ピレリのタイヤバースト問題はミシュランに追い風?
先週末のF1ベルギーGPで、ピレリのタイヤが2度もバーストするという事態が起きたことで、2017年以降のF1タイヤサプライヤーとしてミシュランを推す声のほうが強くなりそうだという見方が出てきている。

決勝レースで、あと残り2周というところで表彰台を逃しセバスチャン・ベッテルは激怒。また、金曜フリー走行中に時速300kmで走行中に同じようなタイヤ破裂を経験していたニコ・ロズベルグもピレリに対する不信感をあらわにしている。

ピレリは、今回のタイヤバーストは、外部から受けた損傷や摩耗が進みすぎた状態で走り続けたことから起こったものだと主張しているが、ニコ・ロズベルグはレース後に自身のブログで、それは「まったく受け入れられない」と述べている。

また、ニコ・ロズベルグは、Bild のコラムの中で「ピレリが、次のモンツァまでに全てを的確に二重チェックを行い、僕たちが安全にレースができるようにしてくれると確信しているよ」とピレリへプレッシャーをかけている。

このニコ・ロズベルグのコメントは、ピレリのモータースポーツダイレクターであるポール・ヘンベリーが、F1ベルギーGPで自分たちに向けられた非難に対し、怒りをもって次のように反論したことを受けてのものだった。

ポール・ヘンベリーは「エンジニアたちは、タイヤを犠牲にすることで、クルマをこれまでにはなかったほど限界ギリギリで走らせようとしている」と Bild にコメント。

「ドライバーたちは、最初はタイヤが軟らかすぎると言い、次には硬すぎると言う。我々だけが常に馬鹿を見ている状態だ」

いずれにせよ、立て続けに起こったタイヤバーストが、ピレリにとっては悪いタイミングで起こってしまったのは事実。現在、F1最高責任者のバーニー・エクレストンとの間で2017年以降の契約延長に関する交渉が進められている最中だからだ。

バーニー・エクレストンは、現在のサプライヤーであるピレリを推していると言われているが、今回のタイヤバーストにより、ミシュランの方がふさわしいのではないかとのプレッシャーがかかってくるのは確かだろう。

かつてマクラーレンやレッドブルなどで活躍した元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、「F1には最高のものがふさわしい。そして、現在のタイヤはそうではないね」とコメント。

Auto Motor und Sport は「ピレリにとって、安全性に関する議論が最悪のタイミングで起こってしまった。ピレリとは異なり、ミシュランは長持ちするタイヤを提唱している。スパで起こった破裂は、そうした議論の最中にあって、格好の実例となってしまった」

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カテゴリー: F1 / ピレリ / ミシュラン