レッドブル・ホンダF1、RB16の不安定さは新サスペンションが原因?
レッドブル・ホンダF1のマックス・フェルスタッペンとアレクサンダー・アルボンは、先週末のF1オーストリアGPでコース上に留まることに苦戦を強いられた。特に金曜日のフリー走行では、低速コーナーでバランス問題が発生。それはバルセロナでのプレシーズンテストでも指摘されていた問題だが、F1ジャーナリストのマーク・ヒューズは、RB16の“ハイレーキ”コンセプトと革新的なフロントサスペンションの組み合わせに問題がある可能性があると指摘する。
F1オーストリアGPでは、2つのバージョンのマシンが使用され、マックス・フェルスタッペンがアップデート版、アレックス・アルボンが標準版に乗った。だが、2台ともマシンバランスに苦戦を強いられていた。
レッドブル・リンクの難題のひとつは、要求の多いコーナーの組み合わせ。低速/高ステアリングロックのコーナーと、ミドルセクターの高速/低ステアリングロックがほぼ同じ数ある。両タイプのコーナーで良好なバランスを達成するには、例えば、低速・高速の両方で操縦特性を一定にするといったマシンの空力マッピングを必要となる
金曜日のフリー走行で、レッドブル・ホンダ RB16は、低速コーナーでオーバーステアリング問題に苦しみ、両ドライバーともスピンを喫した。土曜日にむけてセットアップを変更し、マシンバランスは改善されたように見えたが、現在の開発状況におけるマシンの基本的限界が低速コーナーでの挙動に表れているようだった。
F1マシンは、高速コーナーでマシンを安定化させるためにフロントとリアの空力バランスが必要となり、低速コーナーではアンダーステア特性が出やすい。
レッドブル・ホンダF1は、高速コーナーでは好調だったが、低速コーナーではオーバーステアのように見えた。レッドブルのような“ハイレーキ”コンセプトのマシンは、低速コーナーではボディ下の気流がリアに付着したままになるので車高が高くなってしまう。
低速では、空力負荷がリアを押し下げて空気が押し出され、突然ディフューザーと地面との隙間が大きくなりすぎて、強力な空気圧を維持できずにリアの車高が高くなる。リアの車高が高くなった場合、フロントの車高が低くなるよりも車高自体が高くなる。
高速ではリアはフロントよりも下に押し下げられ、傾斜角が小さくなるので、リアエンドのグリップが高って安定性が高まる。一方、低速でリアグリップの低下が大きいことも、通常は改善につながってそこそこのバランスになる。
これまでレッドブルF1は、グリップ不足を非常に段階的に吸収してきた。しかし、今季マシン『RB16』は突然グリップを失っているように思える。マーク・ヒューズは、それがユニークな形状のフロントサスペンションによって引き起こされている可能性があると語る。
F1マシンのフロントサスペンションは、フルステアリングアングルでわずかにマシンを押し下げるように設計されている。これにより、低速コーナーでフロントにより多くの下向きの圧力を精選できる。
だが、レッドブル・ホンダ RB16が採用したユニークなフロントサスペンションは、それが効果的すぎるため、フロントのグリップが突然大きくなり、リアのグリップが小さくなっているとマーク・ヒューズは分析した。
開幕戦でマックス・フェルスタッペンが使用した開発ノーズは、翼状支柱がアルボンが使用したオリジナル仕様のようにノーズ側面ではなく、ノーズ下に取りつけられるような形になっていた。支柱自体は新ノーズと一直線に並んでいるが、オリジナル仕様では内側を向いているので、気流をアンダーボディに導く経路が調整されている。
両者を比較しても結論は出ず、両マシンとも基本的な低速コーナーでのバランスが悪かった。クリスチャン・ホーナーは「直接的なパフォーマンスよりも仕様の違いの方が特徴がある。だから、両ドライバーとも来週末は同じ仕様になる。現時点では、アレックスの仕様とマックスの仕様のどちらを使うかわからない。それに関するデータを集中的に調べる必要がある」と述べた。
チームのために、そしてより競争の激しいレースのために、シーズン開幕が遅れたために、トラック上ではなくシミュレーションによってアップグレードの効果を判断したために起きた単なる初期問題であることが願うしかない。
カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / ホンダF1 / F1マシン
F1オーストリアGPでは、2つのバージョンのマシンが使用され、マックス・フェルスタッペンがアップデート版、アレックス・アルボンが標準版に乗った。だが、2台ともマシンバランスに苦戦を強いられていた。
レッドブル・リンクの難題のひとつは、要求の多いコーナーの組み合わせ。低速/高ステアリングロックのコーナーと、ミドルセクターの高速/低ステアリングロックがほぼ同じ数ある。両タイプのコーナーで良好なバランスを達成するには、例えば、低速・高速の両方で操縦特性を一定にするといったマシンの空力マッピングを必要となる
金曜日のフリー走行で、レッドブル・ホンダ RB16は、低速コーナーでオーバーステアリング問題に苦しみ、両ドライバーともスピンを喫した。土曜日にむけてセットアップを変更し、マシンバランスは改善されたように見えたが、現在の開発状況におけるマシンの基本的限界が低速コーナーでの挙動に表れているようだった。
F1マシンは、高速コーナーでマシンを安定化させるためにフロントとリアの空力バランスが必要となり、低速コーナーではアンダーステア特性が出やすい。
レッドブル・ホンダF1は、高速コーナーでは好調だったが、低速コーナーではオーバーステアのように見えた。レッドブルのような“ハイレーキ”コンセプトのマシンは、低速コーナーではボディ下の気流がリアに付着したままになるので車高が高くなってしまう。
低速では、空力負荷がリアを押し下げて空気が押し出され、突然ディフューザーと地面との隙間が大きくなりすぎて、強力な空気圧を維持できずにリアの車高が高くなる。リアの車高が高くなった場合、フロントの車高が低くなるよりも車高自体が高くなる。
高速ではリアはフロントよりも下に押し下げられ、傾斜角が小さくなるので、リアエンドのグリップが高って安定性が高まる。一方、低速でリアグリップの低下が大きいことも、通常は改善につながってそこそこのバランスになる。
これまでレッドブルF1は、グリップ不足を非常に段階的に吸収してきた。しかし、今季マシン『RB16』は突然グリップを失っているように思える。マーク・ヒューズは、それがユニークな形状のフロントサスペンションによって引き起こされている可能性があると語る。
F1マシンのフロントサスペンションは、フルステアリングアングルでわずかにマシンを押し下げるように設計されている。これにより、低速コーナーでフロントにより多くの下向きの圧力を精選できる。
だが、レッドブル・ホンダ RB16が採用したユニークなフロントサスペンションは、それが効果的すぎるため、フロントのグリップが突然大きくなり、リアのグリップが小さくなっているとマーク・ヒューズは分析した。
開幕戦でマックス・フェルスタッペンが使用した開発ノーズは、翼状支柱がアルボンが使用したオリジナル仕様のようにノーズ側面ではなく、ノーズ下に取りつけられるような形になっていた。支柱自体は新ノーズと一直線に並んでいるが、オリジナル仕様では内側を向いているので、気流をアンダーボディに導く経路が調整されている。
両者を比較しても結論は出ず、両マシンとも基本的な低速コーナーでのバランスが悪かった。クリスチャン・ホーナーは「直接的なパフォーマンスよりも仕様の違いの方が特徴がある。だから、両ドライバーとも来週末は同じ仕様になる。現時点では、アレックスの仕様とマックスの仕様のどちらを使うかわからない。それに関するデータを集中的に調べる必要がある」と述べた。
チームのために、そしてより競争の激しいレースのために、シーズン開幕が遅れたために、トラック上ではなくシミュレーションによってアップグレードの効果を判断したために起きた単なる初期問題であることが願うしかない。
カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / ホンダF1 / F1マシン