ピレリ、F1イギリスGP決勝でのタイヤバースト問題の調査を開始
ピレリは、2020年のF1世界選手権 第4戦 F1イギリスGPの決勝レースで多発したタイヤバーストについて調査を開始した。

F1イギリスGPの決勝では、レース終了間際にタイヤバーストが多発。残り3周には2番手を走行していたバルテリ・ボッタス(メルセデス)、残り2周には5番手を走行していたカルロス・サインツ(マクラーレン)、そして、ファイナルラプではトップを走行していたルイス・ハミルトン(メルセデス)の左フロントタイヤがパンクした。

幸いにもルイス・ハミルトンは勝利を失うことはなかったが、バルテリ・ボッタスとカルロス・サインツはポイント圏外でレースを終えることになった。

どのドライバーも13周目にダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)がクラッシュした後に導入されたセーフティカー期間中にハードタイヤに交換しており、37~38周を走行していた。

「最後の2周でメルセデスの2台とマクラーレンのカルロス・サインツのタイヤに何が起きたのかはもちろん詳しく調査するつもりだ」とピレリのF1責任者を務めるマリオ・イゾラはコメント。

「今確実に分かっていることは、これらの故障に見舞われたタイヤが極度に消耗していたということであり、しばらくセーフティカーの後ろにいたとはいえ、およそ40周は走行していた」

「レースはセーフティカーに大きく左右され、2度目のセーフティカーの登場がほぼ全てのマシンにピットストップを促したことで、第2スティントがとても長くなった。分析が完了すれば何が起きたのか全貌が明らかになるだろう。それは来週末のレースにとって非常に貴重な情報となる」

F1イギリスGPでは、ダニール・クビアトの他にオープニングラップでケビン・マグヌッセン(ハース)がリタイアしており、また、終盤にはキミ・ライコネンがフロントウイングをコース上で破損させている。

「このサーキットで38周以上を走行したタイヤが摩耗していることは確かであり、酷い摩耗が原因の可能性もあるが、現時点では断定できない」

「コース上にはキミ(ライコネン)のフロントウイングのデブリがあったため、デブリの可能性もある。他にもいくつかデブリがあった」

「そのため、破損したタイヤだけでなく、レース終盤に使用されたすべてのタイヤを調査し、損傷の原因を示す証拠となるようなものがないかを確認したい。いくつかの分析についてはサーキットのラボで行うかもしれない」

「摩耗レベルは非常に高かった。第1スティントの(ロマン)グロージャンのタイヤは完全に摩耗しきっていた。第2スティントのタイヤに関してもいくつか確認したが、いずれも摩耗レベルは100%に近い。それが問題の原因かどうかを調べる必要がある」

「はっきりしていることは、タイヤが完全に摩耗している場合、トレッドの保護力が弱くなり、コース上の小さなデブリであってもダメージを受けやすくなる。中にはコードが露出しているものもあった。摩耗のレベルが100%に近いと説明したのはそのためだ」

「各タイヤには周回数の上限があるが、これはマシンやセットアップ、エネルギーレベルに依存するため、一概に誰もが同じ上限とは言えない」

F1は、今週末に第5戦 70周年記念GPを同じシルバーストン・サーキットで開催するが、タイヤコンパウンドは1段階や分からいものが採用される。



このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / ピレリ / F1イギリスGP