ロス・ブラウン 「F1では他のマシンをコピーすることはスタンダード」
レーシング・ポイントF1は、メルセデスが2019年にタイトルを獲得したW10の写真を詳細に分析し、今季マシン『RP20』のデザインに適用したことを認めている。
このレーシング・ポイントF1のデザインアプローチはライバルの議論を生み出した。特にルノーF1はシュイアーマルクGP後に正式に抗議を提出。RP20の前後のブレーキダクトがメルセデスW10の特徴とほぼ同じだとしてレギュレーション違反を指摘している。
論点はブレーキダクトが“リステッドパーツ”、つまり独自に設計が必要な空力コンポーネントに指定されていることだ。レーシング・ポイントF1がブレーキダクトを独自に設計したのか、もしくはメルセデスが収受した設計図に基づいているのかを判断することになる。
だが、そこにはひとつの問題がある。ブレーキダクトは、2019年には“リステッドパーツ”には該当しないパーツだった。したがって、レーシング・ポイントF1は2019年にはメルセデスからブレーキダクトを購入することを許可されていた。そのため、今季マシンの設計は正当な青写真に基づいている可能性がある。
元フェラーリのテクニカルディレクターであるロス・ブラウンは、F1では常にお互いをコピーしていると主張。自分もデザイバーとして活動していた際にはそうしていたと語る。
「私の見解はF1ではコピーすることはスタンダードだ」とロス・ブラウンは Formula1.con で語った。
「通常、すべてのチームがピットレーンにデジタルカメラマンを配置し、あらゆるマシンの何千枚もの写真を分析のために撮り、最高のアイデアをコピーすることを視野に入れている」
「我々はカメラマンに買い物リストに渡していたものだ」
「レーシングポイントは、それを次の段階に進め、より徹底的な作業を行った。このパドックには、別のチームから何かをコピーしていないチームなどいない」
「パドックのすべてのテクニカルディレクターに、他の誰かをコピーしていない場合は手を挙げるよう言えば、手は挙がらないだろう。私が他のコピーしていたのは確かだ」
「昨年、レーシング・ポイントは2019年仕様のメルセデスのブレーキダクトにアクセスでき、使用することができた。リステッドパーツではなかったためだ。今年、ブレーキダクトはリステッドパーツなので、独自に設計する必要がある」
「しかし、レーシングポイントは、2019年のメルセデスブレーキダクトを使用して得た知識を忘れることはできない」
「彼らがメモリバンクを一掃できると考えるのは不合理だと思う。それはトリッキーな問題であり、FIAの専門家が解決する1つの問題だ」
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