ポルシェ 919ハイブリッド、WEC公式テストで3556 kmを走破
ポルシェは、ポール・リカール・サーキットにおいて2日間にわたって開催されたFIA世界耐久選手権(WEC)の公式テストで、LMP1カテゴリーに参戦する新開発の919ハイブリッドの集中的なテストを行った。
ポルシェ チームが他のWEC参戦チームとテストを行うのは今回が初めてのことで、異なるクラスの速度差を体感できる最初の機会でもあった。
1周5.791 kmのポール・リカール・サーキットでは、LMP1車両が記録した全クラスを通した最速ラップ(1分41秒289、ポルシェ919ハイブリッド、ブレンドン・ハートレー)と、最も遅いGTカーのタイム差は約20秒だった。また、これに先立ち数日前にも同サーキットで2台の91ハイブリッドを使用したプライベートテストも行った。
金曜日と土曜日の2日間、ロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マルク・リーブ組(カーナンバー14)とティモ・ベルンハルト/ブレンドン・ハートレー/マーク・ウェバー組(カーナンバー20)は、合計614周(3,556 km)を走破。彼らは、数え切れないほどのドライバー交代の練習をしたほか、エンジニア達と車両のセッティングをさらに煮詰めた。
チーム監督であるアンドレア・ザイドルは「WEC主催者であるFIAによる素晴らしい運営のもと、この公式テストでは予定していたプログラムを完了することができました。プライベートテストでは6時間分のレース距離を2本カバーするのと同等の耐久テストを行うことが出来ましたが、今日は予選を想定したテストも実施しました。チームワーク、パフォーマンスや信頼性など、あらゆる面で順調な仕上がりを見せました。ただし、ライバル達は多くのノウハウがあるので、一夜にして彼らのアドバンテージに追い付くことができないことはわかっています。4月20日のシルバーストンで開催されるシーズン開幕戦まで、やるべき仕事がまだ多く残されています」と述べた。
サーキットの外では、もうひとつの重要な発表があった。ポルシェ919ハイブリッドは、6メガジュールクラスのホモロゲーションを取得。これは、1周当たりブーストに使用できる回生した電力を定義するもの。また各メガジュールクラスにより、1周回当たりに使用できる燃料の量も規定される。
LMP1テクニカル・ディレクターであるアレクサンダー・ヒッチンガーは「最適なメガジュールクラスを決定するには、複雑な計算が必要です。簡単に言えば、車両全体のコンセプトで許容される範囲内で可能な限り大きく強力なエネルギー回生システムを設計しました。これにより6メガジュールクラスに適合する回生エネルギーを発生させることができます」と述べた。
ポルシェAG取締役会長のマティアス・ミューラーおよび研究開発担当取締役のヴォルフガング・ハッツは、サーキットにおいてLMP1プロジェクトの責任者を務めるフリッツ・エンツィンガーからプロジェクトの進捗に関する情報を直接収集した。
各ドライバーのコメント
ロマン・デュマ(カーナンバー14)
「私達は大きな進歩を遂げました。公式テストでは事前に抱いていた期待をさらに超える結果を出せたと思っています。しかし、周囲からの期待は絶大なものです。ここでの歓迎ぶりには感動しました。しかし、次の目標への集中力を切らさないようにしています。それは、シルバーストン6時間レースを完走することです」
ニール・ジャニ(カーナンバー14)
「私達の開発速度は、ここポール・リカールに吹くミストラルの風と同じほど速いものでした。全体的に、良好な結果が得られました。問題は解決できましたし、新たな問題も見付かりましたが、現在その解決に取り組んでいます。ロマンとマルクとの息もぴったりです。セッティングに関しては、これまでと同じ方向で調整を続けます」
マルク・リーブ(カーナンバー14)
「あらゆる点で、チームにとってよいテストとなりました。そして、車両間の速度差を実際に体験できたのも非常に重要なポイントです。シルバーストンでは、これはさらに厳しさを増すでしょう。ポール・リカールは非常に長いサーキットであり、全車が同時に走行していた訳ではありませんから」
ティモ・ベルンハルト(カーナンバー20)
「もちろん昨年6月のシェイクダウンと現在との比較というだけでなく、さらに重要なのはチームスピリットとチームが一丸となって働くという点でも、今回のテストは最も重要なものとなりました。特に、3モデルすべてが揃ったLMP1カーがほぼ同レベルで仕上がってきていることが証明された今回のテスト結果は、ファンにとっても非常によい知らせとなるはずです」
ブレンドン・ハートレー(カーナンバー20)
「初めてポルシェのワークスドライバーとしての参加したことと、ル・マン・プロトタイプのトップクラスで走れたことは、感動的な体験でした。テストプログラムではもちろんトップタイムを出すはことが一番大切なことではなかったのですが、私にとっては嬉しいことでした」。
マーク・ウェバー(カーナンバー20)
「このテストは大きな節目となりました。初めて2台の919ハイブリッドを投入したため、作業を担当するクルーは膨大な量の仕事をこなす必要がありました。その甲斐あってテストはスムースに運び、クルーにとって長い週末の努力が報われました。走行するたびに順調な仕上がりになっていますが、これはとても励みになりました。ポール・リカールのコースレイアウトは、このクルマに非常によく合っているようです。シルバーストンでどれくらいのパフォーマンスを発揮できるか、今から愉しみにしています」
同じくポール・リカールでのテストに参加したGTE-Proカテゴリーに参戦するポルシェのワークスチーム「ポルシェチームマンタイ」もプログラムを順調に消化。2日間に渡るすべてのセッションでカーナンバー92のポルシェ911 RSRはトップタイムを記録した。
シーズン直前となる今回のテストでは、マルコ・ホルツァー/フレデリック・マコウィッキ/リヒャルト・リーツが470馬力を誇るヴァイザッハ生まれのGTマシンのステアリングを握った。このトリオは、もう1台の911 RSRを駆るチームメイト、イェルク・ベルクマイスター/パトリック・ピレ/ニック・タンディとともに、シルバーストン(イギリス)で行われるシーズン開幕戦に臨む。
昨年のル・マン24時間レースで見事ワンツーフィニッシュを果たした919 RSRは今シーズン、すでにデイトナ24時間とセブリング12時間で2連勝を飾っている。
カテゴリー: F1 / ポルシェ / WEC (FIA世界耐久選手権)
ポルシェ チームが他のWEC参戦チームとテストを行うのは今回が初めてのことで、異なるクラスの速度差を体感できる最初の機会でもあった。
1周5.791 kmのポール・リカール・サーキットでは、LMP1車両が記録した全クラスを通した最速ラップ(1分41秒289、ポルシェ919ハイブリッド、ブレンドン・ハートレー)と、最も遅いGTカーのタイム差は約20秒だった。また、これに先立ち数日前にも同サーキットで2台の91ハイブリッドを使用したプライベートテストも行った。
金曜日と土曜日の2日間、ロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マルク・リーブ組(カーナンバー14)とティモ・ベルンハルト/ブレンドン・ハートレー/マーク・ウェバー組(カーナンバー20)は、合計614周(3,556 km)を走破。彼らは、数え切れないほどのドライバー交代の練習をしたほか、エンジニア達と車両のセッティングをさらに煮詰めた。
チーム監督であるアンドレア・ザイドルは「WEC主催者であるFIAによる素晴らしい運営のもと、この公式テストでは予定していたプログラムを完了することができました。プライベートテストでは6時間分のレース距離を2本カバーするのと同等の耐久テストを行うことが出来ましたが、今日は予選を想定したテストも実施しました。チームワーク、パフォーマンスや信頼性など、あらゆる面で順調な仕上がりを見せました。ただし、ライバル達は多くのノウハウがあるので、一夜にして彼らのアドバンテージに追い付くことができないことはわかっています。4月20日のシルバーストンで開催されるシーズン開幕戦まで、やるべき仕事がまだ多く残されています」と述べた。
サーキットの外では、もうひとつの重要な発表があった。ポルシェ919ハイブリッドは、6メガジュールクラスのホモロゲーションを取得。これは、1周当たりブーストに使用できる回生した電力を定義するもの。また各メガジュールクラスにより、1周回当たりに使用できる燃料の量も規定される。
LMP1テクニカル・ディレクターであるアレクサンダー・ヒッチンガーは「最適なメガジュールクラスを決定するには、複雑な計算が必要です。簡単に言えば、車両全体のコンセプトで許容される範囲内で可能な限り大きく強力なエネルギー回生システムを設計しました。これにより6メガジュールクラスに適合する回生エネルギーを発生させることができます」と述べた。
ポルシェAG取締役会長のマティアス・ミューラーおよび研究開発担当取締役のヴォルフガング・ハッツは、サーキットにおいてLMP1プロジェクトの責任者を務めるフリッツ・エンツィンガーからプロジェクトの進捗に関する情報を直接収集した。
各ドライバーのコメント
ロマン・デュマ(カーナンバー14)
「私達は大きな進歩を遂げました。公式テストでは事前に抱いていた期待をさらに超える結果を出せたと思っています。しかし、周囲からの期待は絶大なものです。ここでの歓迎ぶりには感動しました。しかし、次の目標への集中力を切らさないようにしています。それは、シルバーストン6時間レースを完走することです」
ニール・ジャニ(カーナンバー14)
「私達の開発速度は、ここポール・リカールに吹くミストラルの風と同じほど速いものでした。全体的に、良好な結果が得られました。問題は解決できましたし、新たな問題も見付かりましたが、現在その解決に取り組んでいます。ロマンとマルクとの息もぴったりです。セッティングに関しては、これまでと同じ方向で調整を続けます」
マルク・リーブ(カーナンバー14)
「あらゆる点で、チームにとってよいテストとなりました。そして、車両間の速度差を実際に体験できたのも非常に重要なポイントです。シルバーストンでは、これはさらに厳しさを増すでしょう。ポール・リカールは非常に長いサーキットであり、全車が同時に走行していた訳ではありませんから」
ティモ・ベルンハルト(カーナンバー20)
「もちろん昨年6月のシェイクダウンと現在との比較というだけでなく、さらに重要なのはチームスピリットとチームが一丸となって働くという点でも、今回のテストは最も重要なものとなりました。特に、3モデルすべてが揃ったLMP1カーがほぼ同レベルで仕上がってきていることが証明された今回のテスト結果は、ファンにとっても非常によい知らせとなるはずです」
ブレンドン・ハートレー(カーナンバー20)
「初めてポルシェのワークスドライバーとしての参加したことと、ル・マン・プロトタイプのトップクラスで走れたことは、感動的な体験でした。テストプログラムではもちろんトップタイムを出すはことが一番大切なことではなかったのですが、私にとっては嬉しいことでした」。
マーク・ウェバー(カーナンバー20)
「このテストは大きな節目となりました。初めて2台の919ハイブリッドを投入したため、作業を担当するクルーは膨大な量の仕事をこなす必要がありました。その甲斐あってテストはスムースに運び、クルーにとって長い週末の努力が報われました。走行するたびに順調な仕上がりになっていますが、これはとても励みになりました。ポール・リカールのコースレイアウトは、このクルマに非常によく合っているようです。シルバーストンでどれくらいのパフォーマンスを発揮できるか、今から愉しみにしています」
同じくポール・リカールでのテストに参加したGTE-Proカテゴリーに参戦するポルシェのワークスチーム「ポルシェチームマンタイ」もプログラムを順調に消化。2日間に渡るすべてのセッションでカーナンバー92のポルシェ911 RSRはトップタイムを記録した。
シーズン直前となる今回のテストでは、マルコ・ホルツァー/フレデリック・マコウィッキ/リヒャルト・リーツが470馬力を誇るヴァイザッハ生まれのGTマシンのステアリングを握った。このトリオは、もう1台の911 RSRを駆るチームメイト、イェルク・ベルクマイスター/パトリック・ピレ/ニック・タンディとともに、シルバーストン(イギリス)で行われるシーズン開幕戦に臨む。
昨年のル・マン24時間レースで見事ワンツーフィニッシュを果たした919 RSRは今シーズン、すでにデイトナ24時間とセブリング12時間で2連勝を飾っている。
カテゴリー: F1 / ポルシェ / WEC (FIA世界耐久選手権)