムは、その分析が実を結んだかどうかを証明することに基づいて構築された。3種類のタイヤすべてに関して、ショートおよびロングランの両方で、この非常に高温で要求の厳しい空力トラックで、タイヤをより制御できるようになっている」と語っている。
その確認作業は土曜日の午前中のFP3でも確実に行われていた。一発の確認作業は早々に切り上げ、ロングランに徹していた。
メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ヴォルフは、今回のF1スペインGPでマックス・フェルスタッペンは“優勝候補の一角”だと警戒するコメントをしている。しかし、その“謙遜”はメルセデスのお家芸。そのような発言の後、蓋を開けてみると圧勝というのがパターンだ。
「シルバーストンと今週のバルセロナの唯一の類似点は気温と路面温度だ。トラック自体は非常に異なる。したがって、シルバーストンのようなブリスターの問題が発生するとは予想していないが、デグラデーションとオーバーヒートは高くなる」とトト・ヴォルフは語る。
「レッドブルはこれらの状況を非常にうまくマスターしていると思う。それでも、昨日から今日までに行った仕事は良かったと思う。我々は改善していると思うし、それが最も重要だ。彼に挑戦できることを願っている。だが、昨日のロングランに基づけばマックスを優勝候補とみなす必要があるのは確かだ」
マックス・フェルスタッペンが勝機をつかむには、なんとしてでもメルセデス勢に食らいついてく必要がある。だが、カタルニア・サーキットはオーバーテイクが難しいサーキットだ。そのため、多くの時間を先行マシンの後ろで過ごすことになるだろう。その場合、タイヤは先行マシンよりも速くに痛むことになる。
マックス・フェルスタッペンも「ここはオーバーテイクがとても難しい。現代のマシンでは特にね。3秒以内につけると多くのグリップが失われてしまう。1.5秒以内に入ろうとするとさらに難しくなるので、戦略でなんとかしなければならない」と語る。
戦略面で言えば、第1スティントでどちらが先に“動く”かも重要となってくる。第2戦シュタイアーマルクGPでは、マックス・フェルスタッペンは強制的にピットストップをしむけられた。今回のパターンで言えば、ルイス・ハミルトンが逃げ、バルテリ・ボッタスがフェルスタッペンを抑えてアンダーカットを仕向けてくるという展開も予想される。今回もチームメイトのアレクサンダー・アルボンは6番グリッドと後方におり、このチーム間の駆け引きに絡んでことれないのが痛いところだ。
そして、さらにマックス・フェルスタッペンの後ろにはセルジオ・ペレスとランス・ストロールという“ピンクメルセデス”勢が続いている。レーシング・ポイントも決してロングランは遅くなく、防戦を強いられたり、万が一にも抜かれることがあれば、状況は厳しくなる。また、F1 70周年記念GPでのシャルル・ルクレールのように後続を塞いでくれるドライバーがいないため、ピットストップのための十分なスペースを開くことができない可能性もある。
結論から言うと、メルセデスが言うほどマックス・フェルスタッペンにチャンスはないかもしれない。しかし、何が起こるかわからないのがレース。とにかく優勝を狙えるポジションに食らいついていくことが重要となるだろう。
カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / ホンダF1 / F1スペインGP